英国王のスピーチ (評価:★★★) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。



良い映画だが普通、観客が賞に便乗する必要はない

★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)

そんなことより恋をしろ-英国王のスピーチ


(2010年/イギリス=オーストラリア/111分/The King's Speech)

【 監督 】
トム・フーパー

【出演】
コリン・ファース
ジェフリー・ラッシュ
ヘレナ・ボナム=カーター
ガイ・ピアース
ティモシー・スポール
デレク・ジャコビ
ジェニファー・イーリー
マイケル・ガンボン





【あらすじ】

1925年の大英帝国。
吃音症のためスピーチもままならない王室のヨーク公アルバート王子は、
さまざまな治療の専門家を探し回るが、結果は思わしくなかった。
ある日、言語聴覚士であるオーストラリア人のライオネルに治療を施されるが、
今までにない破天荒な治療法のため、怒って去ってしまう。
しかし、その時録音したスピーチが滑らかであったことに気づき
ライオネルに再度治療を申し込み、次第に改善されていき、
二人の間にも王子と市民の壁を越えた絆が生まれ始めていた―


【コメント】

めでたく本年度第83回アカデミー賞作品賞に輝いた本作だが、
感想もそこそこに、今回は“アカデミー賞”なるものについて語る!

昨今、全世界に衛星生中継され注目を浴びるアカデミー賞。
本賞に選ばれた作品が、あたかも世界の頂点に君臨する作品であるかのような報道
がなされているが、それはちょっと語弊がある。
確かに歴史的に見てもマーケット的に見ても
ハリウッド映画というのはそう見られてもおかしくない存在ではあるのだが、
結局のところ、アカデミー賞の実態とはこういうことだ。

1.そもそもアカデミー賞とはハリウッド映画業界人の“ご苦労さん会”

今でこそ全世界に生中継されるショー的な扱いになってはいるが
もともとの始まりは「来年もいい仕事しようぜ!」という業界人の集まりだったわけで、
基本的なスタンスは今でも変わっていないはず。
つまりは、身内の労を労い互いにその仕事を褒め称える
“ホームパーティー”みたいなもの
なわけだ。
もっとも今はTV中継やなんやらでスポンサー等お金も絡んでくるため、
我々が知りえないいろいろな政治的思惑は渦巻いているとは思うだが。

2.原則、表彰されるのは“アメリカの映画”

「あたりめーじゃん!」と言われればそれまでだが、意外と勘違いしがち。
確かに市場は全世界にいきわたり半端ない規模のハリウッド映画だが、
そもそも世界各国で生み出され続けている映画の中で、
“アメリカ映画”はその一角に過ぎない。

もっとも本作『英国王のスピーチ』はアメリカ映画ではないが、
ある基準に準じていれば他国でもノミネートされる場合がある。

3.必ずしも芸術性・完成度で選ばれるわけではない

「さすがアカデミー作品賞にふさわしい面白い映画だったわ~」
「なんでこれが作品賞?全然面白くないんだけど」
というレビューをよく目にするが、そもそもノミネートされる作品というのは
芸術や完成度うんぬんよりも「アメリカの国情・世相を反映した映画」が選ばれるわけで、
必ずしも“作品賞=面白い映画”という方程式は成り立たない。
もちろん作品賞には受賞するに相応しいタイトルがノミネートされるわけだが、
要するに“その年のアメリカを象徴する映画”が選ばれるわけだ。

4.アカデミー会員の大半はハリウッド映画業界人

アカデミー賞の選考は、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)という
映画業界人の団体が無記名投票で行うシステム。
1でも書いたように、所詮は身内が身内の労を労い
互いにその仕事を褒め称える“ホームパーティー”なのだ。
もっとも業界人が選んだ作品ならば“プロが選ぶ本物の映画”とも言えなくもないが、
3にもあるように、あながちそうでもないようだ。
要するに、映画を観る側の人はそんなこと気にせず主観で観て構わん!
ということだな。

5.アカデミー会員は“空気を読んで”投票する

お笑い芸人がバラエティ番組なんかで「何をすべきか」考え
“空気を読んで行動”するように、
アカデミー賞の投票にも「まあこの作品だろ~な」という“空気”があるらしい
3で書いた“アメリカの国情・世相”もさることながら、
パワーバランスやスポンサーの類もひっくるめて
「まあ、この作品に投票しときゃ間違いないだろう」ってな具合で投票する。
もっとも5000人以上もいる会員なのだから、
中には空気を読まず芸術の観点のみで投票したり、
映画を観ずに空気だけ読んで投票する人も少なからずいるはず。
知らんけど。

(参考資料:ウィキペディア『アカデミー賞』)


というわけで、映画業界人でもなんでもない
日本人の単なる観客の一人である俺の感想。
良い映画だけど普通!二度観ることはない!
一観客は主観で全然問題ねーのさ。
あ、でも『ロッキー』は大好きです。
以上。


【2011年度 Myランキング】(3/6時点)

本作は、本年度のベスト10中9位(暫定)にランクイン。


(ベスト)… ★★★以上が基準

  1位:冷たい熱帯魚
  2位:イップ・マン 葉問
  3位:イップ・マン 序章
  4位:アンチクライスト
  5位:GANTZ
  6位:あしたのジョー
  7位:ソーシャル・ネットワーク
  8位:アンストッパブル
  9位:英国王のスピーチ
 10位:
  次点:


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:ウォール・ストリート
  2位:グリーン・ホーネット
  3位:男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW

<その他ランク外一覧>
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