雲の階段 第6話 「棄てた女が復讐!?正体バラす謎の怪文書」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

雲の階段



第6話
棄てた女が復讐!?
正体バラす謎の怪文書



肩書が変わるだけで、人はこうまで
態度を変えるのか。

勘違いしてはいけない。それは、彼らの、
保身からくるもので、決して、こんな俺を、
助けてくれようとしたわけじゃない。
もう、あの島に、俺が帰る場所など・・・。

**********

明子) 返事は別に、しなくていいから。
    あたしは、死んだの。
    あなたに殺された。
三郎) どういう、意味?
明子) いずれ、あなたの正体はバレる。
三郎) そうだね。
明子) もうやめたほうがいい。
三郎) それはどうかな。
明子) 逃げるのなら、一緒に、逃げてあげる。
    取り返しがつかないことになる前に。
    どこか、遠いところに。

**********

亜希子) ねえ? 今のあなたは、本当にあなた
     が望んでた、あなた?
三郎) え?
亜希子) 時々不安になるの。あたしが、あなた
     の人生を、狂わせたんじゃないかって。
三郎) いきなり何言うの。
亜希子) あたし、あなたとなら、幸せになれる?
三郎) 今は、幸せではない?
亜希子) だって・・・。
三郎) どうしたの?

**********

この時間に。急患でもないのに。
緊急の呼び出し。しかも、院長から。
確かめたいこととは、なんだ?
考えられるのは、俺の、無資格が、発覚?
いや待て。さっきの事務局長の電話、
それほどまで、深刻な声ではなかった。
既に、俺の嘘がバレているのだとしたら、
もっと、大事になっているはずだ。
そう、だったらここに、警察関係者が、
何人か待ち構えていたっていい。

扉の向こうにある風景は、扉を開けないかぎり、
確かめることはできない。俺は、強運の持ち主
のはずだ。今、俺の人生は、ここにしか、ない。

(条件に該当する医師等は検索できません。)

終わった。すべて、終わりだ。

**********

雄一郎) つまり、この田坂総合病院は、知ら
     なかったとはいえ、片岡幹事長という
     VIPのオ
ペを、こともあろうに、無資格
     医にさせてしまった
という事だ! こん
     なことが、世の中に知られたら、
どう
     なるか! 君が破滅するだけでは済ま
     ないぞ! 
私の言ってる言葉が理解で
     きるか?
三郎) では、僕は、どうしたら?
雄一郎) 君と娘が結婚したことは、好都合だ
     った。そんな男を、無資格医ではない
     かなどと誰が疑う。
三郎) だから、僕に、どうしろと?
雄一郎) この件は、表沙汰にはしない。
     なおかつ、君にはこれからも、副院長
     を続けてもらう。
三郎) それは、どういう意味ですか?
    あなたは・・・私は・・・
雄一郎) そういうことだ。
三郎) もう、これ以上は。警察に、自首を・・・
雄一郎) 君は私の娘をこれ以上不幸にする
     気か? 前にも言っただろう。
     君はもう、階段をのぼり始めている。
     そ
こから降りることは、許されない。
     君のことは、守るよ。



**********

三郎をめぐる、明子と亜希子の攻防戦が怖い怖い。
いや~あの場にいる男の気持ちってどんな感じ?
明子は復讐というより、いずれ破滅するだろう三郎
の道連れになりたいのでしょう。陽の当たらない場
所に戻って来ることを望んで待っているような・・・。
そして、明子が残していったボトルシップを狂った
ように鬼の形相で破壊し続ける亜希子。女の情念
は怖い怖い。こんな恐ろしい情念に挟まれて平気
なのは男の鈍さ、楽天的な思考のせいなのか・・・。

そして、やっぱりというか、そうじゃないとおかしい
よね~と思っていた通り、院長は三郎の無資格を
知っていた模様。まあ、あれほどの家柄なら調べ
ないわけがないし。逆に、だからこそ院長が口裏
を合わせさえすれば、隠せる可能性も高いという。

三郎はもう階段をのぼってしまった。もう降りる事
は許されない。たとえそれが、実態のない雲の階
段だったとしても。「君のことは、守るよ」だなんて、
口説き文句のようなセリフを、オッサンに言われて
もねえ・・・w  キツネとタヌキの騙し合いの世界で、
どう生き抜いていくつもりなのか、流され三郎くん。

やっぱり意外と面白い。なぜかわからないけどw



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