★局所進行乳癌(ステージ3)の術前抗がん剤治療について思うこと 【いいね、ありがとう!】 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

ブログのジャンルをシングルマザーに
すべきか、闘病にすべきか迷っていました。
  (ブログを始めた6月には、闘病ジャンルは
   見当たらなかったので。見落としてたら、
   すみません。)
当面、乳癌を軸に書いているので、
今更になりますが、ジャンルを「闘病」に
変更しました。

この記事は、乳癌治療(抗がん剤治療)
を通じて感じた、私にとって大切な想い
を書いた記事なので、ジャンル変更記念?に、
再投稿させていただきたいと思います。

【7/29(土)追記】
     この記事を読んで、
    『いいね』下さった方、ありがとう
    『標準治療』の弾力的運用と
    『個人の生命』について
     (標準治療が効かない人、標準治療で
      副作用の害だけを受ける人の存在を含め)
      再度、乳癌学会に問合せ、要望を提出し、
      私の『初期治療』にケリをつけたい、
      (ずっと引きずってきた、理不尽と感じる
       想い、悔しい気持ちにケリをつけたい)
      と思います。

ーーー  以下、7/28(金)投稿記事 ーーー

2014年5月の乳癌告知からの治療経過や、
主治医とのやり取り、セカンドオピニオン
  (がん研有明、聖路加、がんセンター)
の先生方とのやり取り、日本乳癌学会の
乳癌診療ガイドライン委員会とのやり取り、
活性化自己リンパ球(免疫療法)のこと、
などを、今までの記事で書いてきました。

初めてご訪問いただいた方は、そちらも
合わせてご覧いただければ幸いです。
(背景事情をご理解いただけると思います)

局所進行乳癌(ステージ3、特にb~c)
※手術で取りきれない、手術不能な場所に
  癌が拡がっている
術前化学療法(抗がん剤/分子標的薬治療)
について、思うことを書きたいと思います。

現在の乳癌診療ガイドライン(標準治療)では
術前後の化学療法は、微小転移の根絶を
目的とした再発転移予防として、
早期も局所進行も一括りで、
治療法が標準化されています。

そして、治療法の根拠は、
種類もステージも混在した臨床試験結果
のメタアナリシスも含む
  (要は、十羽一からげ)
患者集団のエビデンスです。

術後補助療法(早期乳癌)では、
目に見えない微小転移の根絶だけを
目指すため、
臨床試験結果のエビデンスだけが
根拠になるのも、
致し方ないことと思います。
  ※母集団を均質化して、種類やステージ別
     の統計を参照すべきと思いますが。

しかし、
局所進行乳癌(ステージ3)
術前化学療法は違います。

画像上、明らかな腫瘍があり、
抗がん剤の効き具合いを
確認できる
ステージ4の再発転移乳癌と、ほぼ同じ
状況にあります。

自分の状況と全く違う患者
の入り混じった臨床試験結果
よりも、明らかに確かな
状況確認手段
 (縮小させるべき、
  画像上見えている腫瘍)
がある。

1年内の再発が最も可能性が高い、
次いで3年内の可能性が高い、
  (主治医見解)
腫瘍マーカーも振り切り状態の、
※初期治療~再発転移前~には上がらないと
  言われているから早期発見のスクリーニング
  には使われない
ステージ3CのHER2タイプ乳癌で

ドセの効きが悪く腫瘍が縮小しなかった、

後になって、医師
 (主治医ではない、
  放射線治療中に、放射線科医)
から、
  「抗がん剤は2回目までがよく効く、
   医師は2回で効かないかない場合は
   抗がん剤を止める」
言われるくらいなら

