JR東日本E257系0番台 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。

2000年代の「あずさ」「かいじ」系統と言えばこの系列、E257系です。登場が2001年ですのでこの時点でもう20年になりました。
 


こちらは非貫通先頭車。中央に列車愛称や種別を掲出するLED表示機があります。ちなみに、従来運用されていた183系の運用をそっくりそのまま置き換えただけなので、E351系で搭載されていた振り子機構は省略されています。当時は空気バネによる車体傾斜の技術が未熟だったため車内の快適さに重点を置いていたそうですが、スピード面から考えるとえらく退潮的な考えですよねぇ。和歌山の方も聞いてるか?(^^;;

 

こちらはかつて平日朝夕に東京-高尾間で運転されていたライナー列車、「中央ライナー」でのワンカットです。現在は値上げの割に早くなったわけでもないE353系の通勤特急「はちおうじ」となり、順調に乗客を減らしているとかいないとか。


増解結運用が存在したことから、貫通構造の先頭車も存在します。ちなみに、画像は2018年度までの存在となった篠ノ井線の快速運用です。1日1往復、E257系の検査のため、松本発着の「あずさ」がそのまま快速として通しで運用されるものです(朝が長野発、夕方が松本発でした)。211系がウロウロしている中では割とぜいたくな列車だったのですが、2019年度よりこの運用も211系に置き換えられることとなりました。E353系の検査は‥回送電車ででも実施しているんでしょうね。

 

南小谷にて。1日1往復大糸線に乗り入れる運用となっており、この時の下りの「あずさ」3号はこれまた1日1往復の千葉始発の「あずさ」でもありまして、南小谷まで5時間超かけて運転される中々乗り味のある列車となっていました。今ではそれぞれ別の「あずさ」が受け持つようになり、千葉→南小谷での運転は有りません。

 

で、「かいじ」や大糸線「あずさ」は9両編成となるため、2両の付属編成も存在しました。記号は一応「クモハ」、本線運用が出来るだけの機器は備えています。但し、後述しますが本線で130km/h走行をバリバリする程度の想定はしていないようです(笑) なお中央本線からの撤退に伴い余剰となり、これらの付属編成は全て廃車となってしまいました。南無‥。

 


基本編成は3号車から11号車までの9両編成で、付属編成が1・2号車という変則的な号車番号となっています。ドア横には菱形を4つに分けて、上が号車番号、右がE257系のロゴ、下が禁煙マーク、左側には沿線の名物や景色などが描かれています。多くの編成が2000番台にリニューアルされて「踊り子」等の東海道本線系統へ転用されましたが、5本の9両編成は波動輸送用として引き続き松本車両センターに配置されており、臨時の「あずさ」や「かいじ」等で時折その姿を見ることが出来ます。


それでは参ります、デッキからドアです。片開きの赤いドアで、窓もやや長めに取られています。左側にはヒーターが備わっており、冬季の冷えに備えています。この列車、自由席が設定されていた時は立ち席も出ていましたからねぇ。


「ドアに注意」のステッカー。これだけ生々しいデザインも中々見ないですね(笑)


ゴミ箱は新聞・雑誌とそれ以外で分かれています。


トイレです。中は洋式となっています。


向かい側にはコンパクトな男性小用があります。


洗面台です。三面鏡を備えた斜め配置となっており、左側には髭剃り用のコンセントが備わります。並み居る特急用車両と比べてもスペースがかなり狭くなっています。カーテンこそ付けられていますが・・。


車椅子対応トイレです。開閉が自動式となっており、右側にはボタンも備わります。


車椅子対応トイレの洗面台のみ、横方向に向いています。どちらの洗面台も温度調節が可能な自動蛇口が備えられています。


そして多目的室もあります。普段は施錠されていますね。


かつては公衆電話が設置されていましたが、携帯電話の普及もあり撤去され、携帯電話の通話スペースになっています。

 

貫通型車両の様子。運転台側は仕切り扉と貫通扉で、車掌台側は仕切り棒で立ち入りを制限していました。

 

そして、今は幻・例の簡易運転台車両の様子がこちらです。

 

このL字型の扉の中に運転機器が納まっていますが、座席も無くあくまで最寄り駅から車庫までの回送運転を前提としたものとなります。

 

向かい側は一応デッキでの立ち席スペースとして開放されています。


デッキと車内側の仕切りです。なんと天井部分が一体化しており、上部が繋がっています。普通デッキとは車内側へ台車の騒音を防ぐために有るものですが、これは一体・・。


車内です。まずは普通車からですが、なかなかビビッドな色使いですね・・。


こちら、肩部が緑色の車両。基本的ピンクと交互に配置されています。


デッキ仕切りです。化粧板は白色の木目となっています。上部にはLED表示機もありますね。

 

バリアフリー対応車両に関しても、仕切り扉の幅が一般車両と変わりません。


天井です。照明は半間接照明となっているわけですが、スリットにカバーが入っていないので漏れた蛍光灯の光がダイレクトに直撃します。通路側では特にそれを感じるのではないでしょうか。半間接照明の有り方と言うか意味を全くなしておらず、関西では通勤電車でも出来ている配慮が特急電車で出来ないのは、会社の鈍感さでしょうか。


荷棚下には、観光バスによく見られる空調の吹き出し口があります。


窓です。2席に1枚の割り当てで、日除けはフリーストップ式のロールカーテンです。機能的にはこちらの方が優れていますが、日除けを使わない場合はガイドレールが邪魔して景色の連続性が途切れてしまいます。また、個人的に特急用車両といえば、やっぱり横引き式のカーテンなんですよねぇ・・。

 

