アイコンママブロネタ「最近のなやみ」からの投稿


キッキがポロポロと
涙を流しはじめて、
怒りをみせるために
ミニシュークリームをギュっと
右手で握りつぶしたのは、
もちろんすぐ気がついた。


それを完全に無視したのも
もちろんわざとだし、

それに対して
何の反応を示さないのも
こちらの作戦だったわけだ。


何をしても
動じないよ、っていうね。


でもキッキがそれをして、
5分後、

母ちゃんが
真剣に彼に話をしている最中に、
バカダンは席を外し、
ペーパータオルを取りにいった。

それを、何も言わず、
彼がいかにも高尚で配慮のある
人間であるかのように、

キッキの右手の側に
そのペーパータオルを
そっと置いた。



そんな小さなことで…



世界はそういうのかもしれない。



でもね、
その「そんな小さなこと」行動が
彼の卑怯ぶりを表す気がして、
母ちゃんの怒りは一気に噴火する。


ホント、
自分でも自分が怖くなる程、
一瞬にしてダイニングテーブルの
空気が変わった。


こういうシーン、
今まで生きてきて、
何度も見たことがある。


小さな一言、
何気ない小さな行動一つが、
いつもあの人を爆発させた。

そんな父親がいつも嫌だった。

皆、ただ楽しくありたいだけなのに、
平和に一日を終えたいだけなのに、
小さな言動でプライドを傷つけられ、
あの人はいつも癇癪を起こした。


そして、
母ちゃんは今、
あの人と同じようなことをしている。


理由はいつも正当なのだ。


確かに、理由は正当なのだ。


母ちゃんは、
あのペーパータオルが
キッキの右手の側に置かれたことで、

彼が彼のことしか
考えていなことがすぐわかった。

それは、
もう予期していたことなので、
怒りはいとも簡単に爆発をした。


彼はただ証明したかっただけなのだ。
誰だって気がついたはずの、
キッキの右手で潰れたシュークリーム。

ペーパータオルを置くことで、
彼は母ちゃんが気がついていないように
見えたシュークリームを見ていた、と
証明できた。

こっちは二枚も三枚もうわてで、
キッキとのマインドゲームに勝とうと
しているというのに。

そんなことも理解できないくせに、
「俺はできる人間」と証明したくて
しかたないとう低知能ぶりに
うんざりしてしまう。


今はそんなことはどうでもいい。


キッキがどんな反応をしようとも、
どんなアクションで母ちゃんに
ショックを与えようとしても、
母ちゃんは動じない。

そんな10歳の作戦に、
まんまと乗ってしまう単細胞ぶり。

キッキはこれから思春期にむけて、
色んな手を使って、
親をびっくりさせようと
作戦を練ってくるはずなのだ。

それを、まんまと引っかかって、
もうどうしようもない怒りで
体中がいっぱいになる。



あの人、母ちゃんの父親なら
母ちゃんのこのフラストレーションを
絶対に理解してくれる。

そして、そんな彼を理解できず、
腹の底から憎んでいた自分を思って、
どうしようもなく怒りが
わき上がってくるわけだ。



母ちゃんの怒りは
一気に燃え上がり、
飲んでいた水をバカダンにぶっかけた。


潰れたシュークリームどころじゃない。
そんなたいしたことのない一芸で、
男子三名は動揺する。

母ちゃんの母親なんて、
サンマがうまく焼けていないとか
いちゃもんをつけられて、
父親に熱いお茶をぶっかけられた
というのに。


落ち着いて話をする、
どころじゃない。


母ちゃんは、
子供たちに対して努力をすることは
いっこうに構わない。

いつでも、何時でも。

彼らは母ちゃんの責任で、
母ちゃんが守るべき存在だから。

でも、バカダンは違う。
母ちゃんの子供でもなんでもない。
アイツは立派な大人なわけだ。

それがどうしていつも母ちゃんに
ばかり寄りかかって、
自分の足で立とうとしないのだろう。


この夜、
母ちゃんが努力して
キッキに話をしようとしてたことは
バカダンだってわかってたことなのに。


「なんでいっつも厄介な役回りは
 私なの??

 それでアナタは子供たちに
 嫌われたくないって、
 決断も、話もきちんとしない。

 私がキッキにノーって言いたくて、
 言ってるとでも思ってるの?」



怒りはどんどん
燃え上がっていく。


ちゃんとわかってた。
せっかくの努力もパァだってこと。

せっかくキッキときちんと話をしようと
準備してたのに。

彼の多動を理解して、
我慢してきた日々や努力、
一気にぶっ飛ぶことも。

ちゃんとわかってた。


でも、もう感情を押さえることが
できなかった。


どうしていつもこう
卑怯なのか。

最初から最後まで、
このアイパッドの件に関しては
母ちゃんが決めてきたではないか。

自分で決めて、自分で間違いを認めて、
自分で新しい選択をしようとしている。

はじめから何も言わない、関与しない、
そういう選択をしてきて、
ここに来て、何か言いた気な顔をして、
どこかで介入しようとチャンスを
伺っていたアイツに腹が立って
仕方がなかった。


卑怯だ。


責任を負いたくはない。
でも、完全なる傍観者では
役に立っていないような気がして切ない。


それだけなのだ。


その主語は誰なんだ?

