アルバム 『The Wall (ザ・ウォール)』 を，1979年11月にリリースしたピンク・フロイドは，年が明けた1980年2月7日の米国はカリフォルニア州のロサンゼルス・スポーツ・アリーナ公演を皮切りに，ニューヨーク州のナッソウ・コロシアム公演，英国はロンドンのアールズ・コート公演，そして翌年に当たる1981年には，独国はドルトムントのウェストファーレン・ハレ公演，英国はロンドンのアールズ・コート公演と，1980年～1981年にかけて，4都市で 『The Wall Performed Live』 と題された公演を行います．
通常のピンク・フロイドの公演であれば，全世界を回り100公演近くは行いますが，この 『The Wall Performed Live』 と題された公演は，経費とコストが余りにもかさむため、4都市で都合31公演にとどまりました．
本CDは，そのタイトル 『Nassau Coliseum 1980 4th Night：Collector's Edition (LEM 049)』 が示す通り，ニューヨーク州はロング・アイランドのナッソウ・コロシアム公演の 4日目に当たる，2月27日の演奏を収録したもので，今回は Sigmaレーベルではなく，LEMレーベルからの 50セット限定の CDRでのリリース．
しかも 「Collector's Edition」 と記載されているように，当日の音源を 3種類収録した CDR 6枚組でのリリースです．
何故に 3種類．．．．
個人的には最初の 2枚（：Disc 1＆2＝Recorder 1 Master）のみで良いようにも思うのですが．(笑)
でも，この 「Collector's Edition」 は，店頭に並んだ，3日後の日曜日には，50セットが完売すると言う状況．
「11/8 ★ピンク・フロイド「NASSAU COLISEUM 1980 4TH NIGHT: COLLECTOR'S EDITION」は完売致しました。」
たまたまこの週は，ライブ参戦等もあり，リリースされる商品の情報を，店の HP でチェックしておらず，土曜日に店に行って知ったので，危い状況でした．(苦笑)
Recorder 1 Master は，非常に高音質な音源ではありますが，曲間等のオーディエンス・ノイズが若干気になる部分もありますが，全体を通して聴く事を妨げるレベルではありません．
因みにオーディエンス・ノイズはどの音源（：Recorder 2，3）も相応にありますが，この壮大なショウを初めて観ている訳でしょうから，致し方無いでしょう．
メーカー情報では
『ロック史上に燦然と輝く“THE WALL PERFOMED LIVE”の超大作６枚組ライヴセットが登場です。
これまでもさまざまなライヴアイテムが登場してきたツアーだけに「今さら録音が残っているのか？」と思われるかも知れませんが、本作に収められているのは、コアマニアが秘蔵していたブートレッグ初登場マスターばかり。中には同じ録音がトレーダー間で取引されているものもありますが、本作はいずれもマスター・ダイレクトや 1stジェネレーションで、歴史的コンサートを全編収録した傑作マスターの大放出なのです。
そんな本作が録音されたのは、“THE WALL PERFOMED LIVE”序盤の北米レッグ「1980年２月27日」。この北米レッグは「ＬＡメモリアル・スポーツ・アリーナ７公演＋ナッソーコロシアム５公演」の計12公演で構成されていたわけですが、本作の「２月27日」は、ナッソーの４日目にあたる。そう、高品質プロショットとして大人気を博した「U.S. WALL」と同じライヴのオーディエンス・セット。
３つのマスターとも、同一ショウを収録した別マスターで、ディスク２枚ずつにフルコンサートが詰まっているわけです。プロショット映像をご覧になった方はお気づきかも知れませんが、このナッソー4日目の最大の特徴として「Waiting For The Worms」でロジャーが銅鑼を使ったパフォーマンスを行っており、実はこれは4日目の音源のみでしか聴くことが出来ないのです。そのショウのオーディエンスが 3つも残されていたのは大変貴重であるといえます。
まずディスク１・２に収められているのが「Recorder 1 Master」。現場の空気を直接吸った録音カセットからダイレクト（！）にデジタル化したものです。
