JR四国8000系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


JR四国の稼ぎ頭の一つである岡山・高松から松山方面の特急列車、「しおかぜ」「いしづち」に使用されているのがこの8000系です。今でもJR四国のフラッグシップトレインとして活躍しています。というか、JR四国の電車特急って、長らくこの系列のみでしたよね。8600系も登場しましたが、まだまだ主役の座は譲りそうにありません。流線型の先頭車両は、登場から20年以上経った現在も色褪せない秀逸なデザインで、試作車に至っては高速運転試験において160km/h(正確には158.9km/h)を達成しています。

 

高松駅にて。画像はグリーン車の先頭車です。真紅のラインが個人的にはとてもカッコいいですが、グリーン車ならば緑のラインにするべきでは・・。あまり突っ込んではいけないところなんですかね(^^;; このデザインはリニューアルに伴い採用されたもので、元々は四国のコーポレートカラーである水色帯を主体に、前面下部に赤とオレンジの帯となっていました。

 

トップナンバーですね。2016年8月のこと、台風が四国を横断した関係で瀬戸大橋線がしばらく動かなかったため、8両編成の「いしづち」が運転されました。ええ、珍しいものは見れましたがこの時は私もえらい目に遭いました(笑)



こちらは指定席車の先頭車両で、オレンジの帯になっています。画像は高松発着の「いしづち」なのですが、なんと2両編成の電車特急でした。かつては3両編成だったのですが、岡山・そこから新幹線連絡の本州方面への輸送力を強化する事情があったため、8両編成で5+3両編成であった3両編成の1両を「しおかぜ」系統の6両編成化のため持って行っています。おかげで、JRグループ最短の電車特急になることに・・。ただ現在はまた3両に戻されていますね(それでも最短タイですが・・)。


併結運転を行うために、貫通型の車両も存在します。見事なまでのやっつけ仕事感漂うスッパリ切妻と、黒で縁取りされた大型ライト、普通車自由席を表す群青の帯、どう見ても寝不足の顔にしか見えません(殴)


パンタグラフは懐かしの菱形です。このパンタグラフ、常に鉛直方向を向くように、台車とワイヤーで繋がっているそうです。九州の振り子特急電車も同じような構造になっていますね。


ドアはプラグドアになっています。この時期のJR四国特急列車のブームとも言えますね。故に、「ドアは一旦閉まりだすと閉まるまで止まりません」と言った珍しいアナウンスが流れます。

 

そういえば、台湾鉄路管理局との姉妹協定1周年を記念した特別ラッピング編成がいましたっけ。

 

これがその姿。何気に似合ってるやん‥。

 

ただ貫通型先頭車は‥。平面的な顔に曲線的なラインが不釣り合い‥。


さてそれでは参ります、まずは自由席から。デッキドアです。先述の通りプラグドアになっています。


ゴミ箱も忘れず完備。これ、かなり低めに作られており、ちょうど車椅子の方が捨てやすい高さになっています。早めのバリアフリーですね。


トイレです。元々車椅子対応トイレを除いて和式だったのですが、半数が洋式に改造されています。

 

バリアフリー対応トイレです。扉は大きく、車椅子の通行には支障無さそうです。ですが、その後の円筒形トイレ登場後は前時代的に見えてしまいますね。

 

洗面台です。蛇口は温度調整可能な自動式、鏡は三面鏡となっています。

 

多目的室です。普段は閉鎖されているため、使用の際は車掌さんにお声かけ下さい。



携帯電話通話スペースです。かつては喫煙スペースでしたが、全列車が禁煙化されたため、携帯電話の通話スペースに転用されています。持ち手にも禁煙マークが貼られています。

 

内部です。灰皿はしっかりと塞がれていますね。



自由席車の車内です。リニューアルにより、座席モケットが貼り替えられています。

 

デッキとの仕切りです。窓の面積は小さく、左側に寄っています。仕切り扉上にはLED表示機が設置されています。

 