なぜ、

 (正常細胞も無差別に攻撃する殺細胞性
  抗がん剤だから、当然、正常細胞への
  悪影響、副作用がある)
身体に入れ続ける前に、
ドセを2回で止めて、

ステージ4の再発転移乳癌では
認可されている、他の薬剤、
例えば、カドサイラに変更して、

pCRを試みていただけなかったのか、

ステージ4で認可されている、
米国では術前化学療法として認可されている
パージェタの追加をしていただけ
なかったのか、

早期乳癌の再発転移予防とは、
明らかに状況が違い、
微小転移の存在が限りなく黒に近いグレー
転移も時間の問題と
強く推測される局所進行乳癌
の術前化学療法は、

ステージ4(再発転移乳癌)
で認可されている薬剤を
使用して
pCRを目指していただく
よう、標準治療を
再考いただきたい、

個々の患者の状況に合わせて
『標準治療』を
弾力的に運用して、
患者集団に『最善の』でなく
個々の患者に『最善の』
治療をていただきたい、

そう切に願います。

この後の記事で書きますが、
   ※追記:
      「ASCO 2017  HER2術後補助療法に
      パージェタ追加される流れ」で書きました

術前後の再発転移予防に、
パージェタが追加されます。

ステージ4の再発転移乳癌では、
  既に保険診療で使用されている薬剤です。

30年間健康保険料を
真面目に払い続けて
ここぞ、という勝負時に、
切望する薬剤が使えなかった。

再発転移してからでなく
根治を目指して
(初期治療で) 使いたかった

あと3年、乳癌の進行が
遅かったら使えた、

とてもとても残念、無念です。

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この記事だけお読みになる方が
誤解をするといけないので
念のため補記します。

私など一罹患者が意見を述べる必要もなく、
この記事を書いた後の乳癌診療ガイドライン
の改訂で、
局所進行乳癌(ステージ3)、炎症性乳癌は
「特殊病態」として区分けされていました。

再発転移後(ステージ4)に使える薬剤が
術前化学療法で全て使えるようになった
わけではありませんが、
患者集団の臨床試験で、有効性が高く、
認容性も高いという結果の出た薬剤は
使えるようになってきています。

昨年、予後の悪いHER2陽性、トリネガが
pCRしたら予後がよいとのメタ解析結果も
サンアントニオで発表され、

pCRしなかった患者(予後が悪い)への
術後補助療法の追加までは、
漕ぎ着いたようですので、

特に予後の悪いと推測される患者群の
術前化学療法のあり様は、
さらなる個別化
(ホルモン受容体やHER2タンパク以外の
 ターゲット因子の発見・治療開発)
進化とともに、
進化していくのではなかろうか、
と期待します。

ーーー

術前化学療法のパージェタは
   欧米から約5年の
  ドラッグラグを経て、
   術後補助化学療法
     (こちらはドラッグラグは約1年、
       劇的に短縮した)
   とともに
   昨年、2018年10月10日に認可されました。



▼ トリネガへの
  免疫チェックポイント阻害薬
  アテゾリズマブ (テセントリク)
  の適応拡大では、
  手術不能な局所進行
  (ステージ3B、3C)も含んで
 認可されました。


  私の5年前の
  残念だった思いは昇華
  しました。

  (私がパージェタやテセントリクを
   今から再発転移リスク軽減のために
   使えるわけじゃないですが、
   ~私が次に乳癌治療するのは、
       転移後の治療になるわけで、
       この問題は私自身の問題ではないので。
   それであっても、
   同病、同ステージの後輩患者さんたちの
   ために、そして医療の進歩そのものが、
   タチの悪いHER2タイプ乳癌の一罹患者
   として、喜ばし嬉しく感じています。)

ーーー

▼pCRしたら予後がよいかどうかは
   やはりサブタイプによって異なり
   HER2陽性やトリネガでは
  pCRすれば予後がよい、
   とのメタ解析結果が、
   2018年12月のサンアントニオで発表されて
   います。

    (私はサブタイプ別に臨床試験結果や
     論文を見ていたから、
     やっぱり、そっちの方が当たっていた)


▼そして、2014年当時、
  日本は臨床試験に参加しておらず、
  私が悔しい思いをした、
  KATHERINE(術前化学療法でpCRしなかった
  患者の術後療法にカドサイラを追加する)
  の臨床試験中間解析結果が出て、
  2018年12月のサンアントニオで発表され


▼2019年3月のザンクトガレンで
 HER2、トリネガは
 術前化学療法がより推奨され
 pCRしなかった場合、
 HER2陽性の場合は
    カドサイラ、
トリネガの場合は
    ゼローダ
 の追加が
    (患者集団では)予後を改善する
    臨床試験結果に基づき、
 推奨される流れになっています。


