「裸の太陽」
群青色と淡い紫、発光する東の稜線、
その白い楕円の半球、広がり、朝を持ち上げる、
昨日の夜か今日の深夜か、ソファの上には置き去られたレースの上下、
むせ返る、獣に還った刻の残り香、
オニオンスープに刻んだバジル、三杯目の濃い珈琲、
落雷、嗚咽、霧を吐く息、
独りが独りと溶け合って、目を覚ませばまた独り、
吸殻、ポテトが捻れた灰皿、思い想いに演じた粗暴、
野火のなかで溺れた嬌声、いつの日からか憶えた産声、
乱れ尽くした毛布に包まる、
忘れたがり屋は未だ夢を見てるよう、
貪る悦楽、夜はどうにも麻薬に似てる、
窓の外のオレンジは、裸の私をさらに晒して、
重ねて散った温もりさえも冷めさせようと、
鎮火された私たち、唇にはドライフルーツ、
月を象る金のリングが薬の指に、
スープの具は溶けずに沈む、つまんだキウイは潮の味、
野卑には慣れず、成ることもなく、
あまりに独りの私たち、耳に微かな残響を、
忘れようと白い朝を持ち上げる、
この世界の片隅で、思い想いに思い違った、
束の間すぎる青い発熱、
STAR ENTRYS
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