そのサウンドは、さすがのマスター・クオリティ。凄まじいまでの鮮度で、スピーカーから35年前のナッソーコロシアムの空気を吐き出してくれます。しかも、単に鮮度が良いだけでなく、録音自体が素晴らしい。アコースティックギターのアルペジオ１音１音、ピアノのタッチまでハッキリ分かるほど……いえ、「分かる」なんて言ったら録音に怒られる。ピッキングニュアンスの強弱までも「味わえる」ほどクリアなのです。もちろん、客席録音のダイナミズムもばっちりで、空前のスペクタクル・ショウを目の当たりにした観客の大熱狂も吸い込んでいますが、それさえも主役である楽音を汚さない。実際、決定版プロショットがなかったら、この「Recorder 1」だけでもプレス化するはずだったのですが……。
さらに、この「Recorder 1」は、後述する他２マスターより収録時間も長い。本編はもちろんのこと、「Outside The Wall」で終演した後も長く録音しています。会場に流れる「In The Mood」などのスイングジャズBGMも４分以上にわたってたっぷり聴けるのですが、これがまたムード満点。世紀の大スペクタクル・ショウを体験し、夢の世界が終わりを告げるような感覚。観客たちが感じているであろう「今、見たものは何だったんだろう……」との感慨がじんわりと伝わっては、胸に染み渡るひとときなのです。数ある“THE WALL PERFOMED LIVE”記録の中でも、ここまで終演後の雰囲気を捉えきった録音はちょっと覚えがありません。
次なるディスク３・４は、「Recorder 2 1st Gen」。これまた素晴らしくクリアなサウンドで、現場カセットからのダイレクトでこそありませんが、1stジェネの鮮度も麗しい。「In The Flesh?」等にあるわずかな歪みや収録時間から総合点では「Recorder 1」に及ばないものの、豊かな低音の鳴りや中・高音のクリアさでは凌いでしまうほど。あまりに鮮明なために高音がきつく感じられるきらいもありますが、「Recorder 1」よりこちらの方を好まれてもまったく不思議はない傑作録音なのです。
最後のディスク５・６に収められているのが「Recorder 3 1st Gen」。これもコアコレクター秘蔵の1stジェネマスターです。「Recorder 1・2」と比較すると、わずかに距離のあるポジションから録られたようですが、クリアさはほぼ同等で高音・低音のバランスも素晴らしく、これまた1stジェネの鮮度が眩しい録音です。録音の距離感を感じるのは、楽音というよりも歓声。大観衆の広大な盛り上がりが感じられ、ステージ下の客席から歓声のカーテンが立ち上るかのような臨場感なのです。「じゃあ、楽音が聞きづらい？」というと、そうではありません。バンドの演奏はどこまでも力強く、芯の太い楽音が歓声のカーテンを突き破り、テーパーの元へ飛び込んでくる感覚なのです。
当時のフロイド人気が手触りの実感で伝わりつつ、バンドサウンドも聴きやすい「Recorder 3」。「Recorder 1」ばりにプレス化が検討されたのですが、実はアナログ由来の音飛びが数カ所にある。ほとんどが集中していないと気づかないレベルなのですが、何カ所かは「キュルッ」とテープが歪んだような音が入る。それぞれが秒数カウントもできないほど一瞬ではあるものの、その瞬間の「惜しい！」感は、やはり永久保存のプレス向きとは言えない。全体のサウンドが素晴らしいだけに、本当に、あまりにも惜しいマスターです。
スタジオアルバム「THE WALL」のリリースから36年。
その長い間に、映画、ライヴアルバム、プロショット、デモ、リハーサル、再演ツアー、再劇場化………等々など、さまざまな「THE WALL」が生まれてきました。もはや、「THE WALL」は１つのアルバムやツアーの次元を超え、それぞれがブロックの１つひとつとなって、ロック史に築き上げられた巨大な「壁」。そして、本作は新たに生まれた、大きな「ブロック」なのです。
本作は、同公演のプロショットがあるため、どうしても“真っ先に聴け！”とは言い切れず、後世にはマニア向けとして伝わる事になるかも知れません。しかし、存在感こそマニアックではあっても、確かに輝くクオリティの本作を歴史の闇に消すことはできない。ぜめて、この輝きを分かってくださる方だけにでもお届けしたい。そのための30セット限定リリースです。ロック史にそびえ立つ「壁」の新たな側面を魅せてくれる１本。プロショットだけでは分からない客席の真実を伝える“もう１つのブロック”。今週末、あなたのコレクションにそっと積み上げてください。』
Nassau Coliseum 1980 4th Night：Collector's Edition (LEM 049)
Live At Nassau Coliseum,Uniondale,Long Island,NY,USA 27th February 1980
Recorder 1 Master
Disc 1
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (56:43)
