片頭痛と便秘:片頭痛に伴う便秘の予防と治し方


「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 寝込むほどの激しい痛みのある頭痛、吐き気を伴う頭痛、動くと痛みが激しくなる頭痛、ズキズキする拍動性(脈打つ)の頭痛など、家族さえ、その辛さを分かってもらえないほどの激しい頭痛を伴うのが片頭痛です。片頭痛は、単なる頭痛とは異なります。片頭痛の人は840万人ともいわれていて、片頭痛は非常に多い病気でもあります。片頭痛は女性に多い病気で、片頭痛の75%は女性であるとされています。閉経前の成人女性の4人に1人は、片頭痛をもっているとされていて、少なくとも1年1回は片頭痛の発作が起こるとされています。女性の片頭痛は、生理前や生理中に多いとされています。片頭痛には、片頭痛が起こる前に前兆がある片頭痛と前兆のない片頭痛とがありますが、便秘は、片頭痛の前兆症状の1つであることがよく知られています。また、慢性便秘の人は、片頭痛を起こしやすいともいわれています。女性の悩みの中に、耳鳴り、不眠、めまいなどの不快な症状がありますが、このような耳鳴りなどの不快な症状は、片頭痛を放置したことによるものとされています。ここでは、女性にとって大きな悩みであります片頭痛と便秘:片頭痛に伴う便秘の予防と治し方についてお話します。片頭痛と便秘は同時に起こることがほとんどですが、先ずは便秘対策を優先させて、少しでも、片頭痛による不快感を軽減させることが大切です。


頭痛には、症候性頭痛と機能性頭痛とがあります。症候性頭痛とは、脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎などの頭の病気によって生じる頭痛のことをいいます。一方、機能性頭痛は、慢性的に頭痛を伴うものの、組織や臓器に何の障害も残さずに治る頭痛のことをいいます。機能性頭痛には、片頭痛、緊張型頭痛や群発頭痛などの頭痛が含まれます。


日本人の3~4人に1人(約3,000万人)が頭痛持ちであるといわれ、そのうち2,200万人が緊張型頭痛で最も多く、次いで片頭痛が840万人、群発頭痛が1万人といわれています。症候性頭痛は、年間1~3万人が新たに発生しているといわれています。女性に多い片頭痛ですが、女性の年代別罹患者数の調査によれば、片頭痛が最も多い年代は30歳代で全体の約20%を占めています。次いで、片頭痛は40代の女性に多く、全体の17%を占めています。このように、片頭痛は、30代から40代の女性に多い病気となります。生理時の頭痛の60%から70%は、実は単なる頭痛ではなく片頭痛であるとの報告もあります。50代以降になりますと、片頭痛の女性は減少していきます。すなわち、片頭痛は、閉経前の成人女性に多発するということになります。なお、妊娠期間中は、片頭痛は比較的起こりにくいとされています。このように、片頭痛は、緊張型頭痛に次いで多く、片頭痛でお悩みの女性は、非常に多いということになります。


片頭痛は、頭の片側半分に周期的に起こる頭痛で、時には頭の両側で起こることもあります。偏頭痛も片頭痛と同じ意味ですが、片頭痛は、主に西洋医学用語として用いられ、また、偏頭痛は、主に東洋医学や漢方医学の中で用いられます。片頭痛の症状には、次のような特徴があります。①単なる頭痛とは異なる激しい痛みがある、②ズキンズキンあるいはガンガンと脈打つような激しい頭の痛みがある、③痛み始めてから1、2時間で頭痛はピークに達する、④吐き気や嘔吐を伴う、⑤頭痛が激しく寝込んでしまう、⑥頭痛が起きている間、姿勢を変えたり、頭を動かしただけで痛みが強くなる、⑦明るい場所や周りがうるさい場合、痛みが増す、⑧普段は気にならない程度の光のまぶしさを強く感じたり、テレビや人の話し声がうるさく感じられるなど、光や音に対して敏感となる、⑨頭痛の起こる回数は、月に1、2回程度から、多い時は、週に1、2回、頭痛の発作がある、などです。片頭痛の特徴的な症状である脈を打つように拍動する痛みがあることから、片頭痛は、血管性頭痛ともよばれることがあります。