どれもこれもバカダンなのである。



そのどの文にも
キッキは一度も現れない。



毎日、一分一秒、
どれも子供のこと、
家族のことを考えて
過ごしているというのに、

あの男は、
50目前にして、
未だ自分のことしか考えられない。

情けないではないか。



母ちゃんがいつまでも
父親の愛を乞うように、

キッキが常に
母ちゃんに認めてもらいたいと
努力をするように、

あの男は母ちゃんに
認めてもらいたいと、
そればかりを考えていきている。

そんなこと、
自分の親とやってもらいたい。

母ちゃんは、
バカダンの母親ではない。



思いっきりプッツンして、
母ちゃんはバカダンを怒鳴り散らした。



思いっきり平手打ちをしてやった。


何度も。



責任逃ればかりして、
自分ばかり傷つかないように守って、
そんな生き方してなにが面白い?

家族が一番、とかほざきながら、
家族を守りきれない人生、
どんな意味がある?

いつも傷つかないように、
親の影にかくれ、
兄の影にかくれ、
友人の影にかくれ、
今度は母ちゃんだ。

誰かプリファランスのある人間の
後ろに隠れていれば、
安心なのだ。


精一杯生きなくて、
言いたいこと言わず、
いい子で幸せなふりして、
母ちゃんの決断を自分の決断と
思い込んで、逃げて、逃げて、

人の人生を追って、
それを自分が生きてるような気になって、
何が楽しい?


そんなことして、
どうやって満足して死ぬんじゃ?


自分の痛みばかりを怖がって、
自分より大事なはずの人たちを守れなくて
何の意味がある?



私は間違っているのかもしれない。


人生穏やかに、
人生幸せで満足なふりをして、
意見せず、流れに身を任せて、
自分が何を信じているのかすら
わからないまま一生を終える、

それこそ生きるということなのかも
しれない。


でもやっぱり母ちゃんは
それでは納得がいかないと思う。

そんなの生きた心地が
しないではないか!




