これまでのエディルネ記事は↓コチラ↓から。
①シナンをたずねて九百里
②ご当地グルメを食す
③ウチュ・シェレフェリ・ジャーミィ
オスマン帝国時代の宮廷建築家であり、トルコ史上最高の建築家と呼ばれる
MİMAR SİNAN/ミマール・シナンという人の存在を知ったその日から
ずっとずっと訪れたかったSelimiye Camii/セリミエ・ジャーミィ。
彼が生涯に亘り手がけた作品は、477にも及ぶと言われていますが
その中でも、このエディルネにあるセリミエ・ジャーミィは
シナン本人が「自らの最高傑作である」と言ったと伝えられています。
シナンが建築家になるずっとずっと昔から
彼自身にとって、イスタンブールにあるAyasofya/アヤソフィアが
どれだけ特別な意味のある場所であったのか。
オスマン帝国時代の建築家や歴代スルタン(君主)にとって
アヤソフィアを超える大きさのドームを造ることが
どれだけ悲願であったのか。
そして、御年80歳にしてエディルネの地を舞台に
夢への実現へ向け、チャレンジを始めたシナン・・・。
シナンが宮廷建築家にのぼり詰めるまでの過程や
オスマン帝国最盛期に君臨したスレイマン1世との絆
更に、オスマン帝国時代の壮絶な権力闘争など・・・
夢枕獏さんの著書「シナン」を読んで
今までとはまた違った角度から、トルコのことを知ることができました。
- シナン〈上〉 (中公文庫)/中央公論新社
- ¥741
- Amazon.co.jp
- シナン 下 (2) (中公文庫 ゆ 4-6)/中央公論新社
- ¥741
- Amazon.co.jp
この本は、架空の人物も登場し、ノンフィクションなわけではないですが
トルコの歴史や雰囲気を知るという意味でも、大変興味深い本です。
この本を読みながら、何度となく感涙してしまった私・・・。
読了後、さらにシナン作品への関心が深まったのはもちろん
最高傑作セリミエ・ジャーミィを建設するまでに至る経緯や
シナン自身の想い入れ、さらに逆さチューリップにまつわる秘話など・・・
エディルネを訪れたい気持ちがMAXになったことは言うまでもなく。
そして、ついについにその日がやって来たのです!
念願のセリミエ・ジャーミィを訪れての感想。
正直、入った瞬間
「あ・・・、ここも残念タイプなのか・・・。」とガッカリしてしました。
もちろんそれは、シナンの傑作が思ったほどすごくない。という意味ではなく
修復され、新品かのごとくキレイに塗り直されてしまっていることに対して
ガッカリしたのです。
素人目線ですが
私がジャーミィを訪れたとき“ステキだな”と感じるポイントって
建物から感じ取ることができる「歴史」なのです。
もちろん修復が必要なのは分かりますが、修復後のジャーミィを見て
ガッカリした経験、何度となくあります。
シナン作品だと、イスタンブールにあるスレイマニエ・ジャーミィと
ミフリマ・スルタン・ジャーミィ(同じ名前のものが2つあって、ウスキュダルの方)。
このふたつに行ったときも、同じ気持ちになりました。
拝啓、ミマール・シナン様
期待値が高かったがあまり、ガッカリした部分もありましたが
あなたの最高傑作を体感することができ、とても感慨深い思いでした。
所々、修復を免れた部分を見つけては
あなたがこのジャーミィへ懸けた想いや、あなたが生きた時代に
想いを馳せてみたのでした。
何も知らずに、ジャーミィめぐりをしていたあの頃
実は私が好きなジャーミィは全て、あなたの手がけたものであったと
後々知った時は、大変驚きました。
トルコの修復技術が如何なるものか、私には分かりませんが
修復後の作品を訪れると、修復前はもっと美しかったんだろうな・・・
と、どうしても残念な気持ちでいっぱいになってしまいます。
これからは、あなたの作品を“修復される前に”訪れることを
モットーに掲げ、シナンワールドを体感して行きたいと思います♡
ご愛読ありがとうございます。
下のアイコンを↓CLICK↓して、tapi旅応援してね
ジャーミィ(モスク)が気になるあなたに捧げる
ジャーミィマニア記事はこちら。