回顧録「いつか見た映画 1985」2『マッドマックス サンダードーム』 | やりすぎ限界映画入門

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■『マッドマックス サンダードーム』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

1985年/オーストラリア映画/107分
監督:ジョージ・ミラー/ジョージ・オギルヴィー

出演:メル・ギブソン/ティナ・ターナー/アンジェロ・ロシット/ポール・ラーソン/ヘレン・バディ/ロッド・ズァニック/フランク・スリング/キャサリン・カレン/ブルース・スペンス

■1985年 劇場公開作品 2本目「今日見た映画」回顧録

■第2稿 2019年 10月11日 版

[ “家へ帰ります” ]



■「 “では 1ページを開いて”
  “一緒に ボンジュール”
  “お早う”
  “どちらへ?”
  “家へ帰ります”
  “家へ帰ります” 」



『マッドマックス サンダードーム』の「全て」が、“家へ帰ります” の台詞に向かって収斂される。人間が再び「秩序」と「文明」を取り戻す道へ向かう。“家へ帰ります”。人間が人間らしく生きる元の世界へ、マックス(メル・ギブソン)と共に帰る時がきた。




「1作目」で「妻」と「子供」を「惨殺」されたマックス。あまりに救いのない人間の「怖さ」「残虐さ」に全世界が撃ちのめされた。だが救いのない「絶望」は「2作目」で、「正義は消えない」「希望」に変化した。そして「希望」が甦った「3作目」、もう一度「秩序」と「文明」が復活の気配を見せる。




「人間」は絶対、救いのない「怖さ」「残虐さ」だけじゃない。「秩序」「文明」が崩壊しても取り戻す力がある。「1作目」「今から数年後」、「2作目」「パニックの時代」、「3作目」「世界の終り」。「ジョージ・ミラー監督」が生み出した「警察が消えた世界」「暴力が支配する世界」が最期に到達したのは、人間が人間らしく生きる元の世界への「帰郷」だった。

[「神の視点」「一大叙事詩」]



■「争いは殺し合いを招き
  戦争を呼ぶ
  戦争は何を招いたか?
  我々は このザマで
  放射能の雨に打たれてる
  その苦い体験で
  バーター・タウンは学んだ
  争い事はすべて
  ここで始まり ここで終わる
  2人が入り 出るのは1人」



昔「文明」があった。だが生活を豊かにするはずの「文明」が人類を滅ぼした。「秩序」を取り戻す「反省」から人間が学んだもの。「サンダードーム」が見せた「二度と戦争をしない」決意に、「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」。「争い事はすべて ここで始まり ここで終わる 2人が入り 出るのは1人」。ものすごい「教訓」に見える。




「警察が消えた世界」「暴力が支配する世界」では、「他人のことを考えない人間」達だって「安心」して生きれない。「不安」に怯えてたら「熟睡」だってできないはず。「他人のことを考えない人間」達にも「限界」はある。「警察が消えた世界」「暴力が支配する世界」に「疲れた」人間達の極限のくそリアリズムを、『マッドマックス サンダードーム』に見た。






『マッドマックス サンダードーム』は、『マズローの欲求5段階説』1段階「生理的欲求」、2段階「安全欲求」「そのもの」。文明の「崩壊」から「復興」を成し遂げた人間の姿が、古代から現代まで、人類が「想像力」を持ってどのように歴史を築いてきたかのようにも見える。「旧3部作」の「ジョージ・ミラー監督」の視点が、「神の視点」から人間を見つめた「一大叙事詩」に見えた。「圧倒的美術」「狂気の世界観」を生み出した恐るべき「想像力」に、「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」するしかなかった。

[『マッドマックス サンダードーム』「圧倒的美術」「狂気の世界観」]






『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に繋がる「圧倒的美術」「狂気の世界観」は、『マッドマックス サンダードーム』で「完全完成」した。「ジョージ・ミラー監督」が創造した『マッドマックス サンダードーム』「圧倒的美術」「狂気の世界観」は、「1作目」「2作目」の「さらに」「100乗」と言って大袈裟ではない。もはや映ってる物の「全て」が『北斗の拳』の世界「そのもの」。『北斗の拳』に与えた影響も「2作目」の「100乗」を超えた。






「放射能の雨」に打たれた「本当にそう見える」「泥沼」の「汚さ」。「核戦争後」を想像させる極限のくそリアリズムの “棲息速度域”。細部にまで行き届いた「丁寧」「上品」「繊細」さが、「泥沼」の「汚さ」を「超越」する「極限の美」に到達した。もはや映画史を震撼させた「圧倒的美術」「狂気の世界観」が何かを思い知るしかない。






また80年代の「SFX」時代に入り『マッドマックス サンダードーム』も、ラストのシドニー「崩壊」で多少特殊撮影技術が使われたらしい。だが “本物” の「カーチェイス」に「SFX」は存在しない。もはや「どう火薬を仕掛けるか?」しかなかった。『道の武人』最期の「運転」と「衝突」。「全部本当にやった」当時の「狂気」に「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」。その真実を見た者は、おしっこを漏らして震撼する以外もはやなす術はない。

[「メル・ギブソン」俳優生命限界点「伝説」]




「正義は消えない」。“子供に好かれる” 『道の武人』が、“本物” の「英雄」が何かを見せた。「メル・ギブソン版」『マッドマックス』「旧3部作」がここに完結する。80年代の歴史に名を刻んだ偉大な「大スター」は、『気狂い太郎』「旧3部作」で確実な何かをこの世に残した。「メル・ギブソン」俳優生命限界点に到達した『マッドマックス』「旧3部作」の「伝説」は、永遠に語り継がねばならない「伝説」となった。




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画像 2019年 10月