国際頭痛分類によれば、片頭痛は6種類に分類されます。①前兆のない片頭痛または普通型片頭痛、②前兆を伴った片頭痛。この分類には、家族性片麻痺片頭痛、孤発性片麻痺片頭痛、脳底型片頭痛などの片頭痛も含まれます。③小児周期性症候群としての片頭痛、④網膜片頭痛、⑤片頭痛による合併症、⑥片頭痛の疑い。このように、片頭痛は、「前兆のある片頭痛」と「前兆のない片頭痛」とに大別されます。前兆のある片頭痛は、片頭痛全体の3分の1程度を占め、片頭痛の発作が現れる前に、視覚的、嗅覚的あるいはその他の異常な感覚を経験するとされています。これらの前兆が現れた後に、片頭痛の発作が生じます。


片頭痛の症状の現れ方は、人によってさまざまですが、概ね次の4つの段階があるといわれています。1つ目の段階は、片頭痛が生じる数時間から数日前に起きる前駆症状です。片頭痛の人の約半数は、前駆症状が現れるといわれています。その前駆症状の代表的な症状に便秘があります。普段は特に便秘気味ではないのに、突然便秘となり、その後、片頭痛が現れるという経過をたどります。片頭痛が生じた後も、暫くの間、便秘は続きます。このように、便秘は片頭痛の前触れとなります。片頭痛を放置しますと、便秘は次第に慢性化してしまうこともあります。便秘の他にも、機嫌が悪くなる、興奮する、うつ状態、高揚、疲労感、あくびが多くなる、過度の眠気、特定の食べ物が食べたくなる、首周囲の筋肉がこわばる、頻尿、といった前駆症状がみられます。


2つ目の段階は、片頭痛が起こる1、2時間前の前兆です。片頭痛の人の約30%が前兆を伴って片頭痛が発症するとされています。前兆は、局所性神経障害が主で、1時間以内に治まりますが、この前兆段階が終わって1時間以内に片頭痛の発作が起こります。前兆の症状には、視覚的症状、感覚的症状、運動神経に関する症状がありますが、最もよく起きる前兆は、視覚障害を伴う症状です。主な視覚障害は閃光(せんこう)です。白色や黒色の形の無い強烈な光が目に映り、視覚(視野)を妨害します。色とりどりの光による視覚妨害(光視症)、まぶしいジグザグの線による視覚障害(閃輝性暗点)などの視覚障害も、片頭痛の前兆として現れることもあります。その他の前兆としては、手、腕、鼻、口がチクチクするように感じる手掌口症候群、幻聴、幻匂、一時的な失語症、めまい、などがあります。


3つ目の段階は、片頭痛による痛みの段階です。片側の頭がズキズキして激しい痛みを伴います。痛みが片側の頭から始まり、もう片側へ移動することもありますし、発症時点から両側の頭が痛むこともあります。頭痛は段階的に起こり、痛みがピークに達した後、痛みは徐々に消えていきます。成人の場合、片頭痛による頭の痛みは、4時間から3日程度持続します。片頭痛の平均的発症頻度は、1月あたり1回から3回程度とされています。この段階では、頭痛とともに他の症状も現れます。最も多く現れる症状は吐き気で、90%の人が吐き気を伴います。次いで、嘔吐が多く、光に敏感となる、音声恐怖症、匂い恐怖症、視界のぼやけ、鼻づまり、多尿症、顔面蒼白、発汗、顔や頭の浮腫、こめかみの血管の隆起、首の凝り、冷え症、めまい、などが片頭痛とともに合併します。片頭痛が起きている間は、暗く静かな部屋を好むようになります。