バリアフリー対応車両の仕切りです。仕切り扉を両開きにして開口面積を広げています。


最前面デッキ仕切りです。JR四国の特急用車両は観光列車を除けば大方2扉となっており、最前面にも出入り口が設置されています。一応前面展望も可能なように仕切り窓が設置されてはいますが、決して停車駅が少なくない予讃線特急列車の自由席、ラッシュ時を中心に人の出入りが多そうですし、デッキに人が溜まることも容易に想像できます。仕切り際に座った方と視線のかち合いが非常に気になる今日この頃。まぁ、乗車時に車内の様子がよく分かるというのは怪我の功名ですね。


天井です。照明は半間接照明となっています。荷棚は透明の板となっていて、荷物が下から見えるようになっています。


窓です。2席に1枚が割り当てられていて、日除けは横引き式のカーテンとなっています。

 

座席です。自由席はモケット変更が行われたのみで、シルエット自体はそのままです。



付帯設備はシートバックテーブルと、跳ね上げ式のフットレストとなっています。少し体勢を変えたい時にいいですね。座り心地は柔らかめですが、振り子を作動していてもしっかりと受け止めてくれる、見た目は平凡ながら中々良い座席ですね。ただ、振り子車両の性か、気動車でもないのに窓側に配管ダクトが通っており、窓側席の居住性に一定の難を出していることが残念といえば残念です。

 

一部の座席は、柱部分に冷房の配管が通るためリクライニング量が小さくなっています。どちらもフルリクライニングの図ですが、通路側と比べるとハズレ感が漂います。

 

そしてこの区画。なぜここだけボックス配置でセットされていたのかと思い壁を見ると…。

 

・・ウソやん(笑)

 

車椅子対応座席です。この手の座席は指定席として運用されることが多いのですが、自由席に設定されていますね。

 

全展開の図。肘掛けは跳ね上げ可能となっています。



最前面デッキ仕切り際は固定テーブルとなっています。


かつて走行中の車内における無線LANの試験が行われていた関係で、一部デッキ仕切り際の区画はノートパソコンを置けるくらいの大型折り畳みテーブルとなっています。


「パソコン電源」として、コンセントが2口用意されています。なにやら、家庭のコンセントみたいな見てくれですね(^^;; ただ、ここに2口設置しても、通路側の人はコードを窓側の人の下なり上なりを通過した上で通さなければならないわけで、それは車内で過ごす環境としては好ましくないと思われます。というか、うかつに窓側の人がフットレストに脚を載せようものなら、コードを引き抜いてしまう可能性も考えられます。恐ろしい・・。これらのことを考えてもこの設置位置はダメダメと言わざるを得ず、実質窓側専用と化しています。


続いて指定席車へと参ります。指定席車はかなり手を加えられていて、木目を意識した肌色が目立つ色使いです。ドアにも青と白のグラデーションに、イラストが追加された化粧板となっています。・・自由席車を見ていると、「ああ、資金足りてなかったのかなぁ」とか色々と考えてしまいます(^^;;


ゴミ箱はビン・カン用の穴が増設されました。ただ、それらの表記が一切無いのが不親切ですね。


自動販売機です。元々公衆電話や車販準備室などがあった場所を転用しています。


トイレです。こちらも角や手すりを中心に、木目のパネルを採用しています。実は床面もフローリングになっています。


洗面台です。三面鏡ではなく1枚鏡となっています。両側にはスリット入りの照明、上部にはしおかぜのロゴが入っていますね。


水受けは陶芸のようなイラストが入れられています。


他にもいくつかデザインがあります。


ドアを挟んで向かいにある、かつて公衆電話があったと思われる謎のコーナー。ここで携帯電話での通話などをして欲しい、という気持ちがあるのでしょうが、広告枠に何も入っていないためになかなか殺風景な区画となっています。JR九州であれば、ここに自作のポスターイラストなどを入れてるでしょうね。


自由席車と指定席車との境界。明らかな格差構造が見て取れますね(^^;;


