【マンガ感想】
『ブリザードアクセル 5巻 (鈴木央)』
- 鈴木 央
- ブリザードアクセル 5 (5)
まずは過去記事をどうぞ。
このブログの評価で、100点という最高得点を取った作品です(^^ゞ。
5巻も面白かったですよ。
【あらすじ】
自分が140点以上取らないと、マッケンジーがクビになってしまう吹雪。 吹雪を少しでも楽にするために、必ず勝つことを誓った陣と五反田。 白帝対フロストクイーンの団体戦は、いよいよ男子シングルに突入! 陣、五反田、吹雪の友情と熱き戦いがつまった第5巻!!
フロストクイーンとの対抗戦の続き。
一言で言うならば、
本当に面白い作品!!
である。
ホントに面白いのだから、しょうがない(^^ゞ。
いわゆる少年漫画の基本、『友情・努力・勝利』を上手く取り入れ、
熱く燃え上がるような構成に目が離せなくなる。
主人公だけではなく、同じチームである陣・五反田両名ともに
これから主人公のライバルとして充分活躍していけるほどの
丁寧な掘り下げだったし、なによりそれが共感掘り下げだったので
この作品の完成度をさらに高めたと思う。
そしてそして、なにより作画に説得力がある。
すでに絵は完成され一切崩れることのない安定感を感じさせ、
なによりこの作者でしか描けないであろう表現力の素晴らしさと
アニメのように動いて見えるような流れるような作画能力に圧倒される。
週刊連載で、このクオリティーを保てるのが不思議なくらいだ。
間違いなく、現在の少年漫画の中でもトップクラスに面白い作品だと思う。
フィギュアスケートというマイナースポーツをテーマにしているだけに、
漫画的な脚色が多用されている。
この競技に関わっている人には、
「そんなの無理だろ」
っていうことでも、素人にはさっぱり判らないということ理解して書いている。
だからこそ、この作者の突拍子のない脚色が光に光っているのだ。
つまり、難しく考えずに楽しむことが一番ということだ。
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さて、気になったところも語っておこう。
①顔ギャグ
②敵キャラの存在感の無さ
の2点。
①については、“しつこい”の一言。
前巻から登場の『フロストクイーン』のペア2人以外に、
同じ『フロストクイーン』の眉毛の加藤、
そして、『白帝』の五反田の鼻水とバリエーションを増やしている。
個人的にはこのギャグは全然嫌いではないけど、
人によっては呆れてくるというか、評価を下げてしまうかもしれない。
確かに現実では凄い技なのだろうけど、驚きすぎなんだよな~、皆(^^;。
②については、個人競技だからしょうがないのかもしれない。
対戦という形を取っているのだが、同時に演技するわけではなく、
しかも、敵の演技は主人公達の引き立て役になっている状態。
敵の演技がどんなに素晴らしいものでも、
次の主人公側の演技でそれを全て逆転してしまう。
そのことが敵のキャラの存在感を薄くしてしまっているし、
構成的にワンパターンになってしまっている。
しかも、敵キャラそのものにも魅力を感じるキャラが少ない。
もとより試合前に掘り下げがなされていたわけではなく、
悪役に徹しているわけでもなく、全てにおいて中途半端だ。
そのためか、勝負という緊張感が少なく、
試合形式で、主人公チームの成長を描いているだけのような気がする。
結局、ギャグ担当のペア2人と眉毛の加藤くらいしか、
その存在感を示せていないと思う。
まあ、いきなり始まった対抗戦だったからしょうがないか・・・。
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結局のところ、めちゃくちゃ面白かったです(^^ゞ。
五反田も良い役どころを与えてもらった感じだし、
陣も主人公のライバルとして今後も活躍していきそうだ。
主人公の成長が早すぎるのは、この際目を瞑りましょう(笑)。
やはり
100点
ですな。
このテンションを維持したまま、次巻に繋げてほしいですね。
では、ここまで。