★乳癌 pCRすれば予後がよい(esp. HER2、トリネガ) SABCS 2018 | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

ご訪問ありがとうございます。

私が初期治療を受けた4年~4年半前は
pCRが予後に必ずしも寄与しない
という説も出ていて

 (ただし、HER2陽性やホルモン陰性だと
  ~HER2タイプ、トリネガは特に~
  pCRすれば予後がよい臨床研究の
  論文が多かった)

がん研有明や国がん中央のセカオピの
先生は、
  pCRしなかった私への慰めとも
  思われましたが、
上記のうち、()書き無しの
部分に言及されました。

※その時点では、仰る通り、
   学会でも意見が分かれていたようです。
   (セカオピの先生方は日本乳癌学会の
     役員に名を連ねる病院の先生方でもあり
     仰る通りだったと思います)。

そのメタ解析結果(サブタイプ別にも
解析されています)が昨年2018年12月の
SABCSで発表されましたね。

乳癌患者さんであれば、
もうお読みになられたかもしれませんが



【以下、自分用メモ】

・米Massachusetts General Hospital Cancer   CenterのLaura M. Spring氏が発表。

・1999年~2016年、
    3209件(25人以上の患者が参加した試験)

・対象外:
  ー  局所再発のみを報告した研究
  ー  術前内分泌療法、術前放射線治療

    
・52件、2万7895人のデータ RCT51.1%
   ※米国、メキシコ、欧州、クウェート、
     サウジアラビア、中国、日本、韓国

・EFS中央:48ヶ月、OS中央:49.9カ月

5年EFS率 : 88% vs 67% 
    (HR:0.31、95%:0.24-0.39)

5年OS率 :  94% vs 75%
   (HR:0.22、95% : 0.15-0.30)

ートリネガ
5年EFS率 : 90% vs 57% 

ーHER2陽性
・5年EFS率 : 86% vs 63% 
   
   ※ホルモン陽性、陰性
     すなわちトリポジとHER2タイプ
     で分けた率にして欲しいな…
     HER2タイプはトリネガに近いか
     それ以上の差だと思うのですよね、
     私が漁った臨床研究論文だと…
     時間が出来たら原文探してみよう…

ーホルモン陽性
・5年EFS率 : 優位差なし 97% vs 88% 

OSも同様

・pCRが得られ、5年OSが得られた患者の
    再発HRは術後補助化学療法の有無で
    変わらず。
    0.36( 0.19-0.67)   vs 0.36(0.27-0.54) 

ーーー

以上、科学的というか、論理的に考えても
今までの医学的根拠に基づき言われてきた
内容と齟齬のない、納得性のある、
当たり前の統計解析結果だと
私は思いました。

※データ(対象の臨床試験)選択に恣意性が
  入っている余地はあるけれど…。


是非、トリネガ、HER2でpCRが
得られなかった患者向けの
術前化学療法の追加
あるいは術後補助化学療法の
選択肢の追加となる薬剤の
開発や認可を急いで欲しいと思います。
(後輩患者さんのために)

米国では、HER2でpCRが得られなかった
患者の術後補助化学療法を
カドサイラに変えたり、ネラチニブを
さらに足したりする
治療が承認されたり、
臨床試験が進められている
理由がお分かりいただけましたでしょうか。
 
※最近は欧米とのドラッグラグが短縮され
  日本も国際臨床試験に参加するように
  なってはきています。

  が、乳癌の中でも、まだ、取り残されて
  いる患者群(えてして少数だったりする)
  もいるのです…

  ハーセプチンは画期的な薬剤ではあるけれど
   pCRしなかったHER2タイプの患者でも
   ない人が、「HER2は特効薬がある」なんて
   簡単に言わないで欲しい、
   とも思います。
   これからの承認や開発に期待します。
   (後輩患者さんのために)


私の感情などは私の過去記事


をご参照下さい。


4年前からこの結果が出るまで、
メタ解析結果は出ていなかったけれど
HER2タイプの臨床研究結果を漁った私は
今回のメタ解析結果と同様の解析
(頭の中ではありますが)、
推測をしていたので、

やはり、強く思いがあった、あるのです。


なお、上記の数字は
臨床試験やそれを集めたメタ解析、
あくまで過去の「患者集団」の統計の
解析結果である点は、ご注意下さい。


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