ヒーローサウンドの様なマイクラと言えばアッテベリですが、RPGの様なマイクラと言えば、筆頭に挙げるのがメラルティンです。
正直、彼の6つの交響曲を聴いてみたら、カルチャーショックを受けました。
その曲のCDに出逢った1990年代半ば頃に、
既にイメージイラストを描きたいと思った程です
(1998年に、個人誌『特学いちねんせい』の裏表紙用の絵として取り敢えず描きました。
怪獣映画音楽っぽい第2、6番のイメージ画ですが。『美術手帖』2008年5月号に掲載)。
交響曲の第1~3番までは、RPGの雰囲気が
満ち満ちており、手に汗握る内容となっております。
第4番「夏の交響曲」は、70年代の哀愁の歌謡曲や童話の世界。
第5番「シンフォニア・ブレヴィス」は、ロボットアニメとほのぼの童話と子守唄の
ミスマッチな組み合わせ。
第6番は、怪獣映画音楽の世界。
それぞれ濃い内容となっております。
さあ、冒険の旅に出かけましょう!!
エルッキ・メラルティン
Erkki Gustaf Melartin(1875-1937)
交響曲第1番ハ短調(1902)
Sinfonia nro 1, c-molli opus 30-1
第1楽章は、のっけから「さあ、冒険の始まりだあ~!!」という雰囲気。
冒険映画そのものではないか?
こんな親しみ易い曲が、何でマイナーなんだ?
音楽が緊張感を込めながら盛り上がっていき、頂点に達した所で音楽が一旦止まり、
銅鑼が鳴るという部分なんかは、
冒険の旅の途中で、
「おいッ、みんなッ、静かに!!」
と、邪悪な気配を感じ取ったパーティーの一人が叫んで皆が身構えているという
シーンを彷彿とさせる。
曲の終わり方もかっこいい!!
第2楽章は、打って変わって落ち着いた感じで、さしずめ「戦士達の休息」といった所。
せわしいフレーズや雄大なフレーズもあり、内容の幅の広さを感じる。
もの悲しいフレーズもあるが、これは、故郷の皆を思い出している所だろうか?
第3楽章は、森の妖精族の、勇者達に対するイタズラのシーンであろうか?
それとも、勇者達に対する歓迎の踊りであろうか?
おどけた踊りや癒し系の踊りの雰囲気。
第4楽章は、ラスボスを倒して、勇者達が町の人達から歓迎を受けている
凱旋パレードの模様を彷彿とさせる。
交響曲第2番ホ短調(1904)
Sinfonia nro2, e-molli opus 30-2
単一楽章だが、実質は4楽章で、それぞれが繋がっている。
まず、出だしが怪獣映画音楽の様に、おどろおどろしく始まる。
そのフレーズは、後にもまた出てくる。
後は、冒険映画のBGMの様な展開を見せる。
哀愁の歌謡曲の様なフレーズは、愛する人を失った悲しみであろうか?(なんちゃって)
戦いの場面のBGMの様なフレーズは、緊張感がみなぎっていて、臨場感がある。
この描写力の凄さ!!
映画音楽の先取り的な所が凄い!!
でも、別に何かを描写しているというわけではない。
交響曲第3番ヘ長調(1906-7)
Sinfonia nro 3, F-duuri opus 40
6つの交響曲の中で、一番地味な雰囲気を持っている曲。
なので、余り好きではなかったのだが、一番RPGっぽいと言えるかも。
また、如何にも「何処かで聴いた様な」デジャビュっぽいフレーズもある
(あくまで独断と偏見)ので、最近は結構気に入っている。
前の楽章に出ていたフレーズが、後の楽章にも再び現れたりする。
第1楽章が、如何にも勇者が一人荒野をひた歩いている場面のBGMを彷彿とさせる。
明るい舞曲っぽいメロディも出てくる。
旅人への歓迎の踊りだろうか(なんちゃって)?
場面が急展開して、緊張感がみなぎっている所のBGMの様なフレーズもある。
第2楽章も、哀愁の旋律が支配している。
悲しい過去を背負い、冒険の旅を続ける勇者(なんてね)。
第3楽章は、一転しておどけた雰囲気。
荒々しい要素もある。
中間部は、逆に荘厳な雰囲気のメロディに変わる。
そしてまた、おどけた舞曲風旋律が再び現れる。
第4楽章も、第1、2楽章と雰囲気が似ていて、全体的に悲しい雰囲気である。
が、最後は、何か希望が垣間見えそうな所を暗示させて終わる。
交響曲第1、3番(1995)
指揮:レオニード・グリン Leonid Grin
演奏:タンペレフィルハーモニー管弦楽団
Tampereen kaupunginorkesteri
【ONDINE ODE 841-2】
交響曲第2、4番(1994)
指揮:レオニード・グリン Leonid Grin
演奏:タンペレフィルハーモニー管弦楽団
Tampereen kaupunginorkesteri
【ONDINE ODE 822-2】
次回は、エストニアをいってみようと思います。
RPG「的」音楽の宝庫ですから(独断と偏見で)。
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