No.1-10 周囲の“反対”が“応援”に変わった瞬間
Q.ご家族から借り入れをしたそうですが、反対はなかった?
ありましたよ~。
母とは、何度も喧嘩しました。今でも心から賛成はしてないんじゃないでしょうか。
それは、やってることに対しての反対ということではなく、母親としての心配からくるものなんだと思いますけどね。
でも、資金に関しては、お願いしたら意外とすっと貸してくれましたね。
なんででしょうね(笑)。
Q.今でも、お母さまと喧嘩することはあるのですか?
ありますよ。
私もオープン当初は、できるだけ状況を話すようにしてたんですけど、そうするとやっぱりあれこれ言われるんですよね。
それで一度、大喧嘩をしたことがあって…泣きながら「もう口を出さないで!」って。
それ以来、ぴたっと何も言わなくなって今に至ってます。
でもきっとそれは、応援する気持ちと母親としての不安や心配からくるものなんでしょうけどね。
ただ今は、自分のバランスを保つためにあまり話さないようにしています。
Q.ご家族以外の周囲の方からの反応は?
友人や前職の同僚、仲のいい後輩や先輩に話したときは、心配から「やりたいことがあるのはいいことだけど、大丈夫なの?」とか「そんな夢みたいなことばっかり言って…」とか言われました。
Q.反対されたわけではなかったのですか?
多分ですけど、周りは本気にしてなかったんだと思います。
「そうは言いつつ無理だろう…」って感じで…。
でも、物件を借りたりサロン準備を進めたりするなかで、少しずつ応援してくれるようになりましたね。
おもしろいもので、厳しいことを言っていた人の方が、今はすごく応援してくれてて…嬉しいですよね。
Q.周囲の反応が変わった理由を、ご自身ではどう感じていらっしゃるのですか?
なんでしょうね…。
やっていく過程と実際にやり始めている姿を見て、本気なんだということを感じたからじゃないでしょうか。その姿勢を認めて、応援してくれるようになったのかなって、そう思いますね。
友人とか前の職場での同僚とか先輩後輩が、ボワールを自分で体験して、人にすすめてくれてたり…すごくありがたいことだと思っています。
No.1-9 減額融資でも、サロンという器は必要だった
Q.ところで、開業資金などはどうされたんですか?
手元にあったのをかき集めて、家族にも頼んで、国金(国民生活金融公庫)から融資を受けました。
Q.足りない資金=国金から融資を受ける、すぐに繋がりましたか?
行政がやってる起業支援・・・相談できるところがあるってAkemiさんに聞いて、まずはそこにいったんです。(※(財)ひょうご産業活性化センター)
そこで国金のことを知りました。融資を受けるにはどうしたらいいとか、事業計画書の書き方マニュアルとか、そういったことを聞きました。
実はそのときは、「なんでこんな場所を教えられたんだろう?」って思ったんですよ。でも、今思えば「こういうものもあるから活用した方はいいよ」ってことだったんだろうなって。実際、相談に通う中で、少しずつ自分の中でリアリティが出てきました。
Q.事業計画書はご自身で作成されたのですか?
はい。そのとき、色々聞いていたこともあって、なんとか自分で書き上げることができました。
昼間は仕事して、夜は電卓叩いて・・・必死で考えました(笑)。
Q.融資申請後に行われる面談ではどのようなことを聞かれましたか?
売上げの金額に関しては突っ込んで聞かれましたね。
国金の方って、業種別のデータ資料というものを持ってらっしゃるんですよ。この業種だったら月の売上げや経費がこのくらいで、といった店舗平均が掲載されているらしく…、それを踏まえての話しがほとんどでしたね。
私も色々調べて資料を用意して面談に挑んだので、 特に問題なく進みましたよ。
ただひとつ、経費に関しては少し多めの金額設定をしていたので、そこだけ少し突っ込まれましたけど…トータル的に大幅な相違はなかったようです。
Q.売上げ予測を立てるためのデータはどのようにして調べられたのですか?
実際に備品等の仕入れを始めていた時期だったので、そういった経費の計算はすぐにできました。あとは、ネットを使って神戸市内のサロン数や平均スタッフ数、金額などを調べ、それを元に1ヶ月の平均金額を割り出しました。
Q.設備に費用がかかりそうですが、融資申請した希望額は通ったのですか?
本当は、これだけ借りたいという自分のなかでの希望額を申請はしたんですけど…減額はされましたね。
Q.減額されたことで、サロンを開くことに不安は感じなかったですか?
