Pomerol 評 価 その3 | ろくでなしチャンのブログ

Pomerol 評 価 その3

       Pomerol 評 価 その3 ボルドー第4版より 


 

 この他にも数々のポムロールがあるが、1980年代の最も偉大な物語はセルタン・ド・メ、クリネ、ラ・フルール・ド・ゲイ、ルパンといったシャトーが登場した事だろう。

 

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赤ワイン ラ・フルール・ド・ゲイは、よく知られたポムロールノシャトー、ラ・クロワ・ド・ゲイの所有者、アラン・レイノー博士によって、198年のヴィンテージで幕を開けた。最高の葡萄の樹がある区画(この場合はペトリュスとラフルールに近い100%メルローの区画)から所有者が別個のワインを造ると言うのは、ボルドーでは非常に珍しいことである。ラ・フルール・ド・ゲイは100%オークの新樽で熟成されるが、驚くべき豊かさを備え、エキゾチックな超熟感のあるワインである。2000年、1998年、1990年、1989年、1988年を一口すすれば、誰でもこのワインの信奉者になるだろう。皮肉なことに、デビュー年である1982年は、がっかりさせられるワインだ。

 

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赤ワイン クリネも1985年まで、毎回期待を裏切る生産者であった。ところが所有者の義理の息子、今は亡きジャン・ミシェル・アルコートが経営を引き継いでからは、あっという間に凡庸のマントを脱ぎ去って、このアペラシオンで最も複雑で、深い凝縮感のあるワインを生産し始めた。すぐにこのシャトーはポムロールの最高傑作にも挑戦する力を持つ大物になった。例えば、ほぼ100点満点のワインが1990年と1989年に生産されている。アルコートがボート事故で悲劇的な死を遂げた後、クリネは売りに出された。しかしながら、新しい所有者もまた、品質にこだわり真摯なワインを造り出している。

 

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赤ワイン  ここ20年間で現れたもう1つのスーパー・スターは、ル・パンという極めて小さなシャトーである。ほぼ100%メルローを栽培する小さな畑から造られるワインは、ボルドーで最も並外れて香り高い、享楽的で風変りなワインかもしれない。所有者のジャック・ティアンポンは、ペトリュスをイメージした、しかしもっとエキゾチックなワインを造る決定を下した。ル・パンにとって唯一の問題は、そのワインがどの位熟成するかと言うことである。オークションで付けられる天文学的な値段を払ってまでこのワインを手に入れたがる世界中の億万長者にとってル・パンがカルト・ワインになったことは否定しようもない。また、このワインは、隣接するサン・テミリオンで始まった『ガレージ・ワイン』の流れを造るきっかけとなったと言われている。さらに、ル・パンは評論家が判断したよりも長命だった。初期のヴィンテージの味は偏屈なワイン評論家が予測したようには、バラバラになどなっていなかった。彼らは現状を維持するためにだけ生きている連中なのだろう。    シンデレラ・ワイン こちらへ
            

 

      

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赤ワイン そのほかの一流のポムロールには、いくつかの伝説的なワイン(1961年、1959年、1950年、1947年)を造ったラトゥール・ア・ポムロールがあるが、それ以降はぱっとしない。また、世界で最も才能あふれるエノロジスト、ダニとミシェル・ロラン夫妻が経営するル・ポン・パストゥールが挙げられる。

 

       

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赤ワイン 目が離せない2つのシャトーは、ヌナンとオザンナだ。ヌナンには故ミシェル・ドロンと息子ジャン・ユベールによって巨額の投資がなされた。その結果は直ぐに現れ、特に力強い1998年と2000年は将来有望である。

 オザンナは、今はなくなってしまったセルタン・ジローの最良の部分を表現する、年1500ケースしか生産しないミクロ・キュヴェである。初めてのヴィンテージである1999年に続き、2000年と2001年はより印象的だ。クリスティアン・ムエックスが所有するオザンナのワインは素晴らしい潜在能力がある。そしてペトリュスと結びつけて考えられがちな別のワインに比べ、オザンナはムエックスの哲学がより正確に表現されたワインかもしれない。

 

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 あらゆる点から言って、ポムロールで期待を裏切る生産者の数は10年前と比べて少なくなった。だがタイユフェール、ラ・ポワントのような大きなシャトーは、もっと良いワインを造れる筈だ。さらに、ジャン・ピエール・ムエックスが所有していたよりマイナーなシャトーにしても、しばしばポムロールの水準からみれば広い畑を持っており、このアペラシオンのリッチな、肉付きの良い、享楽的なワインの良い手引となることが出来た筈であることを思うと、残念な限りだ。

 

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