「出て行って!」



親の喧嘩、
いや、彼らの目には、
母ちゃんが一方的にバカダンを
叱りつけているようにしか
見えないのだろうけれど、

親の喧嘩を見て
泣き叫ぶ子供たちを横に、

これ以上、
子供たちを興奮させてはいけないと、
出て行って欲しいと何度も言った。

彼がいては母ちゃん自身
落ち着けないと思ったから。



正直、
自分の怒りをおさめられるとは
思わなかったし、
あの人がいなければ、
すぐに状況は元通りになるはずなのだ。

とりあえず出て行って欲しいと
何度懇願しても、

バカダンは、
今、この状況をどうにかしたい、
弁解させてくれ、と話をきかない。


どうしてわからないんだろう。


何度も話を聞いてくれ、
僕の思いはこうだった…と言う。

でもバカダンの考えることなど
説明してもらわなくても
わかってるわけだ。

彼自身より、
数倍クリアに理解している。

でも、この時点でも
彼は説明すればわかってもらえる、
っと思っているわけだ。


泣き叫ぶキッキ。

多動、思春期、その他の要因があり、
時々感情のコントロールがきかなくなる。


興奮状態に陥り、
何度バカダンが部屋に行きなさいと
言っても従わない。


自分ならこの状況をどうにかできる、っと、
わけのわからないことを叫ぶ。


5度目の「部屋に行きなさい」で
やっと部屋に行ったものの、
奇声をあげはじめるキッキ。


なんて悲惨状況なんだろう。


多動やらで不安要素を抱えるキッキ。
その彼にたいしての配慮は
かなりの努力をしてきている。

それが一瞬にしてパァ。



これから、
自分自身が体験してきたように、
きっとキッキも鬱に陥る。

感情のコントロールもできなくなる。



「僕のせいだ」を繰り返すキッキは
まるで自分を見ているようで、

何度も何度も
誰かに刺されているようだった。



自分もそんな風にして、
自分を責めて、
自分の価値のなさを恨んだ。

小六の頃には
死んでしまいたくて、
何度も何度も泣いた。



それだけは避けたくて、
自分なりの努力を続けてきたつもりなのに、

自分が見てきた環境や、
自分が体験してきた育児から離れて、
違うものを選んできたはずなのに。

その努力は並大抵のものでは
なかったのに、

こうやっていとも簡単に、
私は流されてしまう。


どんどんと風に吹かれ、
私は自分が憎んできたそれを
世界で一番愛しているはずの子に
体験させてしまうのである。


自分のことしか考えていない、
とバカダンを責めつつも、

怒りのコントロールを
未だうまくできない自分は
やはり彼と同罪なのである。



話を聞いてくれと
懇願するバカダンに、

私はこんなことしている時間はない。
二階でキッキを止めなくてはいけない。
お願いだから出て行ってくれ。

っと
叫ぶ。


彼がドアを出るのを確認して、
二階にあがる。


猿みたいに叫ぶキッキ。


忙しい生活を送る疲れに
色んなものが重なって、
感情のコントロールができないでいる。

親が喧嘩をするのは
自分のせいに違いないと
興奮状態に陥っているわけだ。

これこそ
避けたかったシーンではないか。


でも恐れていたそれは、
やはり私の前に現れてしまう。


バカらしくなった。


毎日の努力、
忍耐、言葉遣い、褒美システムに…
トレーニングの数々。

バカらしい。
結局血筋にはかなわないのか。


落ち着けなくなったキッキを
床に押さえつけて、
彼の頬を何度か叩いた。


Snap out of it!
落ちつきなさいって言った。


泣きながら。


自分のことを憎みながら。




いつも悩まされてばかり。
大嫌いな自分を彼に見るようで、
愛せないんじゃないかって
いつも思う。

そんな風に母ちゃんの父親も
私を見ていたんだろうか。


あんなに批判してきた
父親と母親。


でも育児は
そんなに簡単じゃない。


育児に夫婦というものが絡み、
また社会が絡む。

なんかしらの問題を抱える
子供を持てば
また周囲の目、自分の問題、
いろんなものが背後から
追い被さってくる。


ドラマじゃないけど、
正直、一瞬、

キッキと一緒に
死んでしまえたら、
楽になれるのに、

って
思った。



ホント、
そう思う自分が残念で、

もしかしたら、
手に負えなかった
思春期の母ちゃんを見て、

父親とうまくいっていなかった
かなる母は

そんな風に思ったのかな、っと
また考えだしたら、

惨めで悲しくてさ、

どうしたらこういう
ネガティブループから
ぬけだせるんだろうか、って

キッキを押さえつけながら、
何度も思いましたで。


でもここを抜け出すには、
母ちゃんがこの流れを
止めるしか方法はないのだ。




ただただ、



STOP IT.
JUST STOP.

CALM DOWN.

やめなさい。
もうやめなさい。

落ち着きなさい。




そんな使えない言葉しか
思い浮かばない自分が
可笑しくて、

一体なんのために
努力してきのか、

どっちの経路を選んでも、
結局、これを避けることは
できなんだ、って思ったら、


バカらしくてさ、



I DON'T EVEN UNDERSTAND
WHY YOU'RE FREAKING OUT...

あなたがなんで興奮してるのか、
もうそれすらわからないわ。




って言い放って、
キッキの部屋を去った。


バカダンが家を出て、
泣く大福さんを慰めに
一階に向かう。

もちろん大福さんは
簡単に鎮めることができる。


キッキも降りてきて、
謝りにくる。

彼の口から出る台詞はどれも
子供の頃母ちゃんが吐いたものに
面白いほど酷似していた。



滑稽だよね。


ほんと滑稽。



僕がいないほうが
皆幸せになれる、だの、

全て僕のせいだ、だの。


それが私の希望とは
かけはなれているだろうことは
重々承知しているくせに、

私はすぐに否定することが
できない。

どこか多少なりの私の本音が
隠れていたりするからなのだと思う。



楽になりたい、

正直そう思います。




でもやっぱり、
母ちゃんはキッキが好きで
好きでしかたがない。


それもやはり本音であるのです。



愛と憎しみ、紙一重。
そんな風にしか愛せない。

どれも、
母ちゃん自身が
自分を愛せるか、
そこにヒントが隠されているのだと
思います。


母ちゃんが父親に
似すぎていたように、

キッキも母ちゃんに
似すぎている。


母ちゃんが
自分を受け入れられなければ、
きっとキッキをも受け入れられない。


自尊心の大切さを
思い知らされます。




昨日のキッキ


泣きはらした目。


目が赤いのは、
テコンドーのス
パーリングのせいですが、

自分せいとしか思えず、
今朝は非常に苦しい思いをしました。


キッキはあの頃の私なんかより、
数倍心が澄んでいる。


今朝、普通の生活を
送ろうとする
私の気持ちにすぐ気がつき、
彼も努力をしてくれていた。


彼がその努力を
バカらしいと思う日は
いつか必ずやってくる。


その日までに、
母ちゃんはもっともっと
頑張らなくちゃいけないと思う。


もうキッキが母ちゃんと
同じ道を辿るのは
仕方のないことなのかもしれない。

楽ではない道のりだったけど、
決して酷いものではなかったと思う。

楽な道があるのなら、
そちらを通って欲しいと願うのは
自然であるはずなんだけれども、

その選択がないのなら、
しかたない。


そんなキッキに
付き合っていくしかない。


ごめんよ、キッキ。
もっと素敵に育ててあげられたら
よかったのにね。


いつもアナタを愛しているような、
そんな態度はみせては
いられないかもしれない。

時に私はアナタを突き放して
しまうかもしれない。


でもどうにか信じて欲しい。


母ちゃんは
キッキが大好きです。


それをもっともっと
アナタに伝えていかなくてはいけません。


傷つけてごめん。

傷つけながらしか愛せない。

馬鹿みたいな話だけど、
そんな風にしか愛せない。


ごめんね。


「かなる食堂」



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