周りに色々と相談はしました。そのときに、「とりあえず今の自分にできる範囲で、自宅サロンという方法もあるんじゃない?」って言われたんですね。
それもひとつの方法だと思ったんですが、自分のなかではどうもしっくりこなかった…。
将来的に大きくしていきたいという目標があったので、そういった自分の未来の設定を明確にしていったとき、それに合った器=場所が必要なんじゃないか、と。
なので、やっぱりきちんとサロンとしての場所を借りよう、と思いました。
Q.サロンを開く上での弊害にはならなかったのですね。
減額されたことで弊害になったり、ということはなかったですね。用意できたお金のなかで、なんとか頑張りました。
ただ、運転資金も考えての申請だったので、オープン後の余裕はなくなりましたけど。
でもそう思っていた矢先、合わせたかのようなタイミングで前職の退職金が入り、なんとか…(笑)
No.1-8 もう一度同じことをやれ、と言われても・・・できる!
Q.実質、開業までの期間ってどれくらい?
決めてからオープンするまでの期間は、3ヶ月くらい、ですね。
Q.わずか3ヶ月! 仕事してスクールに通って開業準備もして・・・。大変だったのでは?
楽しかったですよ~。
ただ唯一、仕事をなかなか辞められなかったことはしんどかった、かな。8月、遅くとも9月いっぱいで退職できるはずだったんですけどね、なんだかんだで10月まで伸びちゃって…それは少し大変でした。
でも、自分の責任で生きる場所ができていく、という喜びの方が大きかったですね。
Q.開業までの日々は想像してたより簡単だった!?
壁にぶつかったり大変なことは色々ありました。
でも、その渦中にいるときって、前しか見てない、次のステップしか見てないから、壁にぶつかったり悩んだりっていう日々の落ち込みも、ちゃんと乗り越えてきてるんです。
だから、決して簡単でも順調でもなかったんだけど、今、その経緯を振り返ってみると、人やタイミングに恵まれてとんとんと進んでこれたんだな、ありがたいことだなって思う…かな。
Q.今、振り返って感じることは?
早かった!
その間に体調を崩して入院したり、仕事と並行しながらすべてをやってたっていうのもあったけど、それでもほんと、あっという間でしたね。
あとは・・・うん! やっぱり、タイミングと人に恵まれてました! 改めて実感しますね。
Q.それは具体的にどのようなことから感じられたのですか?
今このお仕事をさせていただいているのも、仕事を辞めたい辞めたいと言い続け、体もぼろぼろになっていたときに稲田先生を紹介していただいたから。
今のこの場所に出会えたのも、なかなかいい物件が見つからず困っていたとき、知り合いの方が不動産屋さんを紹介してくださったから。
そのタイミングの絶妙さは、すごいな~って。
これらはほんの一例ですが、何か困ったことや追いつめられたりすると、手を差し伸べてくれたり助けてくれる人にいつも出会うんです。すごいタイミングで…。
本当にありがたいことだし、感謝ですよね。
Q.もし今、もう一度このときと同じことをやれ、と言われたらできますか?
やるでしょうね(即答)。
Q.すごい! 即答ですね。なかには、そのときだからできた、という方もいらっしゃいますが…。
次のステップとして必要であるなら…やりたいことややることが明確であれば…、
全然できると思います。
即座にやるって言い切れるってことは、私のなかにまったくマイナスの感情がないんだなって、今思いました。
いい質問ですね~(笑)。
大変だったりしんどかったりはしたけれど、だからもう嫌だとは思わないってことですもんね!
Q.大変なこと以上の喜びや幸せが、そこにはありますもんね。
そうですよね~。
以前は、リスクが怖くて二の足を踏んでしまっていたんですが、今は「リスクがあるのは当たり前」って思えるし、その意識が無意識になれば怖いものなんてないな~って。
それに、リスクが大きければ大きいほど、得られる達成感はすごいですからね!
No.1-7 精神的にぎりぎりの状態で過ごした、オープンまでの2週間
Q.お仕事を辞められてからオープンまでの期間ってどれくらいだったのですか?
2007年10月27日が、このサロンのオープンだったんですけど…確か、10月10日くらいまで働いていたんじゃないかな。なかなか退職許可が出なかったんですよね。
Q.限られた時間のなかでの準備で一番大変だったな、と思ったことはありますか?
業者さんとのやり取りですね。
知り合いから紹介していただいた近場の業者さんが、なんか合わないと思ったのに、断れない性格からズルズルしちゃって、結果的に周りから断ってもらったことがありました。
あえて厳しい判断もしていかないと、結果的には周囲にまで迷惑を掛けるんだって・・・。その時は分かってなかった気がします。
Q.もしかして、搬入物がすべて揃ったのって・・・?
