消費税増税をするべき理由の一つに、消費税率引き上げをしなければ日本政府の信用力が低下して国債金利が高騰するということを、財務省などが主張しています。

 

国債金利が上がれば国債の利払い費が増大しますので、政府の財政を悪化させることにもつながります。したがって、国債金利が上昇するのは、国にとっては良いことではありません。

 

1118日に、安倍総理が平成2710月からの消費税率10%への引上げ中止を発表しました。では、実際に日本国債の金利はどうなったでしょうか?

 

来年10月の消費税率10%への引上げをしないことが発表された後、ニュースなどでも日本国債の金利が高騰したというのは聞いたことがありません。下のグラフは、1118日前後の10年国債金利の推移を現したものです。

10年国債H26年11月

資料出所:財務省「国債金利情報」

 

消費税率10%への引上げをしないことを発表した1118日以降、金利は高騰しないどころか、逆に徐々に下がっています。

 

10%への引上げ中止ではなく延期だから、国債金利が高騰しなかったと財務省は言い訳をするかもしれません。しかし、財務省の主張通りであれば、少なくとも先延ばししたのですから日本政府の信用が低下しているはずで、金利が高騰とまでは行かなくても上がるはずです。

 


それでは逆のパターンである、消費税率引上げが決定されたときの国債金利がどうなったのかを見てみましょう。平成25111日に、消費税率を平成264月から8%に引上げることが発表されました。

 

財務省の言うように、消費税増税をしなければ日本政府の信用が低下して国債金利が上昇するのであれば、逆に消費税増税をすると決まれば国債金利が低下するはずです。

 

消費税率8%への引上げを発表した平成25111日前後の、日本国債の金利の推移を示したものが、下のグラフです。

10年国債H25年11月

資料出所:財務省「国債金利情報」

 

金利が下がった日もありますが、11月中旬以降には若干上昇傾向になっています。0.1%の範囲内と小さな動きしかなく、金利が下がったとはとても言えません 

 

消費税率引上げを決めても国債金利は下がらず、消費税率引上げをやめても国債金利は上がらなかったということです。

 

つまり、消費税増税をしないと日本政府の信用力が低下して国債金利が高騰するというのは、全くの嘘だったということです。


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