![photo:01](https://stat.ameba.jp/user_images/20140717/16/nightonfool/81/03/j/o0480064013005811748.jpg?caw=800)
「砂時計の街のデューイ」
その街、どこを見上げても時計があった、
どれもが狂ったまんま動いてる、
誰もそれを気にしないのか、或いは慣れてしまっているか、
それぞれがそれぞれに、好きな時間を刻んでる、
バスは日に2度、街を出てゆく者だけを乗せ、
そしてひたすら南へ向かう、
向かうは太陽、充つる場所、
其処に何があると云うんだろう、
乾ききったエンジンは、泳ぎ疲れた魚みたいだ、
デューイを名乗る男は盗賊、
何もかもを盗んだあとには欲しいものなど何処にもないと、
宝のありかばかりを記した地図を焼く、
盗んたものは片っ端から売り飛ばす、
奪えないなど世界にはない、
〝誰も彼も大事なものなど持っちゃいない〟
欲しいものなどひとつもない、手にした途端に売り捌く、
嘘も真も価値など知らぬ、手にするコインの金と銀、
ある日、デューイは酔いの醒めない朝に気づいた、
傷つけただけ傷ついていた、何もかもを手にしたはずで、
〝どうしてこんなに乾いてるんだ〟
メモをめくって、話し相手を探す、
そうか、もうこの街には誰もいない、
痛みが走る体で窓の外を眺め見る、
痩せさらばえた、その胸に手をあてて、
渇きの果てには涙も出ない、
渇きの果てに砂になって散る魂、
水を忘れていた天は、砂となった紛いの悪に泥を飲ませる雨を、
果てる最期に渇きからも放たれて、
濡れて剥がれた金と銀が落ちていた、
自分で描いたのに苦手な絵やなぁ……。
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