ピンクリボン月間10 転移性HER2陽性乳癌の2ndライン(カドサイラ)後の治療効果臨床研究中 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

私は、4~5年前になりますが、

乳癌の中でも少数派の、タチの悪い
HER2タイプ
  (ホルモン陰性~私は非反応~、HER2陽性)
初診で局所進行のステージ3C
の乳癌を、

標準治療の集学的治療
  (術前抗がん剤 アンスラ→タキサン+ハーセプチン
   →手術  全摘+レベル2までの腋窩リンパ節郭清
   →放射線照射 胸骨傍を含む胸壁+鎖骨上
   →術後ハーセプチン術前と合わせて1年)
で治療し、

私の乳癌に対してできる、
当時の最大限、最良と考えられていた治療
 (その後も医学、医療、治療は進歩しています)
恩恵にあずかったと感謝している
一乳癌罹患者として、
ピンクリボン月間にちなんで、
ブログを書いています。

※加えて言えば、術前のハーセプチンも含む抗がん剤
 治療でpCRしなかったのに、術後のハーセプチンには
 足せる抗がん剤もなかった。その時点では
 それ以上の標準治療、保険診療はなかった。
 ハーセプチンのADCC活性 (自分の免疫、リンパ球の
 うちの、無差別に癌をやっつけるNK細胞を活性化
 する作用があると推測されている)に期待しつつも、
 自力のリンパ球は三大治療の負の側面で弱っている
 状態でもあり心もとなかった。だから、自由診療の
 活性化自己リンパ球療法も、効果は藁と分かった上で
 併用した経験者でもあります… 。 肝心のNK細胞
 どれだけ活性化して増えていたかは微妙ですが^^;   
 ~増えたのはT細胞がほとんど。NK細胞を増やして
   活性化させるのは難しいと言われています。~  
 出来るだけのことはしないと気が済まない
 私の性分で、納得性、精神安定には寄与した、
 寄与している(治療してなければ、しておけばよかった
 かな、と後悔する性分なので)…  


前置きが長くなりましたが、以下が本題。

ーーー

先のいくつかの記事で、乳癌治療の歴史

ハルステッド理論→フィッシャー理論

       ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)

   手術でどんなに広く乳房領域を
   切り取っても、再発転移率をそれほど
   減らせなかったことから、

   乳管(に出来るのが90%、他に小葉など)
   から浸潤して、比較的早い、小さなうち
   から、リンパ管や静脈に流れ(微小転移)
   それが遠隔臓器で成長して遠隔転移
   となる乳癌があることが分かってきて

   手術は縮小し、微小転移撲滅目的の
   放射線や全身療法である薬物療法を
   組み合わせた集学的治療が行われる
   現在の治療に変わってきたこと


ホルモン受容体とHER2タンパクの
    発現有無で分類した
    サブタイプ別の治療へ

       ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)

    転移しやすいタチの悪い乳癌かどうかは
    癌の顔つき(グレードで表す)で予測でき
    顔つきの悪い乳癌は
    ホルモン陰性、HER2陽性の
    可能性が高い。

    以前は、
    癌がどれだけ成長しているか(T)、
    リンパ節にどれだけ転移しているか(N)
    遠隔臓器に転移しているか(M)
    といった、癌の進行度合い
    すなわち、ステージだけで
    必要な治療、特に抗がん剤治療の要否
    を判断していたようですが、

    タチの悪さ、すなわち、転移するリスク
    (転移する可能性)の高さを判断する指標
     として、
     また、治療が効く可能性を判断する
     指標として、

    ホルモン受容体HER2タンパク
    発現有無という、
    乳癌の生物学的特性を診て、

    組み合わせで大きく4つのグループに
    分けられますよね、
    (それをサブタイプと呼んで)、

    そのサブタイプとステージによって

    どこまで治療をしなければならないかや
    微小転移撲滅のために、どの薬物療法を
    するか、を判断する
    現在の治療に変わったこと

を書いてきました。


HER2陽性の治療の進歩

タチの悪いHER2陽性乳癌の
予後を大きく改善してくれた、ハーセプチン
(一般名はトラスツズマブ)

の後にも、
抗HER2薬が次々に開発されてきており

先の記事

        ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)

でご紹介した、
メリーさんの癌が画像上から消えた

ハーセプチン+パージェタ(+タキサン)

が、今のところ、

術前後の再発転移予防(微小転移撲滅)
でも、
転移性(ステージ4)の1stラインでも
ゴールドスタンダード

となっています。

       ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)


