ささのブログ

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引き出しとしてON/OFFが切り替えられれば「技術」であり、それしか出来ないと「クセ」となる。


先月31日に行われた私の所属する団体の雅楽コンサート。私はある実験をひそかに行った。この日のプログラムは大きく分けて四つ。前半・管絃の「散手」と「貴徳」、後半・舞楽の「散手」と「貴徳」である。
「散手」は中国系の「唐楽」の曲、横笛は龍笛を用いる。「貴徳」は朝鮮半島系の「高麗楽」の曲、横笛は高麗笛を用いる。


龍笛と高麗笛の大きな違いはその太さである。龍笛のほうがずっと太い。当然、大きな音を出すのに長けている。高麗笛はかなり細い。篠笛よりも若干細いかもしれない。それで龍笛と同じような吹き方をすれば、当然笛にそっぽを向かれる。高麗笛を響かせようとするならば優しく吹かなくてはならない。龍笛と高麗笛を吹くときの「引き出し」は違うのだ。


「ボディーボックス奏法」。私が研究・開発した、管楽器の響きを格段に広げる演奏法だ(今年の2~3月のブログ・「ボディーボックス奏法1~4、および番外編」参照)。これまでに書いたブログを読んだ尺八を吹く方から、それは「遠鳴り」のことですね、というコメントが寄せられた。目的は遠鳴りなので、その通りだ。ただし、「ボディーボックス」は、ON/OFFが可能。演奏における「技術」の一つとして使用出来る。その点、単なる「遠鳴り」とは違う。


さて、先日の雅楽コンサート。前半・管絃の「散手」「貴徳」、後半の「散手」まではボディーボックスはOFF。龍笛のようなもともと鳴る楽器で、400人ほどのキャパシティーのホールで遠鳴りさせてもあまり意味は無い。また、高麗笛を用いる管絃の「貴徳」、私は助管(じょかん=パートリーダーの下で吹く人)なので、あまり目立たないように吹く必要がある。ボディーボックスをONにしたのは、最後のプログラムの舞楽「貴徳」の時だ。この時、私は音頭(おんど=パートリーダー)担当なので、誰に遠慮する必要もない。


ボディーボックス奏法の効果はいろいろあるが、高麗笛に関して言えば、高音が伸びる、低音が響く、この2点が挙げられる。特に、高麗笛の低音は鳴りにくい。ほとんどの奏者が龍笛と同じような息の入れ方で高麗笛を吹いているが、その場合、低音がスカスカの音しか出ない。楽器にそっぽを向かれているからだ。


「小乱声」「狛乱声」にはどちらも一箇所、低音が続く場所があるので、そこはボディーボックス全開。近くで大きな音がする必要はない。音色を豊かにすることで小さい音でも遠くに届く、それが遠鳴り。ちなみに、私が曲によって演奏法を変えることは、チケットを買ってくれた生徒さんには事前に誰にも言わなかった。


コンサートが終わり、後日龍笛教室に行くと、「貴徳の先生の高麗笛の響きがすごかった」と何人もの生徒さんから言われた。私の音で、他の高麗笛の音がかき消されたそうだ。特に、客席後方で聞いた方にその傾向は強い。今年2月の「正倉院尺八vs篳篥」の実験に続き、高麗笛でもボディーボックス奏法の有効性が証明出来た。


それならば、常にボディーボックスをONにして吹けばいいじゃないか、と思われる方もいるだろう。が、世の中に完璧というものはない。究極の遠鳴りを実現させるために、かなりのリスクも同時に生じる。言わば「諸刃の剣」。ではそのリスクとは何か。これについては、また改めて。

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