雲の階段 第7話 「最後は医者らしく・・・無謀なオペで大失態」 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

雲の階段

雲の階段(6)

第7話
最後は医者らしく・・・
無謀なオペで大失態


いつの頃からか、
俺はいつも、俺の外側にいて、
そこから俺を、眺めていた。
俺は、俺の、傍観者に、なっていた。



**********

無資格医の俺は、
俺以外の医者が恐れるものを、
恐れる必要はない。
その日一日、
医者でいられるかどうかの俺にとって、
未来への不安など、
何の意味もなさない。

**********

看護師) 生意気な言い方かもしれませんが、
     こういう瞬間なんじゃないですか?
     医者になってよかった、って思える。
     お疲れ様でした。

これくらいの試験開腹は、
駆け出しの医者でもできる。なのに、
自分の立場と医者
としての未来を考え、
二の足を踏む。

三郎) くだらねえ。

**********

明子) 一つだけ言っとく。これからあなたの身
    に起こることは
すべて、自業自得。

**********

亜希子) 誰かが言ってた。博愛主義は、優柔
     不断の言い訳なんだって。
三郎) そう見えるなら、構わないけど。

**********

今日一日、
医者でいられるかどうか。
明日も、医者でいられるのか。
やれる。俺にはやれる。



俺は、俺の傍観者だった。
こんな俺を、いつか、見ることになる。
傍観者である俺には、
わかっていたはずだ。

俺には、わかっていたはずだったのに。

**********

なるほど、運命に流されるように生きてきた三郎
は、流されていく自分を他人事のように眺めてい
る、傍観者だった。止めることもできず、抗うこと
もできず、ただ、「そうなっていく」自分を観ている。
きっと、自分のことなのに、いつもどこか他人事
のような三郎だから・・・不思議に面白いのかも。
でも、なんかちょっとわかるというか、誰でも、心
の片隅で、「取り返しのつかないこと」をやってし
まいそうで、やってはいけない、でも・・・と脳内で
スリルを味わっていることがあるんじゃないかと。
もちろん、「取り返しのつかないこと」はしないよう
に、自分を制御するわけだけれど。でも、熱いと
わかっている熱湯に手を入れて火傷したり、キレ
味のいいナイフの先に触れて怪我したり、「つい」
してしまう、予想がついているのにやってしまう悪
いことってないですか?(私だけでしょうか?w)

それにしても、三郎は調子に乗りすぎ! そこが
ドラマになるわけだけど、マンガみたいな話なん
だけど、三郎が真面目に「やれる!」って思って
いて、シリアスに描かれているから、何ともいえ
ず、バカなんだけど面白い。「あまちゃん」での
バカは若さゆえで可愛いんだけど、「雲の階段」
における、三郎、明子、亜希子の「バカ」は笑え
ない。というより、笑えるけど質が全く違ってて。
物語としては、バカなのって面白いのかもねw



ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


新装版 雲の階段(上) (講談社文庫)/講談社
¥730
Amazon.co.jp