▼日本でも、8/30に中外さんが
    薬事承認の申請をして下さっています。


ーーー

因みに

▼私が初期治療(術前化学療法)をした
   2014年当時でも、
   転移性乳癌(ステージ4)には
   パージェタは認可されていました。

▼ステージ4でも寛解(根治かもしれない)例
   が出始めていることは、
   その後発信した記事で、
   折に触れて挟んできました。

▼2019/9月のESMOでは、国内での
   同様試験COMACHでも有効性が再確認
   されたことが発表されました。


ーーー

CLEOPATRA、COMACH、APHINITY、
そして、MARIANNE、ALTTOなどの
臨床試験結果から

▼HER2陽性では、

ステージ3(まで)
・術前化学療法
    アンスラサイクリンおよび
    ドセタキセル+ハーセプチン+パージェタ
    ⇒術後補助療法
        ハーセプチン+パージェタ

ステージ4
・1stライン
    ドセタキセル(6回まで)
     +ハーセプチン+パージェタ

現在のゴールドスタンダード
となっており、

ステージ4
・2ndライン カドサイラ

がスタンダードとなっています。

さらに、上述の流れで、
ステージ3(まで)の
術前化学療法でpCRしなかった患者は
術後補助療法にカドサイラを追加する
方向に大きく動いており、

私の5年前の残念だった思いは
昇華しつつあります。

 (私が今から再発転移リスク軽減のために
  使えるわけじゃないですが、
   ~私が次に乳癌治療するのは、
       転移後の治療になるわけで、
       この問題は私自身の問題ではないので。
   それであっても、
   同病、同ステージの後輩患者さんたちの
   ために、そして医療の進歩そのものが、
   タチの悪いHER2タイプ乳癌の一罹患者
   として、喜ばし嬉しく感じています。)

ーーー

そして、現在進行中で

▼HER陽性3rdラインの治療選択と効果の
   臨床研究が進められています。


▼私は術前化学療法のハーセプチン+ドセで
   腫瘍はほとんど縮小せず、pCRしなかった
   けれど、
   HER2発現は強陽性3+→陽性2+(FISH陽性)
   になっていました。
   ハーセプチンは役目を果たしてくれた
   可能性が高いのだと思います。
   でもHER2発現していない癌が残った、、
   だから、HER2低発現でも効果が出ている
   1相、2相の臨床試験結果が出ていた
   DS-8201(カドサイラと同様、ハーセプチン
   のバイオシミラーに殺細胞性抗がん剤を
   くっつけた抗体薬物複合体ADC)が
   私の遺残癌 (手術で取り除きましたが、
   全身に流れていた微小転移が撲滅できて
   いない可能性は高く、ホルモン受容体ゼロ
   の私のHER2発現していない癌細胞は
   トリネガだったので…)のような癌細胞を
   抱えた、より多くのHER2発現患者に
   効く可能性を秘めている、
   と期待しています。
   HER2陽性(今までの基準と同一)患者には、
   先日、薬事申請がされています。


   HER低発現患者の第3相臨床試験も
   今年(2019年)1月から始まっています。



全員(ないし、ほとんどの)乳癌患者を
治せる治療は、
残念ながら、まだありません。
だから、医学界、医薬界が研究を進めて
下さっていて、
臨床試験の結果が出ると、
それを反映して
標準ガイドラインも進化するし、
新薬は保険診療として認可されていきます。

※私は中外製薬の回し者ではありませんが
   HER2タイプ
   (トリネガ再発転移の可能性あり)
   乳癌罹患者としてハーセプチンの
   恩恵にあずかり、
   再発転移したらお世話になるであろう
   パージェタ、アテゾリズマブを
   次々開発し、治療を受けられるよう
   認可申請、認可にこぎつけて下さった
   ロシュ/中外製薬さんに感謝し、
   今後の研究開発にも期待しています。

   DS-8201の第一三共さんにも
   期待しています。
   
(2019/11/4 紫字追記)