4つ目の段階は、片頭痛の痛みは軽減しますが、他の症状が現れる後発症状の段階です。便秘などの胃腸症状、食欲不振、疲労感、不機嫌、二日酔いのような症状が現れます。また、軽い頭痛が残ることがあります。


このように、片頭痛に伴う便秘は、片頭痛が生じる前の前駆症状や片頭痛が軽減された後の後発症状でよくみられます。片頭痛が起こる原因については、未だに解明されていませんが、頭の局所における異常な血管の収縮と拡張が原因であるとされていて、それで、ズキズキと脈打つような痛みが生じるとされています。血管の収縮と拡張は、自律神経系で支配されています。基本的には、交感神経が興奮すると血管は収縮し、また交感神経が抑制されると血管は拡張します。さらに、副交感神経は、血管を拡張させます。このように、血管の収縮と拡張は、自律神経系である交感神経と副交感神経で支配され、そのバランスが保たれることによって血管は正常に働いているのです。しかし、片頭痛においては、そのバランスがストレスなどのさまざまな原因で崩れたため発症すると考えられています。


自律神経系は、血管のみならず、腸の蠕動運動もコントロールしています。副交感神経が優位に働きますと、腸の蠕動運動が促進され、排便が促されます。一方、交感神経が優位になりますと、腸の蠕動運動は抑制され便秘の原因となります。すなわち、片頭痛および便秘ともに、自律神経の乱れによって生じるものと考えることができるのです。さらに、便秘は、腸内に生息する大腸菌などの悪玉菌による腐敗発酵によって生成する有害物質が自律神経系のバランスを乱すために、片頭痛を悪化させるリスクが高まります。慢性便秘に片頭痛が多いといわれているのも、この理由によるものです。


片頭痛の予防で大切なことは、片頭痛を引き起こすリスク因子を取り除くことです。まずは、片頭痛のリスク因子となる便秘を解消することが大切です。片頭痛は、神経性の病気と考えられ、また便秘も同じ神経性を原因として引き起こされることから、片頭痛に伴う便秘の解消には、便を軟らかくする対策が最も適しています。便秘薬や下剤などのように、腸粘膜を刺激して排便を促す対策は、神経性便秘の解消には適していないということになります。便を軟らかくする方法としては、プレバイオティクであるイヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維が効果的です。イヌリン食物繊維は、大腸に生息する乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の栄養源となり、善玉菌が特異的に増えます。これらの善玉菌は、酢酸、乳酸、酪酸などの有機酸を産生しますので、これによって便が軟らかくなり、自然な排便が促進されます。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が健康補助食品として市販されています。このような健康補助食品を片頭痛に伴う便秘の予防やその解消に活用することも有用です。


便秘以外の片頭痛のリスク因子としては、生活習慣が上げられます。ストレスを避けて適度な運動を行い、規則正しい生活スタイルにすることがとても大切です。また、食習慣にも注意が必要です。片頭痛の原因となる食べ物に、チョコレート、チーズ、高脂肪食、オレンジ、ワインなどに含まれる食品添加物である亜硝酸塩、化学調味料のグルタミン酸、アルコール類などが知られています。さらに、強い光刺激や強い匂いなども片頭痛の誘発原因となることが知られていますので、このような環境にある所は避けた方がよいです。


女性の不快な症状に、耳鳴り、不眠、めまいなどがありますが、これらの症状は、片頭痛を放置したために引き起こされるといわれています。片頭痛を放置しますと、脳がささいな刺激に反応してしまう、いわゆる過敏状態となり、これが原因で耳鳴り、不眠、めまいなどの症状が現れるとされています。片頭痛は、このような不快な症状の原因にもなりますので、放置せずに、便秘の解消も含めて、適切に対処することがとても大切です。
便秘の解消法:女性の便秘解消対策









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