私は、’70年代ヒーローサウンドが大好きです。
マイナークラシック音楽マニアをやっていると、その手の曲に、幾つか出会うのだ。
まずはその前に、メジャーなクラシック曲の中のヒーローサウンドを紹介しよう。
メジャー編
シベリウス 交響詩「フィンランディア」作品26(1900年)
1899年に上演された愛国劇「フィンランドは目醒める」に伴奏曲として作曲した曲の中の一つを、1900年に交響詩として独立させたもの。
第一主題がヒーローサウンド的で、私は、昔のドラえもんの映画とかに出てくる昔のドラえもんのオープニングテーマのフレーズを勇壮に改変させた曲を思い出してしまう。
映画「ダイハード2」で使われているが、それ以前から、ヒーローサウンドだなあと思っていた。
シベリウス 交響曲第1番ホ短調作品39(1899年)
シベリウスの交響曲と言えば第2番が有名だが、私は個人的に第1番が好きだ。
第1楽章の第1主題が、カッコイイ!!
他にも、ロボットアニメの戦闘シーンのBGMを彷彿とさせる緊張感ある旋律が出てくる。
スメタナ 交響詩「シャールカ」(1875年)
「ターボル」(1878年)
「ブラニーク」(1879年)
連作交響詩「」我が祖国」の第3、5、6番に当る。
日本では「モルダウ」が一番有名で、次いで「ヴィシェフラト」「ボヘミアの森と草原から」の順に知られているが、ここに紹介した3曲は、チェコの伝説や歴史に基づいている為か、余り紹介されない。
「シャールカ」とは、かつて恋人に裏切られた事で全男性に対して復讐を誓い、男性軍に対して戦いを挑んだ女性軍団の長の名前で、その伝説を元に作曲された。
その内容は、シャールカが自ら木に縛られている振りをし、ツティラート率いる男性軍団に助けて貰う振りをし、その後酒でもてなして彼らが寝込んでいる所を見計らい、出てきた女性軍団から殺戮を受けるというもの。
「ターボル」「ブラニーク」は、カトリックの教会の堕落ぶりを批判し破門されたヤン・フス(その後、火刑に処された)に影響されたフス教徒と、カトリックとの戦いを描いたもの。
これら2曲は続きものとなっており、続けて聴いたほうがいい。
ヒーローものの戦いのシーンのBGMを思わせる旋律は、実際に戦いの場面を表しているのだろう。
メジャー作曲家による
マイナー曲編
ニールセン 交響曲第2番「4つの気質」ロ短調作品16(1901年)第1楽章
夫人や友人たちと一緒に訪れた居酒屋に飾ってあった絵の影響を受けて作曲。
人間はかつて、「胆汁質」「粘着質」「憂鬱質」「多血質」の4つの気質に分類されるといわれていたという。
その居酒屋で見た絵の描写ではなく、それぞれの4つの気質を音楽で描写しようとしたという。
第1楽章は、怒りっぽいとされる「胆汁質」を表すという。
全体的に緊張感がみなぎっていて、随所にヒーローサウンドなフレーズが現れる。
彼の名は、音楽の教科書に載っているので、一応有名という事になってはいるものの、彼の代表作である交響曲第4番「不滅」は、聴いていてイマイチパッとしない印象を受ける。どういうフレーズだったか、余り憶えにくいのだ。
それよりも、交響曲第1、2番の方が憶えやすいフレーズなので、個人的にはこっちの方がいいと思っている。
リムスキー=コルサコフ 交響曲第1番ホ短調作品1
(改訂1884年)第1楽章
ロシア民謡には、例えば「トロイカ」のように、ヒーローサウンドっぽい曲があったりする。
考えても見れば、初期のヒーローサウンドは、例えば「月光仮面」や「黄金バット」などは、フレーズがロシア民謡っぽい。
ここに紹介する曲は、「本当の意味でのロシア初の交響曲」と呼ばれるロシア音楽史に於いて記念碑的な作品である。
ロシア民謡が用いられている。
それ以前から、ルビンシテインが交響曲を書いていたものの、ロシア的ではない。
リムスキー=コルサコフは、1861~1865年にこの曲を書いたのだが、未熟者の若書きと判断し、1884年に改訂版を書いた。
元々変ホ短調だった調性をホ短調に変更した。
第1楽章のフレーズの一部には、「仮面ライダースーパー1」のオープニングテーマの出だしと結びのフレーズに似たフレーズがある。
「かめ~んらいだあす~ぱ~あわん!!」の部分。
http://www.youtube.com/watch?v=exEfgSa09tc&mode=related&search=
異論はあるかも知れないが・・・。
因みに私は、初稿版を聴いた事が無く、改訂版しか聴いていない。
本当は、マイナー編も一緒にやりたかったのですが、長くなりすぎると思った為、マイナー編は別の機会にします。