Disc 2
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
15. Outro.
TOTAL TIME (59:20)
Recorder 2 1st Gen
Disc 3
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (53:02)
Disc 4
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
TOTAL TIME (53:51)
Recorder 3 1st Gen
Disc 5
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (57:18)
Disc 6
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
TOTAL TIME (56:14)
In The Flesh ? (Disc 1,Track 2)
One Of My Turns (Disc 1,Track 12)
Hey You (Disc 2,Track 1)
Comfortably Numb (Disc 2,Track 6)
Waiting For The Worms (Disc 2,Track 11)
In The Flesh ? (Disc 3,Track 2)
In The Flesh ? (Disc 5,Track 2)
[参考]
The Wall Tour
1980
February
07 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
08 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
09 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
10 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
11 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
12 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
13 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
24 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
25 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
26 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
27 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
28 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
August
04 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
05 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
06 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
07 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
08 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
09 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
1981
February
13 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
14 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
15 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
16 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
17 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
18 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
19 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
20 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
June
13 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
14 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
15 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
16 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
17 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
[関連記事]
「Earls Cout 1980 Final Night (Sigma 141)」
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「Dortmund 1981 3rd Night (Sigma 134)」
「Westfalenhalle, Dortmunt 198102xx」
「Nassau Coliseum 1980 Final Night (Sigma 126)」
「The Wall：First Ever Live (Sigma 116)」
「The Sixth German Show (GR382/383)」
「Building The Wall (Roaring Mouse)」
「The Wall Performed Live (2DVDR)」
「The Final Wall In London 1981 SOURCE #5 (LEM 044)」
「2nd Night In Dortmund (Gift CDR)」
「Westphalian Wall (Sigma 17)」
「First Wall (SDR CD 271/272)」
「History Of "Comfortably Numb"」
![The Wall Collector's Box [6CD+DVD]](https://stat.ameba.jp/user_images/20120331/11/x-cinnamon/f9/f3/j/t02200220_0300030011885571176.jpg?caw=800)
「Wall In Progress 1978 - 1979 (AYANAMI-045)」
「The Show Must Go On (HL001 SEX)」
通常のピンク・フロイドの公演であれば，全世界を回り100公演近くは行いますが，この 『The Wall Performed Live』 と題された公演は，経費とコストが余りにもかさむため、4都市で都合31公演にとどまりました．
