過敏性腸症候群(IBS)と便秘:過敏性腸症候群(IBS)による便秘の予防と治し方


「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 今回は、新たな国民病といわれる過敏性腸症候群(IBS)と便秘について、お話します。過敏性腸症候群(IBS)の成人における有病率は10~15%、平均で12.5%となっており、患者数は約1,200万人といわれています。過敏性腸症候群(IBS)は、従来からストレスが原因で起こる病気であるとされ、なかなか治りにくい病気であるとされていましたが、最近、病気の解明がすすみ、新たな治療法が広がってきています。便秘型の過敏性腸症候群(IBS)には、水溶性食物繊維であるイヌリン食物繊維が有用です。ここでは、過敏性腸症候群(IBS)と便秘:過敏性腸症候群(IBS)による便秘の予防と治し方について、詳しくお話します。


過敏性腸症候群(IBS)とは、小腸や大腸の検査で炎症や潰瘍など、目に見える異常がないのに、便秘や下痢を繰り返す病気のことをいいます。過敏性腸症候群(IBS)には、便秘の症状がある「便秘型」、下痢の症状がある「下痢型」、便秘と下痢が交互に現れる「交互型」の3つのタイプがあります。患者数は、多い順に交互型、便秘型、下痢型となっています。便秘型は女性に多くみられ、また下痢型は男性で多くみられます。過敏性腸症候群(IBS)の発症年齢は、20~40代の比較的若い世代に多くみられるのが特徴となっていて、最近では、10代の人にも多くみられるようになりました。


便秘が続いて黒くコロコロしたウサギのような便が出る、しょっちゅう下痢をする、便秘したり下痢したり、便秘と下痢の症状が数日おきに交替する、お腹が痛く不快感がある、腹痛は排便で軽快する、こんな症状ありませんか? こんな症状が1ヵ月以上慢性的に持続するようでしたら、それは、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。過敏性腸症候群(IBS)の特徴は、排便により改善する腹痛と便秘と下痢の便通異常となります。


過敏性腸症候群(IBS)は、電車やバスに乗っていて直ぐにトイレに行けない状況にあると症状が悪化します。いろいろなストレスや緊張なども悪化要因となります。朝、出かけるときに便秘、下痢あるいは腹痛の症状があり、夕方、帰宅するときには症状がないか、もしくは軽くなっているのが、過敏性腸症候群(IBS)の特徴です。眠っているときや休日には、一般的には症状はでないとされています。


過敏性腸症候群(IBS)の原因には、ストレス説、内臓知覚過敏説、食物アレルギー説、腸捻転説、細菌による腸管炎症説など、さまざまな説があります。従来からいわれているのがストレス説で、ストレスが原因で消化管の運動機能が障害されて、便秘や下痢が生じるという説です。しかし、同じストレスでも症状が出る人と出ない人がいたり、また同じ人でも症状が出たり出なかったりするので、実のところストレス説についてはよくわかっていません。お医者様によっては、抗不安薬や精神安定薬などの向精神薬を処方する場合もありますが、この薬物治療は、必ずしも有効ではない時が多々ございます。


内臓知覚過敏説は、腸管にわずかな刺激が加わっても、それを敏感に痛みと感じてしまう説です。この説では、刺激を感知する脳が過敏になっているとも考えられますが、ストレス説と同様に、向精神薬で十分な効果が得られないことから、この説についても未だにはっきりしていません。食物アレルギー説は、食物アレルギーを基礎として容易に下痢を生じるというものですが、この説では、便秘型や交互型の過敏性腸症候群(IBS)を説明することができません。腸捻転説は、過敏性腸症候群(IBS)の人の大腸では、横行結腸から下行結腸のところで、腸管が捻じれて狭くなっていて、この大腸の変形によって、便秘や下痢が生じるという説です。一種の器質性便秘、下痢という考え方です。しかし、大腸の管の変形がどうして起こるのか、また大腸が変形する時と正常の時とがある理由については、未だに明らかにされていません。