いよいよ車内です。指定席車は化粧板貼り替えのほか、座席も全て交換されています。

 

半室の指定席です。グリーン車との仕切りはあくまでグリーン車側の座席配置に合わせられているので、左側の通路側席はちょっとかわいそうですね。



デッキ仕切りです。仕切りドアは自由席車とは違い窓が中央に配置された長いタイプで、黒色でキリリと引き締めています。


天井です。照明は半間接照明のままとなっています。


窓です。カーテンの柄が明るい色のものに交換されています。


座席です。先述の通り、座席が新品に交換されています。JR四国では2000系気動車が登場した際、FRPによるバックシェルを仕込んだ座席を搭載しN2000系登場時は一般的な座席に戻していたのですが、リニューアルに際しウッドシェルという形で復活しました。木材をこのように加工するのは、実は結構難しかったり・・。ちなみに、改座により漏れた座席の一部はここに転用されています。なお、画像は「いしづち」で運用されている車両で、1両のうち半分が指定席となっている関係上、この座席に自由席として座ることも出来ます。が・・。


そしてこちらが指定席に宛がわれている座席です。区別のため、ヘッドレストリネンが紅色に「指定席」と書かれたものになっています。


こちらは、とある座席の座面です。通路側の座面が、しっかりセットされていないのか前方向に傾斜が付いています。全ての座席がこうなっているわけではないのですが、これ、座席で一番やっちゃイケナイことです。座り心地ですが、クッションが柔らかいを通り越してスカスカです。また肘掛も木目を意識した色に塗られてはいますが、見るからにプラスチッキーで安っぽく見えてしまいます。まだ自由席車の方が安心して座れるような気がします。


デッキ仕切り際のテーブルは折りたたみ式で、広げていなくてもペットボトル程度は置けるようになっています。こちらも広げればそれなりの大きさになるので、ノートパソコンを使用することも出来ます。


コンセントもこの通り。相変わらず窓側に2口設置されていますが・・。

 

指定席、青いモケットの車両です。見た目としてはこちらの方が爽快感が出ています。

 

デッキとの仕切りです。座席モケットは異なりますが、こちらのデザインは変わりません。ドア上のLED表示機もリニューアル前からのものをそのまま使用しています。

 

こちらは「しおかぜ」に運用される車両にいる青系の座席。ウッドシェルとの組み合わせはこちらの方が似合ってますね。



座り心地はさして変わりません。なお、こちらは1両丸ごと指定席のため、リネンの区別はありません。


続いて半室グリーン車へと参ります。最前面の出入り口はグリーン車らしく、トーンを抑えた色でまとめています。


流線型先頭車の眺めがこちら。運転台が割と高い位置にありますが、視界悪くないですかねぇ?(汗)


半室グリーン車の車内です。2+1列配置で座席が並ぶ四国ではよく見かけるものですね。


デッキ仕切りです。本来、グリーン車はエクストラチャージによるアップグレードにより静粛と安息を提供するクラスである関係上、通り抜け等を防止するために行き止まりとすることがセオリーなのですが、どういうわけか最前面にも出入り口があります。そしてやはり前面展望を重視したと思われる仕切り窓。。半室のみしか設定されていないところを見ても、わずかに存在するグリーン利用客のために「とりあえず設定しました」感を非常に強く受けてしまいます。


天井です。照明は間接照明のみとなっています。全体的にツルンとした印象で、どうも安っぽさがぬぐえません。


間接照明の照度不足を補うため、荷棚に読書灯が設置されています。


座席です。こちらもリニューアルにより座席が交換されており、リニューアル前は2000系気動車のバックシェルを取り払ったような座席が設置されていました。・・ええ、もう早速突っ込みどころ満載ですね。ここまでご覧になられている方ならもうお分かりだと思いますが、基本的なシルエットは上で紹介した指定席車の座席そのまんま、悲しいかなテーブルの大きさもサイドアームレストも全くそのまんま、何が違うって座席の横幅とセンターアームレストを広げただけです。