ーーー

続いて、
ハーセプチンに殺細胞性抗がん剤を
くっつけた抗体薬物複合体(ADC)
カドサイラが開発され、

転移性(ステージ4)の2ndライン
として使われています。

※臨床試験で
   カドサイラ+パージェタは、残念ながら、
   ハーセプチン+パージェタ+タキサンに
   優位性を示せなかったので
   カドサイラ+パージェタが1stラインには
   なりませんでした。

私は初期治療の術前化学療法
(含:ハーセプチン)でpCRしなかったのに、
術後補助療法のハーセプチンに
抗がん剤を足せないし、
既にステージ4では使えたカドサイラに
変えられなくて悔しい思いをしたのですが、

昨年、臨床試験KATHERINEの中間解析結果
が出て、

ザンクトガレン2019でも、
pCRしなかった場合の
術後カドサイラの追加が推奨され

日本でも、最近、術後にカドサイラが
使えるよう、中外さんから
認可申請されています。

       ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)

以前から書いているように、
これから治療される後輩患者さんのために
そして医療の進歩を、
私は、とても嬉しく思っています。

ーーー

他にも、

●抗HER2薬 タイケルブ 
  + 殺細胞性抗がん剤ゼローダ
   (ともに経口薬)

  (一般名はラパチニブ、カペシタビン)

  ※タイケルブはHER2だけじゃなくHER1も
     阻害する

がステージ4では、確か、カドサイラ
より先に認可されて使われています。

ーーー

新薬も次々に開発されてきており

●日本では認可されていないけれど
    米国では、
    術前療法ハーセプチン+パージェタ
    →non-pCRの場合 カドサイラ
    →ネラチニブ
    と使われているネラチニブ

   ※HER2、HER1だけじゃなく
      HER4も阻害する
     (不可逆性なのが正常細胞の副作用の方で
       気にはなるけど…)
      
        ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)


●カドサイラと同類の、
    ハーセプチン(のバイオシミラー)に
    殺細胞性抗がん剤をくっつけた
    抗体薬物複合体(ADC)のDS-8201

   ※HER2低発現でも効く可能性が高い
      という臨床試験結果が出ている

        ↑こちらの記事もよろしければご覧ください。
               (リンク貼っておきました)


ー◆ー◆ー◆ー


では、
実臨床で、3rdライン以降の
治療選択と治療成績(効果)は
どうなんだろう?

という臨床研究もされています、

ということを発見しました。

私は4年前に日本乳癌学会に質問を
させていただいた際に、要望として、
後ろ向き(結果の集計、という意味)
でもよいので、
患者自身の治療選択の判断に当たっても、
そういう統計が欲しい、
ということも
書き添えさせていただきました。


だんだん、そういう研究も進んでいる
ようで、嬉しく感じています。

素人患者が考え感じるようなことは、
当然、考えて下さっている専門家
(臨床研究医)の先生方もいらっしゃり、

それを、近年、見える化
すなわち公開して下さる情報が増えた
ということなのかもしれません。

いずれにしても、
私は、とても喜ばしく感じています。


以下をご紹介します。
今月までの登録で、来年1月までが
研究期間のようです。


WJOG12519B 
 
転移性 HER2 陽性乳癌に対する 
T-DM1 後の次治療の 臨床効果に関する
多施設共同コホート研究 
 
The Real-World Clinical Benefits 
of Following Therapy after TDM1
 for HER2-positive Metastatic Breast Cancer
: A Multicentral Cohort Study 

【研究代表者】 虎の門病院  高野利実先生

●対象
2014 年 1 月 1 日~ 2018 年 12 月 31 日
の間に、StageIV または再発後の治療として
初回 T-DM1 治療終了後に、少なくとも
1ラインの次治療が開始されている患者

●予定登録数:  300 例 

●研究期間:  
   2019 年 7 月 1 日~2020 年 1 月 31 日 
・予定登録期間:
    ~2019 年 10 月 31 日 
・予定解析期間:
    2019 年 11 月 1 日~2020 年 1 月 31 日 
 

因みに、資金提供は第一三共さん。
薬事承認のためには、日本における、
既存の3rdラインとDS-8201の効果の比較
が必要で、
既存の3rdラインの選択状況および
それらの既存薬の効果の状況は
必要ですものね…。

誤解を招くといけないので
念のため書いておきますと、
治療前の3+→術前療法のハーセプチン
→術後2+ と、
HER2発現率は落ちた癌が残った
  (その原発巣は手術で取り除けましたけど
    微小転移を撲滅できているかは微妙であり、
    転移リスクは引き続き高かったから
    転移後の治療の動向をウォッチし続けており…)
私としては、
低発現でも効く臨床試験結果の出ている
DS-8201には強い関心と期待があり、
第一三共さんも応援しています❗️


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