JR四国キハ185系 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


国鉄末期に登場した四国の特急用車両がキハ185系です。かつて特急といえば、長大編成を組む威風堂々とした姿がステータスとされていましたが、時代は特急列車が主流になり始めていたことと、JR各社の中で一番経営基盤が脆弱な四国において、急行列車の特急化を図ることにより、収入を増やそうとした目論見の元登場した系列です。

 

基本編成は2両、中間半室グリーン車であるキロハも存在していますが、団体専用の「アイランドエクスプレス四国Ⅱ」のキロ化や廃車により、現在「ゆうゆうアンパンマンカー」となった1両以外は存在していません。JR九州に売却された編成では、普通車化されたものの座席はそのまま残っているようです。 その他、松山地区では普通列車に格下げされた車両、観光列車に改造されたものもいます。

 

登場当初は四国島内の特急列車を網羅し、瀬戸大橋を渡って岡山に到達したこともあったようですが、現在では徳島線の「剣山」、牟岐線の「むろと」を中心に運用されています。「剣山」ではこのように4両編成での運転もあるようです。

一部はこのように高徳線の「うずしお」としても使用されていますが、さすがに振り子装備のN2000系と同じダイヤでは走れないこともあり、アコモの古さからも利用客からは「ハズレ」扱いされることもしばしば・・。

さて、その他にも活躍の場所はいくつか存在しており、高松-宇多津間の臨時特急「しまんと」にも使用されることがあります。本来「しまんと」は2000系での運転で、宇多津で岡山からの「南風」と併結して高知へと向かうのですが、「南風」は多客期や団体利用があった時には「しまんと」として使われる車両もろとも連れて行ってしまうため、「しまんと」の高松-宇多津間の運用が出来ない時があります。
 

そのような時に救済処置として、キハ185系が宇多津までの特急として運用されるときがあります。ちょうど私が利用したときは、前日の土讃線での大雨の影響で車両のやりくりがつかなかったらしく、臨時運用にぶち当たった次第。ただでさえ四万十川も見えないのに、高知県まで行かない「しまんと」も如何なものでしょうか(^^;; 結局、宇多津にやってきた「南風」も3両編成で、えらい混雑となっていましたが・・。
 

それでは参ります。まずはデッキのドアから。戸袋のスペースを省略するためか、折り戸となっています。窓は特急型車両であることを考慮してか、12系とは違い2枚で1枚に見えるようになっています。当初から普通列車でも運用できるように考慮した結果、ドア幅も少し広めで、1両につき2箇所となっています。この辺り、急行型車両を少しばかりグレードアップした車両と言うのが適切ですね。足元には低床ホーム対応のステップがあります。


くずもの入れもしっかりスタンバイ。


トイレです。登場時期が時期だけに和式となっています。


向かいの洗面所です。蛍光灯にカバーはありません。鏡も最小限で、やはり急行型に近い雰囲気です。鏡の下には、電動髭剃りなどの使用を考慮してコンセントが備わります。車内には無い設備ですが、当時は携帯電話も普及しておらず、車内でコンセントを使う場面は限られていたという時代背景を反映しているようですね。蛇口は水と温水の二つがありますが、温水に関しては使用停止となっており、レバーが撤去されています。


JR西日本455系列ほどではありませんが、こちらにも多少バリエーションが。温水のプレートが剥がされ、無かったことのようにされています。

車内です。必要最低限の設備ここにあり、国鉄型車両ならではの無機質な印象です。


最前面のデッキ仕切りです。先述の通り、各車両にデッキは2箇所となっています。右側の仕切りに関しては、窓が設置されているため前面展望が可能となっています。国鉄車両にしては珍しいですね。ただ、デッキ越しとなりますので、自由席が満席になるときは人が立ってしまいそうです。ちなみに、運転台は半室構造になっています。特急型車両で半室というのもどうかと・・。
 


天井です。カバーのかかった蛍光灯と荷棚のみ、非常にサッパリしています。


座席です。回転リクライニングシートです。国鉄時代の特急車両ではどこでも見ることが出来た座席ですね(細かく型番は分けられていますが)。座り心地も安定の柔らかさ、それ以上でもそれ以下でもありません。


デッキ仕切り手前の座席です。こちらは指定席のため、ヘッドレストリネンが青色になっています。テーブルは折りたたみ式、解除するには少しコツがいります(解除方法が書いていないため)。


さて、続いては普通列車用に格下げされながら、「むろと」が増発されることに伴い特急用車両に再整備された車両です。左右で塗装が異なっていますが、左側がその対象車両です。


車内です。上の画像と見比べて頂きたいのですが、多少の変化が見て取れます。


窓です。2席に1枚が割り当てられています。日除けは横引き式のカーテンです。柱にはコート掛けが備わります。窓枠部分が拡大されているため、ペットボトル程度なら置くことが出来ます。


座席です。8000系電車のリニューアルで交換された座席を使用しています。普通列車格下げ工事の際、テーブルの撤去やリクライニングの固定がされていたため、再改造するよりも交換発生品を使いまわす方が手間も省けてコストも安く済むと考えたのでしょう。座り心地はクッションが効いた上々なものです。


デッキ仕切り手前のテーブルは固定式です。小さいですね・・。


こちらは、国鉄塗装に近い雰囲気となっている緑色の車両です。アンパンマントロッコの控車となっています。現在はキロ化の上で更にパワーアップしているようですが・・。


車内です。配色などは大きく変わっていませんでしたが・・。


座席です。ヘッドレスト部分はリネンではなく、カバーとなっています。カバーにはアンパンマンのイラストが描かれています。


アンパンマントロッコということで子供連れの利用客が多いこともあり、座席を数列撤去の上ベビーカー置き場に充てています。


その向かいは、弁当などを販売する車内販売ブースとなっています。



今後、新型気動車を開発することが発表されており、非電化路線を改良の上高速化することが計画されています。JR型車両と比べて足が劣る当系列は、近いうちに定期特急用車両としての役目を終えるかもしれません。乗車はお早めに。