第26回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソンに、フルマラソンの部で参加する。
2004年のつくばを皮切りに、記念すべき30回目のフルマラソン。10回目が09年のかすみがうら、20回目が14年の板橋でそれぞれ5年かかっているのに、そこから2年あまりで30回の大台に乗せた。近年、ランニングがどれだけ生活のウエイトを占めてきているか、よく分かる数字だ。
かすみがうらは、07年に初めて走って以来、東日本大震災で中止された2011年以外皆勤賞で、今回で9回目を数える。茅屋から一時間かからない、会場までのアクセスが何よりの魅力。
記録に目を向けると、フルマラソンを走る11月~4月のシーズン期間、かすみがうらで自己ベストをマークできたのは、過去2回(2012,2014年。↓のフルマラソン全記録参照)のみ。
昨2014-15シーズンは14年11月のつくばで不本意な結果に終わり、翌1月の勝田で自己ベストを出すも、3月の板橋で再び沈み、このかすみがうらで板橋の雪辱をそそぐものの勝田には届かない……という流れだった。2015-16の今シーズンも、ここまで概ね同じ道を辿ってきている。
自己ベスト更新+シーズン目標だった2時間50分切りは、1月の勝田で到達済み。3月の板橋では、もう一回再現したかったところを強風に邪魔されて、101秒届かず。シーズン最後のフルマラソンなかすみがうらで、有終の美を飾れるかどうか。
余震の続く熊本や大分の状況が報道される中、お祭りマラソンを走ることに対して後ろめたい気もすれど、走ることしか楽しみがない人でなしなんだから仕方がないと割り切ることにした。
例年通り、8時過ぎに最寄り駅の土浦に到着。会場まで、てくてく歩いていく。天気予報では午前中から傘マークだったけれど、降ってくる気配はまだなし。
今年は会場の運動公園が野球場工事中のため、会場レイアウトが大幅に変更された。
色々苦心の跡はうかがえるものの、20000人あまりをお迎えする場所としてはどうしようもなく土地が足りてない。看板告知によれば、工事は17年5月までかかるとのこと。来年の大会まで食い込むじゃないか……。
例年、陸上競技場の外の盛り土辺りでザックを下ろしていたが、今年は荷物預かり所の真ん前に陣取り、準備しつつ時間を潰す。
NHK「ラン×スマ 街の風になれ」の取材クルーが、ランナーに意気込みを聞いて回っていた。田村亮が二回目のフルマラソンに挑戦し、金哲彦も参加とのこと。
スタート前の準備はいつもの通り。
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携帯物は、塩熱サプリを。5km ごとに摂取する計画。
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VESPA HYPER は、20km と30km 過ぎで投入予定。
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前回の板橋City から携帯物に加わったパワーバージェル。25km で摂取して、空腹感を抑える。以上、全て手首のアームウォーマーの内側に収める。
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コルゲンコーワ鼻炎フィルムクールは、スタート30分前に舌に溶かす。
花粉シーズンもピークを越えたとはいえ、鼻水に悩まされたくないので。
混雑する前に荷物を預けて、今年は土浦駅側に集まった仮設トイレへ向かう。
が、どの個室も水が流れず、運営の方がペットボトルを配って歩いている。
文明の偉大さを実感すると共に、被災者の方の労苦の一端に思いがけず触れた思い。
整列は9時30分からということだったけれど、25分頃に着いたスタートゲートまん前のAブロックは、いち早く陣取った人たちでいっぱい。9時20分号砲の10マイル部門に遅刻した選手らのために開けられた右端のスペースで、運営のおじさんが割り込もうとする連中を次々に追い返していた。「後から来といて前に並ばないで下さい!」と凄い剣幕。非常に痛快だった。
スタートゲート横の雛壇に上った応援隊は、アントキノイノキ・M貴史ら、毎年お馴染みのそっくりさん芸人。横に、あれ慎之介とさかともという巨人軍のそっくりさんもいたが、本人を知らないのでどれだけ似てるのか……。更に横には、泉水いずみという歌手らしい人が納豆ねーばねばと歌っていた。他意はないけれど、この面子ではアントキノイノキやM貴史が一流芸人に見える。
10時、フルマラソン部門がスタート。
スタートラインを踏むまでのタイムロスは8秒。1月の勝田の16秒を上回り、過去最短だったと思われる。陸上連盟登録者で前方ブロックの壁を作らないかすみがうらは、ありがたい。
最初の1km から2km で、4m06s →3m55s と今日の想定ペースに乗る。勝田の再現を目指して、3m55s前後でラップを積み重ねていく計画だった。
アップダウンを織り交ぜながら北上する最初の5km は、追い風傾向。気温も高く、暑さをより感じる。
