今回、比重的に「ヒーローサウンドっぽい」マイナークラシック音楽の割合が多いのだが、全てがそうではないので、大雑把に「漫画・アニメっぽい」マイナークラシック音楽、という風に紹介する事にした。
オギュスタ・マリ・アンヌ・オルメス
Augusta Mary Anne Holmès
(1847-1903)
アイルランド系フランス人女性作曲家。
【MARCO POLO 8.223449】のCDで一通り彼女の管弦楽曲を聴いてみた感想だが、非常に分かりやすい親しみやすいフレーズがいい。
が、欲を言えば、音の組み合わせが余り複雑ではなく単純っぽい所が不満だった。
中期のチャイコフスキーの管弦楽曲みたいに。
でも、単純な音の組み合わせで違和感を全く感じさせないというのは、それだけ管弦楽の技量に長けているからとも言えるかも知れない。
余計な音を入れずに最低限の音の組み合わせで聴かせるというのは、逆に難しいのかも(よく分からないが)。
同じ女性作曲家のエイミー・ビーチの「ゲール風交響曲」の方は、逆に音の組み合わせの複雑さが、聴いていて「本当に、殆ど独学だったのか?」と驚いた(この曲は大好きです)。
交響詩「アイルランド」(1882)は、アーサー・サリヴァンの「アイルランド交響曲」
(1866)と共に、アイルランド民族主義の手法による早い時期の作例として、重要ではないかと思う。
夜と愛(1888)は、何処かで聴いた様なデジャビュなフレーズがある(あくまで主観ですが)。
喜劇の為の序曲(1871-1875)
Ouverture pour une comédie
出だしからして、アニメ映画のBGMっぽい。
「ドラえもん」の映画に使えそう。
(5:05)辺りに出てくるフレーズが、如何にもズッコケ系ヒーローサウンドっぽいものを感じた。
ヒーローにも、シリアスなものとか、お笑い系ズッコケ系の軽いものとかあったりするけど、如何にも後者の方のヒーローサウンドといった感じ。
そのヒーローが颯爽と登場するシーンのBGMっぽい。
このフレーズは、(8:24)頃にも再び登場するのだが、雄大な落ち着いた感じで、如何にも「ドラえもん」の映画の、落ち着いた感じで終わるハッピーエンドのシーンのBGMという感じ。
【NAXOS音楽配信サイトで聴く】
http://ml.naxos.jp/?a=8.223449
指揮:サムエル・フリードマン Samuel Friedmann
指揮:パトリック・ダヴァン Patrick Davin
演奏:ラインラント-プファルツ・フィルハーモニー管弦楽団
Reinland-Pfalz Philharmonic
【MARCO POLO 8.223449】1994
ヨハン・ハルヴォルセン
Johan Halvorsen(1864-1935)
交響曲第1番(初演1923)
Symfoni Nr.1
第1楽章は、のっけからスポ魂アニメのシリアスな場面や、ヒーローアニメの主人公が戦いに苦戦している所のBGMっぽい。
このフレーズは、(8:00)頃にも再登場するのだが、金管の割合が拡充され、勇壮さが増し、ロボットヒーローものっぽい雰囲気となる。
(4:00)台には、前向きっぽい勇壮なフレーズが出てくる。
第2楽章は、前の楽章とは対照的で、ほのぼのとした牧歌的雰囲気。
でも、やはり北欧だけあって(?)、哀愁も漂ったりする。
第3楽章。北欧的な清澄さや哀愁を湛えた3拍子の舞曲といった雰囲気の旋律は、如何にもRPGに使えそう。
コミカルなテンポの速い舞曲風旋律もそう。
第4楽章は、(1:30)辺りからのフレーズが、スポ魂アニメのシリアスな場面や、ヒーローアニメの主人公が戦いに苦戦している所のBGMっぽい。
ドラゴンボールの闘いの場面のBGMやRPG音楽としても使えそう。
スポ魂アニメのシリアスな場面のBGMっぽいフレーズは、他にも所々に登場する。
(5:00)前後は特に、手に汗握る「ド根性~!!」と叫んでるみたいな雰囲気。
(3:43)(8:00)辺りから奏でられる旋律は、愛と感動の映画っぽいうっとりする感じ。
最後は、勇壮な行進曲風で締め括られる。
交響曲第2番「宿命」(1924, 改訂1928)
Symfoni Nr.2 "Fatum"
全体的に、雰囲気が交響曲第1番と似ている。
第1楽章は、のっけから映画のシリアスな場面のような雰囲気。
まさしく、「宿命に翻弄されている」ような感じ。
その宿命に抗おうとしているような感じ。
スポ魂アニメっぽくもあり、ヒーローアニメっぽくもあり、RPGっぽくもある。
「負けるな!!戦え!!」みたいな。
最後は、勇壮な雰囲気で締め括られる。
第2楽章は、如何にも北欧らしい哀愁の旋律が奏でられる。
(4:00)台などの様に、感情が高ぶっているところもある。
第3楽章は、打って変わって明るい北欧舞曲風旋律である。
第4楽章は、のっけからスポ魂アニメのシリアスな場面や、ヒーローアニメの主人公が戦いに苦戦している所のBGMっぽい。
思いっきりそういう感じ。
全体的に、そのスポ魂っぽい雰囲気が支配している。
愛と感動の映画みたいな旋律も出てくる。
(7:50)頃から始まる旋律は、特に愛と感動の映画っぽい感極まり方で、その後の(9:00)前後の旋律は、スポ魂的感極まり方だ!!
「ド根性~!!」
最後はやはり、勇壮な行進曲風で締め括られる(マンネリ?)。
交響曲第3番(1929)
Symfoni Nr.3
全部で3楽章しかない。
第1楽章は、内容的にはっきりとメリハリが利いていないと感じる。
つまり、構成力が弱く感じるのだが、これは、私だけがそう思っているのだろうか?
只単に、私が全体を上手く把握出来てないだけなのかも知れない。
映画音楽っぽいフレーズあり、北欧の哀愁の旋律あり・・・。
でも、構成力の弱さは、変幻自在に移り変わる美しいメロディが充分に補っていると思う。
違和感もそんなに感じない。
過去に2つの交響曲を書いた事で、自信を付け、より高いレベルを目指したのだろうか?
ていうか、勝手に「そうあって欲しい」みたいな気を持って音楽は聴かない方がいいのだなと思った。
最近、邪道な聴き方ばっかりしてるから・・・。
素直に聴けば、とてもいい曲だと思う。
私の様に、捻くれた邪道な聴き方で聴いてはいけない。
ていうか、似ていると思うと、どうしても「そう」聴いてしまうのだ。
癖だからしょうがない。
第2楽章は、美しい神秘的な旋律がたまらない!!
映画音楽として使えそう。
第3楽章は、やはりスポ魂やヒーローアニメの主人公が苦戦している所のBGMっぽい!!
3つの交響曲の最終楽章の全てに、スポ魂的要素が含まれている。
「頑張れ!!負けるな!!」
最後はロボットアニメ的勇壮さで締め括る!!
指揮:ウーレ・クリスティアン・ルード Ole Kristian Ruud
演奏:トロンハイム交響楽団 Trondheim symfoniorkester
【SIMAX PSC1061】1993
指揮:ウーレ・クリスティアン・ルード Ole Kristian Ruud
演奏:トロンハイム交響楽団 Trondheim symfoniorkester
【SIMAX PSC1062】1993
【記事訂正:2009.9.16】
運命 → 宿命.
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