そう、オープン前日の夜です!(笑)。
数日前から、エステの物品等々をはじめ、洗濯機や冷蔵庫等の電化製品が届いて、こだわってオーダーした受付カウンターは、前日の午前中。
そして最後に届いたのが、この観葉植物。もう辺りは真っ暗、夜中でした。
Q.ぎりぎりまで備品等が届かないことに対してのもどかしさや焦りはなかった?
ヒヤヒヤはしてたんだろうと思います。
でも、とにかく頼んで頼んで頭を下げまくって、オープンまでに間に合うようにお願いして… 。ひとつひとつ届くたびに胸を撫で下ろしてましたね。
でも、たとえ前日ぎりぎりであっても間に合えばいいと思ってました。それよりも、少しずつできていく過程の方が楽しかったから。
Q.そのときって、精神的にどんな状態だったのですか?
オープン前に研修に行ってたころから、体調はよく崩していました。
私、色々考えてしまったりストレスが溜まると、真っ先に胃腸にきちゃうので、そのときもお腹を下したり吐いちゃったり、鼻血が出たり…。
その当時は、もともと暑さに弱いし、自分のなかでストレスも感じてなかったので、気にしてなかったんですけど、今考えると精神的にぎりぎりの状態だったのかもしれません。
No.1-6 不動産屋さんのおかげで内装もスムーズに
Q.物件契約時には、まだお仕事されてたんですよね? サロンの準備はどうされたのですか?
物件契約後、次は内装の業者さんを探さないといけないと思っていたんですが、その不動産屋さんが設計や内装等の請負もしていたんですね。
なので、内装のことや値段のことなどこちらの希望をお伝えして、すべてお願いしました。
物件探しから内装まで、同じ担当の方にお願いできたので、スムーズでしたね。
Q.信頼できる方だったら心強いですよね
そうなんです。休日しか動けない私との間に入って、内装のイメージから家具に至るまで、意向をきちんと伝えてくれて、なおかつ値段交渉までしてくれて・・・。
私が、個人で内装業者を探して直接交渉をしてたら、もっと時間かかって大変だったと思います。すごく助かりましたね。
Q.どのようなイメージで内装を決められたのですか?
う~ん、イメージ…。
稲田先生のサロンのイメージが、印象としてすごく頭のなかに残ってたんですよ。だから、それを意識してる部分がおおいにあるような…。
あとは、このウッドベースに黒をアクセントカラーとした内装をそのまま活かしてもいいな~と思って、それに合わせ家具など揃えていきました。
Q.デザイナーズ物件のお洒落な仕様を活かした?
そうですね。
クローゼットの背側や壁の一部分の黒いカラーも、クローゼットのように水場(キッチン&冷蔵庫・洗濯機置き場)を扉で隠せる仕様も、すべて最初からの状態。
なので、床や窓際のウッドズペースは張り替えずワックスをかけ、なぜか一カ所だけ赤く塗られていた壁のスペースがあったので(笑)、そこを黒に塗り替えてもらいました。
Q.家具も室内のイメージにぴったり! ご自分で探した?
カウンターは、部屋の雰囲気にマッチするようなものをオーダーで作ってもらいました。イメージを固め、高さも測り、少しカーブした感じのデザインに決め、素材を選んで。
それ以外、チェアやテーブル、鏡などは、そういった家具や雑貨を置いている神戸のショップを何軒も実際に歩いて、見て回りましたね。
チェアは貼りを変えられるものだったので、雰囲気に合わせて黒で統一しました。
Q.そういった家具や備品の購入は、仕事のお休みを利用して?
休日にショップを回ったり、サロンのなかの準備をしたり…。あと、いろんな手続きや手配とかも。最後の方は時間との戦いってかんじでしたね。
Q.物件探しで印象に残っていることはありますか?
やっぱり不動産屋の担当者の方が自分のことみたいに一生懸命に取り組んでくださったことですね。
ちょっとおかしかったのは、その担当者の方・・・20代の男性だったんですけど、物件を見にきてくださった稲田先生の年齢を知ったら、もの凄いびっくりしたらしく、しばらくかたまっちゃって。我に返って一言・・・「僕、全然大丈夫です!」って。
いつも凄く礼儀正しくて、そんなフランクな発言するタイプじゃなかったから、本当に驚いたんだろうな~って。今思い出しても可笑しくて(笑)。