反対側の一人掛けです。座り心地はというと、形状を分かりやすく言えば \_ で、2000系気動車で見ることが出来た腰周りのクッション性というか身体に追従する形状とは言えません。松山で接続する「宇和海」の2000系普通車からこれに乗り換えたのですが、座った瞬間に「あ、ダメだこりゃ」と思わされる、正直グリーン料金返せレベルのものです。


全展開の図。この座席、フットレストを下で固定することが出来ません。普通、「特急形車両のグリーン席」といえば、まずフットレストを降ろすためのペダルがあり、更に土足・土足禁止面の二面構成になっているのが現在の主流ですが、この座席ではそれらの類が一切有りません。ということは、脚を上げてフットレストを降ろすという、本来グリーン車で行うはずの無い不恰好な動作をしなければなりません。下手したら展開したシートバックテーブルに膝がぶつかり、テーブルがひっくり返るという大惨事も考えられます。このような例は他にもいくつか存在しますが、試作品を作った段階で気付かったのかな?と。


1人掛け通路側のサイドアームレストです。これ、本来であればリクライニングボタンが仕込まれるであろう場所で、2人掛けとパーツの形状を同一にして、なるべくコストを抑えようとした結果といえます。そのボタンが無い穴はというとシールで塞いでいます。この貧乏くささは如何に。私はバースデーきっぷで利用した身ですが、正直言って、正規でのグリーン料金だと泣けてくる残念さです。これらの反省があったのか、コストの更なる圧縮のためなのかどうかは分かりませんが、2000系気動車のリニューアルでは、全車両の座席フレーム自体はそのままで、モケットやクッションの交換に留まっています。


デッキ仕切りの座席に関しては、リニューアル前のフットレストユニットがそのまま残っており、ここでは上で散々ぼろっかすに書き散らしたような惨劇は起こりません。しかし、土足禁止面などのモケットまでそのままにすることは無かろうに・・。テーブルは折りたたみ式です。しかし、なぜここは大型テーブルになっていないのでしょうか・・。色々な面でリニューアルが中途半端に終わっている気がしてならないです。結果として、リニューアル前の座席が残る普通車自由席が一番、ハード面での費用対効果の観点でおススメなんでないかと。


振り子車両の記事ではおなじみ、エグい絞込みです(苦笑)

 

さて、四国では各特急列車にアンパンマン列車を投入していますが、かつて予讃線系統では宇和島直通の「しおかぜ」に充当される2000系気動車がその任に当たっていました。2016年度より「しおかぜ」と「宇和海」が完全分離してからは、このように8000系電車が新たにアンパンマン列車として運用されるようになりました。いやはや、なりふり構わんな‥。

 

サイドもこのようにキャラクターが多数描かれております。

 

トイレです。化粧板が変更され、アンパンマンの顔がデーンと出迎えます。

 

洗面台です。鏡に照明を仕込むデザインは変わりませんが、スリットが変更され、周りも色々と変わりましたね。

 

で、目隠しのカーテンを広げると・・ここにもいますよね、やっぱり‥。アンパンマンであろうとなかろうとあまり広げる人も少ないので、意外と気付かれてなさそうです。

 

自動販売機です。ラインアップは変わりませんが‥。

 

そして記念スタンプです。謎のコーナーも、アンパンマン列車化でようやく日の目を見た感じですね。

 

外観も凄ければ車内もこんな感じで、1号車のクロハに当たる半室普通車指定席部分はアンパンマンシート区画とされました。

 

天井です。ええ、キャラクターでいっぱいです。

 

なおその他の普通車区画に関しても、天井だけはアンパンマンが描かれるようになっています。

 

座席です。リニューアル後の座席をベースに、モケットや天板の取り換えや雲をイメージしたヘッドレストピロウの取り付けを行っています。ヘッドレストピロー、実際のところほとんど役に立っておりません(笑) 首の所に当てるのが正解なんでしょうか‥。

 

で、ここはグリーン車のデッキ。注意喚起のテープ、こんなところにまで現れています。