が、最初の給水を越えて道を折れると、当然横風を受ける形に。その影響か、大会スポンサー日立建機のエイドゾーンを通過した8-9km が4m04s と、早くもキロ3分台を維持できなくなる。最初の1km をのぞく4分台への下落は、勝田では15km、板橋では22km と、直近の大会と比較しても早すぎる。それに、先の二大会では直後の1km で3分台へ回復できたのに対し、今日は4m00s秒台をいつまでもうろうろするばかり。これ以上ペースを上げれば、先は長いのに潰れてしまう予感があり、非常に苦しい。
コースが方角を転じる12km 以降は更に体感で辛くなり、この調子の悪さは風のせいなのか、オーバートレーニングによる疲労のせいなのか。
下り坂に助けられて、14-15km を3m52sと、ようやっと3分台へ復帰できたけれど、以降フィニッシュまで想定ペースを上回ることはなかった。また、この15km 前後では雨がぽつぽつ落ちてきたものの、そのうち一旦止んでくれたので助かった。
とにかく前半戦は、これでもかというくらいに後続の選手に抜かされ続けた。勝田でも板橋でも、抜くことはあっても抜かされることはほとんどない気持ちいい走りができていただけに、前を行く選手をさっぱり追えない、辛い展開が続いた。
20km の坂を上ったところで、べスパハイバー1個目を投入。後半へのリカバリを期待した。
中間点の通過タイムが、1時間25分26秒。勝田+1分32秒、板橋+56秒と、ハーフ通過時点で厳しい数字が現れていたが、安定しないラップを支えるのに必死で、ろくに気にする余裕がなかった。
中間点を越えた下り坂が、風を背中に受けて苦し紛れのギリギリ3分台。この先、コースは折り返すのだから……と、ここからの後半戦を思い戦々恐々としていたが、22km 過ぎの角を折れるや、予想に違わぬ壮絶な向かい風にさらされる。先月の板橋City も大概だったけれど、あれを凌ぐ暴風ぶり。22-23km で前の1km+21秒な4m20sと、4分10秒台すら維持できなくなる。
更に、ふと視線を転じると、コースから見えるはずの霞ヶ浦湖畔が煙ってる……。今にも降ってくる、大雨が! その予感は的中して、25km 前後から雨が本降り化。猛烈な嵐と化す。
周囲も極端にペースが落ちたり歩き出す選手の姿がちらほら見られて、いかに気持ちを折らずに走り続けることができるか、サバイバルレースの様相を呈してきた。風と正対する間は必死に耐えて4分20秒台で踏みとどまり、何かの拍子で風の向きが変わるや10秒台や00秒台までラップを上げる、風任せなペース進行。この辺りで、自己ベストの更新は無理だと諦めた。パワーバージェルは27km 辺りで摂取したと思う。
そんな我慢の時間が続く中、30km を越えてふいに集中力を取り戻す。ラップも徐々に安定してきて、これまで抜かされた人たちをどんどん抜いていく。コースの前半からこの力強さがあったらと思われたが、逆に前半、風に押されてペースが上がらなかったことが幸いしたのかも。32km 前後で、2個目のベスパハイパーを飲んで、終盤に備える。
36km 以降、コースは待望の北向きに代わり、風が力強く背中を押してくれる。36-39km の3km を、4m13s→4m05s→4m12s と、前半戦に引けを取らない勢いに乗れた。
バイパスに入る39km 地点を越えて、ロッキーのテーマが嵐もかき消さんばかりの大音量で鳴り響く! つくば・青梅・板橋で見かけたいつものおじさんか確認できなかったけれど、今日の天候でこのポジションは絶妙だった。異常にテンションが上がる。
しかし、39km 過ぎ、バイパスを離れるや序盤から懸念していた通り、ここまでで最悪の暴風雨に向かい合った。コースが方角を変えるまでの1km弱、罰ゲーム感極まれり。あの天候でも、レインウエアを着て沿道に立ち、選手を応援していた人たちには、本当に頭が下がる。
おととしまでの旧コースに合流してフィニッシュまで1km を切り、とりあえずサブスリーは死守できることを確信して、ひと安心。
競技場手前で、雨と風の音に混じってどうも自分に向けられている声がするような気がして、ろくすっぽ目を向けずに手だけで応えてみる。10マイル部門を走り終えたチームOB(姉御&朋友)と御母の声援だったと、後でわかった。
最後のトラックにて抜けるだけの人は抜いて、フィニッシュ。
タイムは、2時間55分52秒。スタートラインを踏んでからのネットタイムは、2時間55分44秒。勝田の50分切りの再現どころか、先月の板橋よりもタイムを落とす結果に終わった。
昨年のかすみがうらとの比較では、+2分43秒。走るたびにタイムを更新していた2012年からの流れに、とうとうブレーキがかかった。
まあ天気のせいですよと言い訳して、自分を慰めたい。
おととい辺りに右足の脛に痛みを感じて警戒していたのだけれど、別段支障も無く走り終えることができて良かった。
第64回勝田全国マラソン(2016.1)
5km 19:54
10km 19:43
15km 19:44
20km 19:52
中間 1:23:54
25km 19:55
30km 19:57
35km 20:13
