今、Yahoo!ニュースにこんなのが出ていました。
 

「太っているのは恥」と責めると肥満者の健康悪化、米大研究
太っているのは恥だと批判して肥満者をダイエットさせようとしても逆効果で、むしろ心臓発作などのリスクを高めることになると警告する米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)の研究チームの論文が医学誌「Obesity(肥満)」に掲載された。
論文によれば、太った人の体形を嘲笑する「ファット・シェイミング」は肥満者たちに減量意欲を喚起させる効果があるとの考えは幻想で、つらい思いにさらされた太った人たちはかえってやけ食いに走り、心疾患や代謝障害のリスクが高まるという。

 
 
・・・・・・・・・・こんなの、今さら論文発表するまでもなく、当たり前のことだと思うのですが。
 
こんなこと、統計や研究で証明しないと、人は納得しないのでしょうか?「もし自分が肥満だったら・・・・」と、心から他人を思いやることで、容易に察しがつくことではないのでしょうか?
 
 
「あいつは、自分がやってることがどれだけ悪いことか分かってないのだ。分からないから、正しいことをしないのだ。だから気づかせてやらなきゃならない。そして常に注意喚起をして思い出させてやらないと、あいつはまたすぐ忘れて、やってしまう。」
 
これは、経験したことのない人が言う、典型的な論理であり、誤解です。
しかも渦中にいる肥満者は、この論理を容易に信じてしまうのです!信じて、負のスパイラルに陥ってしまうのです!今でこそ、こうやって多様な物の考え方に世の中が寛容になって、いろんな意見が本やネットでみられるようになってきましたが、30年前は、肥満や過食=意志の弱さ、と100%決めつけられてました。肥満や過食を擁護してくれる本や意見なんて、どこにもありませんでした。肥満者は、ただ自分自身を、「他の人にできることができない、意志の弱い、悪の存在である」、と責めるしかなかったのです。
 
 
私は、薬物依存にも同じことが言える、と思っています。
 
自分がどんなに悪いことをしたのか、さらには、自分がどんなに悪い人間なのか、を毎日毎日、思い出させられるから、余計、薬物のことを忘れられないのではないでしょうか?世間に責められ、自分を責めるから、どんどんどんどん苦しくなって、その苦しさから逃れるために、また薬物が必要になるのではないでしょうか?
 
今はまだ、「自分がどれだけ悪いことをしたのか、毎日考え、反省する」ことがリハビリの主流なのだろうと思います。
 
でもきっと、あと10年、20年、30年経ったら、世の中がさらに多様な立場や考えに寛容になって、もっと効果的な離脱のプログラムが確立されていくのではないか?
・・・・そんなことを、思います。クローバー