ヒーローサウンドのようなクラシック音楽 マイナー編 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

その他、海外アニメ紹介、無名クラシック音楽紹介など

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10051664792.html

↑こちらの記事の続編です。

’70年代ヒーロー風クラシック曲のご紹介です。

メジャー編に引き続き、

マイナー編にまいりたいと思います。

 

 

 

マイナー編

 

 

 

クット・アッテルベリ

交響曲第1番 ロ短調 作品3

(1909-1911、1913)

第4楽章

Kurt Atterberg (1887-1974)

Symfoni Nr.1 i h-moll, op 3

 

スウェーデンロマン派の作曲家。

作風は、スウェーデン民謡に基づいた民族ロマン派風だが、

現代音楽の時代である20世紀の活躍であったため、

埋もれるはめに陥ったようだ。

 

交響曲第1番の第4楽章は、

冒頭の2~3分程の牧歌的な穏やかな序奏の後、

いきなり典型的な

「70年代ヒーローサウンド」風フレーズ

が堂々と登場し、度肝を抜かす。

 

正義のロボットが戦いに苦戦している所の

BGMを思わせるフレーズもあり、

最後の締め部分もカッコよく終わる。

紛らわしいことに、画像に示したCDだと、

第2楽章と第3楽章が繋げられているので、

第4楽章はトラック3に入っている。

 

Kurt_Atterberg_STERLING_CDS-1010-2.jpg

 

指揮:スティーグ・ヴェステルベリ 

Stig Westerberg

演奏:スウェーデンラジオ交響楽団

Swedish Radio Symphony Orchestra

STERLING CDS-1010-2

 

 

 

アッテルベリ

交響曲第4番 ト短調「小交響曲」作品14

 (1918)

Symfini Nr.4 i g-moll, op 14 "Sinfonia Piccola"

 

上に示した画像のCDに同時収録されている。

第1楽章の出だしのフレーズが、

如何にも70年代ロボットヒーローものの、

主人公が敵に苦戦している所のBGMという雰囲気の

緊張感溢れるメロディ。

 

指揮:ステン・フリュークベリ

Sten Frykberg

演奏:ノルシェーピング交響楽団

Norrköping Symphony Orchestra

STERLING CDS-1010-2

 

 

 

アッテルベリ

ヴェルムランド狂詩曲 作品36 

(1933)

En Värmlandsrapsodi

 

「ニルスの不思議な旅」

で知られる

セルマ・ラーゲルレーヴ

Selma Lagerlöf 

の75歳の誕生日を祝う為にスウェーデン放送から委嘱された曲。

 

クライマックス付近には、

「ヴェルムランドの歌」

Värmlandsvisan

として知られるメロディが出てくるのだが、

「快傑ズバット」「UFO戦士ダイアポロン」

のテーマソングに一部似ていると思うのは私だけか?

 

Kurt_Atterberg_BIS-553.jpg

 

指揮:広上淳一

Hirokami Jun,ichi

演奏:ノルシェーピング交響楽団

Norrköping Symphony Orchestra

BIS-CD-553

 

 

 

アッテルベリ

交響曲第7番 イ短調「劇的交響曲」作品45

(1941-1942)

第1楽章

Symfoni Nr.7 i a-moll, op 45 "Sinfonia Romantica"

 

Sinfonia Romanticaと題された通り、

情感溢れるメロディに彩られている。

そのせいもあってか、

特に第1楽章は、緊張感や哀愁に満ち溢れた、

70年代ヒーローもののテーマソングといった印象を私は受けた。

全3楽章。

 

Kurt_Atterberg_cpo 999 641-2.jpg

 

指揮:アリ・ラシライネン

Ari Rasilainen

指揮:SWRラジオ交響楽団

SWR Radio Sinfonieorchester

cpo 999 641-2

 

 

 

Herbert_Hamilton_Harty.png

ハミルトン・ハーティ 

アイルランド交響曲

(1904、1915、1924)

第1楽章「ネイ湖岸にて」

Sir Hamilton Harty (1879-1941)

An Irish Symphony

Movement I "On the Shores of Lough Neagh"

 

アイルランドの正統派的なロマン派的民族楽派

な曲を書いているにも関わらず、

何故か今の所未だ知名度は低い。

生まれるのが遅かったと思う。

これからメジャーになっていくと私は予想している。

 

「イギリス音楽の復興」

(著・マイケル・トレンド、訳・木邨和彦 旺史社)

でも、指揮者としてほんの僅かに紹介されているのみ。

 

特徴としては、明解且つ映画音楽っぽい。

有名にならないのがおかしいくらい。

 

「ネイ湖岸にて」の冒頭に、

トーマス・ムーア(1779-1852)の

「復讐と栄光」

Thomas Moore, Avenging and Bright

が登場するのだが、

これが70年代ヒーローサウンドの典型っぽい。

 

ハーティはより更に、

ヒーローサウンドっぽさを強調させている。

トーマス・ムーアは、

アイルランドの民謡に自作の詩をあてたりしていた。

 

Hamilton Harty NAXOS8.554732.jpg

 

指揮:プロインスィアス・オドゥイン

Proinnsías Ó Duinn

演奏:アイルランド国立交響楽団

National Symphony Orchestra of Ireland

NAXOS 8.554732

 

 

 

ハーティ

交響詩「雁の群れと共に」(1910)

Symphonic Poem "With the Wild Geese"

 

ハリウッドのアクション映画の様な曲。

血沸き肉躍る感じ。

上に示したCDに同時収録されている。

 

指揮・プロインスャス・オデュイン

演奏・アイルランド国立交響楽団

NAXOS 8.554732

 

 

 

最後に・・・

クラシック好きを増やすには、

私のこういったやり方の方がずっといいと思うのですが。

「クラシック音楽はお堅い」というイメージが悪いのでしょ?

でも、特に埋もれた曲には、

親しみ易い曲がいっぱいあるのですよ!!

クラシックファンには、

「社会の底辺に理解されてたまるか!!」

みたいなお高くとまった気持ちの方でも多いのでしょうか?

まあ別にいいです。

次回は、「アニメソング風クラシック曲」の紹介でもしましょう。

 

 

【追記:2021/12/17】

肖像画像追加

CD画像差し替え

アッテベルィ → アッテルベリ

ヴェステベルィ → ヴェステルベリ

フリュクベルィ → フリュークベリ

An Ireland Symphony → An Irish Symphony

その他、一部情報に加筆