40km 20:51
Fin 9:17
2h49m26s(グロスタイム:2h49m42s)/総合順位:191/10990 39歳以下男子:144/3280
第26回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン(2016.4)
5km 19:55
10km 20:06
15km 20:11
20km 20:43
中間 1:25:26
25km 21:10
30km 21:20
35km 21:37
40km 21:27
Fin 9:23
2h55m44s(グロスタイム:2h55m52s)/総合順位:131/10250 フル男子30~39歳の部(非陸連):8/1642
基礎スピードの違う数字が並んで、同じ人のタイムとは思えない感じ。
とは言え、35-40km で、前の5km よりタイムを上げるという、世にも珍しい展開があったことは興味深い。追い風に助けられた面はあれど、後半の落ち込みは毎度の課題だったので、この結果は良い収穫だった。
また順位だけを見れば勝田を上回っているのは、今日の過酷さがうかがえる。本降りの雨+気温5℃だった2013年大会は今なお語り草だけれど、今年の大会も参加したランナーの間で長く伝え継がれることと思う。
一般部門30~39歳の部では8位と、フルマラソンではじめての一桁順位をゲットできて、嬉しい限り。
以下、フルマラソン過去30回の記録。
第一期:初マラソン
2004年つくば・・・・・・・・・3h57m21s
2005年つくば・・・・・・・・・3h56m30s
第二期:最初のピーク
2006年荒川市民・・・・・・4h32m
2006年つくば・・・・・・・・・4h11m08s
2007年東京・・・・・・・・・・3h48m
2007年荒川市民・・・・・・3h38m
第三期:低迷期
2007年かすみがうら・・・3h58m54s
2008年かすみがうら・・・3h40m24s
2009年荒川市民・・・・・・4h01m25s
2009年かすみがうら・・・4h13m25s
2010年かすみがうら・・・4h07m06s
2011年大阪・・・・・・・・・・4h51m31s
第四期:サブ3.5
2012年板橋・・・・・・・・・・3h30m47s
2012年かすみがうら・・・3h26m50s
第五期:10分台へ
2012年つくば・・・・・・・・・3h15m17s
2013年板橋・・・・・・・・・・3h18m52s
2013年かすみがうら・・・3h16m42s
2013年つくば・・・・・・・・・3h12m06s
第六期:00分台へ
2014年勝田・・・・・・・・・・3h05m16s
2014年板橋・・・・・・・・・・3h22m43s
2014年かすみがうら・・・3h04m26s
2014年つくば・・・・・・・・・3h01m21s
第七期:サブスリー
2015年勝田・・・・・・・・・・2h52m43s
2015年東京・・・・・・・・・・3h30m08s(ファンラン)
2015年板橋・・・・・・・・・・2h55m48s
2015年かすみがうら・・・2h53m01s
2015年つくば・・・・・・・・・2h51m40s
第八期:サブ50
2016年勝田・・・・・・・・・・2h49m26s
2016年板橋・・・・・・・・・・2h51m41s
15-16年のマラソンシーズンは、これにて打ち止め。
秋のつくばまで、フルマラソンはしばらくお預けとなる。40回へ向かって来期のまずの課題は、2時間50分切りがまぐれじゃなかったことを証明しないと。
第26回かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン:42km
タイム:2時間55分44秒(グロスタイム:2時間55分52秒)
総合順位:131位/10250 フル男子30~39歳部門:8位/1642(↑の完走証の順位は速報値)
1km平均ラップ:4m09s
ベストラップ:3m52s(4-5k,14-15k)
消費カロリー:2969kcal
天気:暴風雨(気温21℃:11時/最大瞬間風速20.7m:12時)
フィニッシュ後、エントリー時に選択した参加賞の地元特産品をいただく。今年は佃煮詰合orクッキーで、前者を。
その他、アミノバリュー、バナナ、れんこんめん、リゲイン、マックのポテト引換券や完走証を受け取ったが、その間も吹き降りで完走証がどんどん濡れる濡れる。
全身ぬれねずみな上、更衣室のテントも戦場だったので、レインウエアを着込んだだけですぐさま撤収する。待ち合わせる予定だったチームOB にごめんなさいメールを送って、ひとりでさっさと電車に乗る。体はどんどん冷えて指の先まで震えるようだったけれど、常磐線は川を渡る橋にかかるや、あまりの強い雨風で亀の歩みに。
茅屋に帰り、震える体をすぐさまお風呂に漬ける。ようやく人心地がついたところで外を見れば、雨はやんで青空が見えている。
勝田マラソン同様、帰りのスーパーで購入したロールケーキの切り落としで、ささやかに完走を祝った。
チームOB と同じく、10マイルの部にエントリーしていたつくばの君はどうなったのかしら。