本CDは，そのタイトル 『Nassau Coliseum 1980 4th Night：Collector's Edition (LEM 049)』 が示す通り，ニューヨーク州はロング・アイランドのナッソウ・コロシアム公演の 4日目に当たる，2月27日の演奏を収録したもので，今回は Sigmaレーベルではなく，LEMレーベルからの 50セット限定の CDRでのリリース．
しかも 「Collector's Edition」 と記載されているように，当日の音源を 3種類収録した CDR 6枚組でのリリースです．
何故に 3種類．．．．
個人的には最初の 2枚（：Disc 1＆2＝Recorder 1 Master）のみで良いようにも思うのですが．(笑)
でも，この 「Collector's Edition」 は，店頭に並んだ，3日後の日曜日には，50セットが完売すると言う状況．
「11/8 ★ピンク・フロイド「NASSAU COLISEUM 1980 4TH NIGHT: COLLECTOR'S EDITION」は完売致しました。」
たまたまこの週は，ライブ参戦等もあり，リリースされる商品の情報を，店の HP でチェックしておらず，土曜日に店に行って知ったので，危い状況でした．(苦笑)
Recorder 1 Master は，非常に高音質な音源ではありますが，曲間等のオーディエンス・ノイズが若干気になる部分もありますが，全体を通して聴く事を妨げるレベルではありません．
因みにオーディエンス・ノイズはどの音源（：Recorder 2，3）も相応にありますが，この壮大なショウを初めて観ている訳でしょうから，致し方無いでしょう．
メーカー情報では
『ロック史上に燦然と輝く“THE WALL PERFOMED LIVE”の超大作６枚組ライヴセットが登場です。
これまでもさまざまなライヴアイテムが登場してきたツアーだけに「今さら録音が残っているのか？」と思われるかも知れませんが、本作に収められているのは、コアマニアが秘蔵していたブートレッグ初登場マスターばかり。中には同じ録音がトレーダー間で取引されているものもありますが、本作はいずれもマスター・ダイレクトや 1stジェネレーションで、歴史的コンサートを全編収録した傑作マスターの大放出なのです。
そんな本作が録音されたのは、“THE WALL PERFOMED LIVE”序盤の北米レッグ「1980年２月27日」。この北米レッグは「ＬＡメモリアル・スポーツ・アリーナ７公演＋ナッソーコロシアム５公演」の計12公演で構成されていたわけですが、本作の「２月27日」は、ナッソーの４日目にあたる。そう、高品質プロショットとして大人気を博した「U.S. WALL」と同じライヴのオーディエンス・セット。
３つのマスターとも、同一ショウを収録した別マスターで、ディスク２枚ずつにフルコンサートが詰まっているわけです。プロショット映像をご覧になった方はお気づきかも知れませんが、このナッソー4日目の最大の特徴として「Waiting For The Worms」でロジャーが銅鑼を使ったパフォーマンスを行っており、実はこれは4日目の音源のみでしか聴くことが出来ないのです。そのショウのオーディエンスが 3つも残されていたのは大変貴重であるといえます。
まずディスク１・２に収められているのが「Recorder 1 Master」。現場の空気を直接吸った録音カセットからダイレクト（！）にデジタル化したものです。
そのサウンドは、さすがのマスター・クオリティ。凄まじいまでの鮮度で、スピーカーから35年前のナッソーコロシアムの空気を吐き出してくれます。しかも、単に鮮度が良いだけでなく、録音自体が素晴らしい。アコースティックギターのアルペジオ１音１音、ピアノのタッチまでハッキリ分かるほど……いえ、「分かる」なんて言ったら録音に怒られる。ピッキングニュアンスの強弱までも「味わえる」ほどクリアなのです。もちろん、客席録音のダイナミズムもばっちりで、空前のスペクタクル・ショウを目の当たりにした観客の大熱狂も吸い込んでいますが、それさえも主役である楽音を汚さない。実際、決定版プロショットがなかったら、この「Recorder 1」だけでもプレス化するはずだったのですが……。
さらに、この「Recorder 1」は、後述する他２マスターより収録時間も長い。本編はもちろんのこと、「Outside The Wall」で終演した後も長く録音しています。会場に流れる「In The Mood」などのスイングジャズBGMも４分以上にわたってたっぷり聴けるのですが、これがまたムード満点。世紀の大スペクタクル・ショウを体験し、夢の世界が終わりを告げるような感覚。観客たちが感じているであろう「今、見たものは何だったんだろう……」との感慨がじんわりと伝わっては、胸に染み渡るひとときなのです。数ある“THE WALL PERFOMED LIVE”記録の中でも、ここまで終演後の雰囲気を捉えきった録音はちょっと覚えがありません。
次なるディスク３・４は、「Recorder 2 1st Gen」。これまた素晴らしくクリアなサウンドで、現場カセットからのダイレクトでこそありませんが、1stジェネの鮮度も麗しい。「In The Flesh?」等にあるわずかな歪みや収録時間から総合点では「Recorder 1」に及ばないものの、豊かな低音の鳴りや中・高音のクリアさでは凌いでしまうほど。あまりに鮮明なために高音がきつく感じられるきらいもありますが、「Recorder 1」よりこちらの方を好まれてもまったく不思議はない傑作録音なのです。
最後のディスク５・６に収められているのが「Recorder 3 1st Gen」。これもコアコレクター秘蔵の1stジェネマスターです。「Recorder 1・2」と比較すると、わずかに距離のあるポジションから録られたようですが、クリアさはほぼ同等で高音・低音のバランスも素晴らしく、これまた1stジェネの鮮度が眩しい録音です。録音の距離感を感じるのは、楽音というよりも歓声。大観衆の広大な盛り上がりが感じられ、ステージ下の客席から歓声のカーテンが立ち上るかのような臨場感なのです。「じゃあ、楽音が聞きづらい？」というと、そうではありません。バンドの演奏はどこまでも力強く、芯の太い楽音が歓声のカーテンを突き破り、テーパーの元へ飛び込んでくる感覚なのです。
当時のフロイド人気が手触りの実感で伝わりつつ、バンドサウンドも聴きやすい「Recorder 3」。「Recorder 1」ばりにプレス化が検討されたのですが、実はアナログ由来の音飛びが数カ所にある。ほとんどが集中していないと気づかないレベルなのですが、何カ所かは「キュルッ」とテープが歪んだような音が入る。それぞれが秒数カウントもできないほど一瞬ではあるものの、その瞬間の「惜しい！」感は、やはり永久保存のプレス向きとは言えない。全体のサウンドが素晴らしいだけに、本当に、あまりにも惜しいマスターです。
スタジオアルバム「THE WALL」のリリースから36年。
その長い間に、映画、ライヴアルバム、プロショット、デモ、リハーサル、再演ツアー、再劇場化………等々など、さまざまな「THE WALL」が生まれてきました。もはや、「THE WALL」は１つのアルバムやツアーの次元を超え、それぞれがブロックの１つひとつとなって、ロック史に築き上げられた巨大な「壁」。そして、本作は新たに生まれた、大きな「ブロック」なのです。
本作は、同公演のプロショットがあるため、どうしても“真っ先に聴け！”とは言い切れず、後世にはマニア向けとして伝わる事になるかも知れません。しかし、存在感こそマニアックではあっても、確かに輝くクオリティの本作を歴史の闇に消すことはできない。ぜめて、この輝きを分かってくださる方だけにでもお届けしたい。そのための30セット限定リリースです。ロック史にそびえ立つ「壁」の新たな側面を魅せてくれる１本。プロショットだけでは分からない客席の真実を伝える“もう１つのブロック”。今週末、あなたのコレクションにそっと積み上げてください。』
