吹田・関大前 「静心庵」・僧侶の淨華です
法事に招かれた時や、急なお葬儀やお通夜の時に、
またお墓の話や諸々の仏事のことを、近くに気軽に聞ける人がいない。
そんな時のお助けになればと思って書いています。
仏事の決まり事などは、各宗派によって様々に違うものです。
ご自身の宗派に従って下さい。
あくまで、こちらに書かせて頂いているのは、浄土真宗の仏事・行事・作法の事
となりますので必要なところだけ、読んで下さいね
さて今回は「お墓と迷信」についてお話します。
お墓については、さまざまな迷信があります。
■墓相(墓石の形や向き、石質など)によって、幸・不幸を招く
■年忌以外に墓を建てたり修復しないほうがよい
■北向きの墓は不幸をもたらす
などなど・・・
墓相で吉凶を見る墓相学と言われるものがあります。
野々村智剣氏の「門徒もの知り帖」に、次のような実例を紹介しています。
「ある人が、商売につまづいて悩んでいるところへ、墓相家のA氏を紹介された。
A氏はさっそく吉相と称する墓を設計し、その人は大金を投じて墓を建て替えた。
それで商売がうまくいくはずだったのに、ますます落ち込んでいく。
そうした時、墓相家B氏と知り合う。
B氏が鑑定すると、それは吉相どころか大凶相だと言う。
再び大金を投じて墓を建て替えるが、一向によくならない。
思いあまって墓相家C氏に相談すると、AもBも大凶相だから
C型にするように言われ迷っている」
そんなお話です。
お墓の相によって子孫に祟りがあるとか、お墓の向きが悪いから不幸が起こる
と言われて動揺しない人は少ないと思います。
真実が私の上に明らかにならない限り、迷信は不安や恐れの谷底に
私たちを突き落とすのです。
本来、お墓の形や向きなどによって、幸せになったり不幸になったりすることは
ありえません。
むしろ、正面に「南無阿弥陀仏」と記す浄土真宗のお墓は、迷信によって
不安がったり恐れたりすることのない生き方を示しているのです。
ですから、私たちは迷信を破ってくる南無阿弥陀仏の心をよくよく聞き取り
自分の中に起こってくる不安や恐れの原因を見つめていくべきなのです。
そのことこそ、さまざまな迷信から解放される歩みになるのであり、
亡き人に報いることにもなるのです。
【仏事の豆知識】過去の記事も参考に
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/105.gif)
■法事の時の包みもの(お金を入れる封筒)について
■法事の時の持ち物と服装について
■念珠(数珠)について
■お焼香について
■お墓の正面に刻む言葉は
■鈴(りん)について
■とり急ぎの弔問について