最近になって、過敏性腸症候群(IBS)の有力な原因として考えられているのが、細菌感染による腸管炎症説です。これは、日本消化管学会の会長で東北大学医学部教授である本郷教授らによる学説です。つまり、腸内細菌の悪玉菌の一種で、腸管に極めて軽微な炎症を起こさせる起炎菌が原因となって過敏性腸症候群(IBS)が発症するという説です。この根拠として、①細菌による消化管感染に引続いて過敏性腸症候群(IBS)が発症すること、②過敏性腸症候群(IBS)患者の消化管粘膜に極めて軽微な炎症所見がみられること、③過敏性腸症候群(IBS)患者の血液中に、様々な炎症関連マーカーの検査値異常がみられること、などが挙げらています。さらに、抗生物質を用いて腸内細菌を死滅させると過敏性腸症候群(IBS)の症状が消えて治るという知見が集積されています。このように、現在では、過敏性腸症候群(IBS)は、腸内細菌の悪玉菌による感染によって引き起こされる病気であると考えられています。


過敏性腸症候群(IBS)の患者では、正常な人に比べて、大腸内の善玉菌であるビフィズス菌が減少していることが報告されています(World J. Gastroenterol 15, 2887-2892, 2009)。ビフィズス菌の減少が最も顕著な過敏性腸症候群(IBS)は、便秘と下痢を繰り返す交互型の過敏性腸症候群(IBS)であり、正常な人の20%程度しかビフィズス菌は検出されません。また、便秘型の過敏性腸症候群(IBS)の大腸内におけるビフィズス菌の菌数は、正常な人の約50%まで減少しています。このように、過敏性腸症候群(IBS)では、善玉菌であるビフィズス菌が減少し、これによって悪玉菌が増えて過敏性腸症候群(IBS)の原因となる腸管炎症が生じるのです。


イヌリンという水溶性の食物繊維は、大腸内のビフィズス菌を強力に繁殖させる作用があります。105名の過敏性腸症候群(IBS)患者にイヌリン食物繊維を6週間摂取させたところ、便秘および下痢ともに便通の改善がみられ、また、腹痛症状、腹部膨満感および睡眠の改善がみられたとの臨床報告があります(British J. Nutr. 99, 311-318, 2007)。


過敏性腸症候群(IBS)は、再発を繰り返す病気です。抗生物質は、悪玉菌のみならずビフィズス菌などの善玉菌も死滅させてしまいます。ですので、抗生物質で腸内細菌を死滅させても、1回限りの治療となり、過敏性腸症候群(IBS)の根本的な治療とはなりません。また、腸内細菌を全て死滅させてしまいますと、腸管免疫に悪影響を及ぼし、他の病気が発症する可能性が高まります。お肌も荒れてしまいますし、アトピー、花粉症、アレルギー性鼻炎、慢性喘息も悪化する可能性が高くなります。過敏性腸症候群(IBS)の治療には、長期的に用いることができる対策が求められます。イヌリン食物繊維は、ゴボウやニンニクなどに含まれる天然の食品成分です。ですので、過敏性腸症候群(IBS)対策には、効果が期待でき、また安全性に優れたイヌリン食物繊維が、最も適していると考えられます。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。過敏性腸症候群(IBS)による便秘の予防や改善に、このような健康補助食品を活用するのも有用です。


便秘の解消法:女性の便秘解消対策









水溶性食物繊維・サプリメント スティムフローラ -Stimflora -

貴重な天然成分イヌリン食物繊維99.5%のプレバイオティク・水溶性食物繊維サプリメント。

タブレットタイプなので、水に溶かさず、そのままお召し上がりいただけます。

快適な、毎日のお通じのために。

http://www.stimflora.jp/


「リンク」

■ 便秘の解消法: 女性の便秘解消対策【目次1】

 便秘の解消法: 女性の便秘解消対策【目次2】

■ コロコロ便と便秘   ■ 慢性便秘の治し方・解消法

■ 生理前の便秘   ■ 妊娠中の便秘解消対策   ■ 授乳中の便秘

■ 更年期障害と便秘   ■ 子供の便秘解消法   ■ 高齢者の便秘解消法

■ イヌリン食物繊維と便秘解消法   ■ ストレスと便秘   ■ 便秘と腹痛

■ 大腸ポリープと便秘   ■ 大腸がんと便秘   ■ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍と便秘

■ 潰瘍性大腸炎と便秘   ■ 潰瘍性大腸炎の食事   

■ 大腸憩室症・大腸憩室炎と便秘