Nassau Coliseum 1980 4th Night：Collector's Edition (LEM 049)
Live At Nassau Coliseum,Uniondale,Long Island,NY,USA 27th February 1980
Recorder 1 Master
Disc 1
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (56:43)
Disc 2
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
15. Outro.
TOTAL TIME (59:20)
Recorder 2 1st Gen
Disc 3
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (53:02)
Disc 4
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
TOTAL TIME (53:51)
Recorder 3 1st Gen
Disc 5
1. MC Intro
2. In The Flesh ?
3. The Thin Ice
4. Another Brick In The Wall (Part 1)
5. The Happiest Days Of Our Lives
6. Another Brick In The Wall (Part 2)
7. Mother
8. Goodbye Blue Sky
9. Empty Spaces
10. What Shall We Do Now ?
11. Young Lust
12. One Of My Turns
13. Don't Leave Me Now
14. Another Brick In The Wall (Part 3)
15. The Last Few Bricks
16. Goodbye Cruel World
TOTAL TIME (57:18)
Disc 6
1. Hey You
2. Is There Anybody Out There ?
3. Nobody Home
4. Vera
5. Bring The Boys Back Home
6. Comfortably Numb
7. The Show Must Go On
8. MC Intro
9. In The Flesh
10. Run Like Hell
11. Waiting For The Worms
12. Stop
13. The Trial
14. Outside The Wall
TOTAL TIME (56:14)
In The Flesh ? (Disc 1,Track 2)
One Of My Turns (Disc 1,Track 12)
Hey You (Disc 2,Track 1)
Comfortably Numb (Disc 2,Track 6)
Waiting For The Worms (Disc 2,Track 11)
In The Flesh ? (Disc 3,Track 2)
In The Flesh ? (Disc 5,Track 2)
[参考]
The Wall Tour
1980
February
07 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
08 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
09 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
10 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
11 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
12 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
13 Los Angeles Memorial Sports Arena, Los Angeles, CA, USA
24 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
25 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
26 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
27 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
28 Nassau Veterans Memorial Coliseum, Uniondale, Long Island, NY, USA
August
04 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
05 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
06 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
07 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
08 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
09 Earls Court Exhibition Hall, London, UK
1981
February
13 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
14 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
15 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
16 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
17 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
18 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
19 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
20 Westfalenhalle, Dortmund, GERMANY
June
13 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
14 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
15 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
16 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
17 Earls Court Exhibition Hall, Earls Court, London, UK
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