座席です。座面スライド機構を備えた回転リクライニングシートとなっています。シートピッチは980mmで、置き換え対象であったグレードアップあずさ用の183系と同じピッチとしています。かつて「フレッシュひたち」系統で使用され、現在は「いなほ」や「しらゆき」で使用されているE653系が登場時に「シートピッチは910mmとワイドに」という詐欺紛いのうたい文句(従来車も910mm)をしていたらしい事を考えると、偉いもんだと思います。当時の列車への力の入れ具合を良い意味で引きずった格好でしょうか。


ちなみに座り心地ですが、硬め安定と言ったところです。かつて富士急ハイランドでしこたま遊んだ疲れた身体で大月から新宿まで(着席は八王子から)乗車した際はあまりの硬さに参ったことがあったのですが、今回乗車した際はそこまで酷くなかった印象です。…豊橋から松本まで身延線経由の11時間・オールロングシートという地獄を味わった後だったのですが・・(^^;;


テーブルの下にはドリンクホルダーがあります。スペースの関係でしょうか、取って戻す同線を考えるとかなり無理な場所に設置している感は否めません。


7号車に設置されている車椅子対応座席です。


固定ベルトが付いたお馴染みのタイプです。ただ、肘掛は跳ね上がりません。


直後の座席の通路側はシートバックテーブルが無いため、センターアームレストにインアームテーブルが仕込まれた豪華仕様となっています。どういうわけか窓側席用もあるため、どちらの方向を向いても窓側席はモノを置くスペースにとても恵まれたアタリ席とも言えます。


デッキ仕切り際は固定式のテーブルが設置されています。大きさはこんなもんでしょうねぇ。全体的なウィークポイントとして、座席を端に寄せ過ぎて設置してしまっているので、窓側では肘掛に肘を置こうとしても入りません。せめて座席を通路側へ少しでもずらせば変わってくるのですが・・。窓の下辺がモノを置けるように広げられているのも一つの要因です。その配慮が悪いとは言いませんし、設計や組み付け段階で車内販売や立ち席発生時の通路面積の確保のためにこれだけ座席を寄せた結果だと思うのですが、その数センチを捻り出せるかが、メーカーや会社の腕が試されるところだと思います。


9号車には、かつて喫煙スペースとなっていたフリースペースがあります。一応吸煙機構はあったと思いますが、車内側との間には特に仕切り扉があるわけでもなく・・。これ顰蹙だったでしょうねぇ・・。そして、繫忙期には自由席難民で溢れかえりそうな予感全開のスペースです。もっとも、今は「あずさ」「かいじ」運用時は全車指定席車として運用されるわけで、飛び乗り時の避難スペース的扱いになっていそうですが。
 

簡単なクッションが巻かれたパイプシートとテーブルがあります。

 


こちらはボックス配置になっています。

 

ここの天井は照明や肩部の色が異なっております。


車内側から。ガラスのパーテーションで仕切られています。


続いてグリーン車です。半室構造で4列・・。いや、一応グリーンらしいですから、これでも。「踊り子」に転用されたら、ここ、どうするんでしょうねぇ?現状185系の15両編成だとグリーン車は2両、12両でもフルグリーン車を1両連結しているわけで・・。なんて思っていたら、良くも悪くも大胆なことしてぶち込みましたね(笑)


仕切りです。木目化粧板が本来に近い色となっています。


天井です。肩部や蛍光灯の色こそ変えられていますが、基本的には普通車と変わりません。よって、リクライニングした時に半間接照明の光が無遠慮に直撃するのもそのまんま・・。グリーンにしてこれ、ひどくね?


窓です。フリーストップ式のロールカーテンは相変わらずですが、こちらは1席につき1枚の割り当てです。

 

座席です。回転リクライニングシートは変わりませんが、座面スライド機構が無いこと、ヘッドレストピローやフットレストの設置などの違いがあります。


座り心地自体はそう悪いものではなく、座面の背ズリ側が柔らかめになっているため、リクライニングすると腰がちょうど落ち着くようになっているのは高評価です。窓側の肘掛に関しても、普通車のように肘が入れられない、と言った不満点は有りません。もっとも、幅は普通席とあまり変わりませんし、センターアームレストが寸足らずでグリーンとしてどうかしている評価は変わりません。窓側からの出入りを考慮したように見えますが、実際グリーン車なんて出入りは多く有りませんし、100km以内の短距離利用なんてよっぽどのお金持ちか、私のようなびn(略)でけch(自主規制)な人がごく稀に使うだけなんですから。


ヘッドレストピローは可動式となっています。


フットレストです。跳ね上げ式で、一応土足・土足禁止面の両方が設定されています。JR四国8000系の項でも述べましたが、グリーン車にして引き降ろしレバーや固定機構が無いのは如何なものでしょうか。脚を上げてフットレストを降ろすという、本来グリーン車で行うはずの無い不恰好な動作をしなければなりません。下手したら展開したシートバックテーブルに膝がぶつかり、テーブルがひっくり返るという大惨事も考えられます。この辺りは清掃面を優先したんでしょうけど・・ねぇ・・。


デッキ仕切り際はこの通り。E351系は振り子機構のバランス分配の都合で2+2の4列は位置になっているのならばまだ納得が行きますが、振り子機構も無い車両にして半室で4列席。普通車比率の増加とグリーン車の定員の一定数確保を目的としているのでしょう。しかしそれは会社側の都合であり、乗客のニーズに沿ったサービスとは言えません。普通席の座席をちょっと変えて、高い料金を徴収して「グリーンでござい」とは何ともおめでたいものです。これ以降も、E261系という特殊事情を除けば相変わらず4列のグリーン車は増え続けており、程度が知れて来てるなぁとガッカリし続ける今日この頃です。


普通車との仕切りとグリーン客室との間には、グリーン席利用者限定のトイレや洗面台があります。特段、変わった設備という訳でもありません。