「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
やや反日気味だが、やはりドニーのカンフーは良い!
★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2008年/香港/108分/Ip Man)
【 監督 】
ウィルソン・イップ
【 アクション指導 】
サモ・ハン・キンポー
【出演】
ドニー・イェン
サイモン・ヤム
池内博之
【あらすじ】
1935年、多くの武術道場が立ち並ぶ中国は佛山。
その街に、佛山最強と謳われながら弟子を一切取らない詠春拳の達人イップ・マンが
妻と一人息子とともに静かに暮らしていた。
血気盛んな道場破りを相手にしても軽くあしらうほどの腕前を持つイップ。
しかし1938年、日中戦争で佛山は日本軍に占領され、
家族の生活のため、日本軍のもとで強制労働をする。
あるとき、空手の有段者でもある日本軍の三浦将軍がイップの腕前に目をつけ
対決を申し出る。
これまで空手の試合で殺された多くの武術家たちのため
イップは三浦との対決を承諾する―
【コメント】
祝『イップ・マン 葉問』観客動員数5,000人突破!
本作『イップ・マン 序章』の続編である『イップ・マン 葉問』において
「観客動員数5,000人突破したら序章を劇場公開!」と宣伝していたとおり、
めでたく本作が公開されたことにまず良かった!と。
久々の良作カンフー映画だっただけに、公開を心待ちにしていたが、
知らんうちに緊急公開されていた。
危うく見逃すところだったぜ~
というわけで、楽しみにしていた本作。
もちろんドニー兄さんのカンフーアクションは十分に堪能できる。
道場破りをいとも簡単に倒してしまう圧倒的強さを見せつける姿や、
空手使い10人との怒りの乱取りなど、見せ場は十分。
やっぱりカッコいいぜ、ドニー兄さん!
しかしながら、続編のカンフーカンフーした物語とは違い
むしろドラマ部分の割合が比較的多い。
続編よりも奥さんや一人息子との家族の絆を色濃く出している。
悪くはないが、でも正直続編のほうが好きかな~見せ場多いし。
イマイチドラマ部分にノレなかった理由は、
言わずもがな、やや見え隠れしている中国の反日感情。
「これが原因で日本公開に踏み切れなかったんじゃね?」とも感じるが、
続編の白人に対する露骨な感情ほどは個人的には見られなかったと感じる。
実際、池内博之演じる三浦将軍は、軍人として、空手有段者として
それなりに筋の通った誇り高いキャラを演じているし、
空手道場門下生も武術家と対戦するときは、相手に対しきちんと一礼している。
それほど悪辣な日本人の描き方はしていないのはちょっとホッとした。
もっとも、直属部下のメガネ野郎は、日本人ですらムカつくようなキャラではあったが。
それでも、「1945年、日本は敗戦し中国が勝利した。」のような
あたかも中国が日本に勝ったかのようにミスリードする
ラストの字幕ナレーションを出すあたりにチラッと反日感情というか
「中国は日本より強い」というようなナショナリズムを感じずにはいられなかった。
映画のセリフにもあったが、実際のイップ・マンも
「日本人には詠春拳を教えるな」と言っていたようだ。
今もその教えが守られているかは定かではないが、
カンフーマスターであるイップ・マンが
そのような言葉を残していることは非常に残念でならない。
【2011年度 Myランキング】(3/5時点)
本作は、本年度のベスト10中3位(暫定)にランクイン。
(ベスト)… ★★★以上が基準
1位:冷たい熱帯魚
2位:イップ・マン 葉問
3位:イップ・マン 序章
4位:アンチクライスト
5位:GANTZ
6位:あしたのジョー
7位:ソーシャル・ネットワーク
8位:アンストッパブル
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ウォール・ストリート
2位:グリーン・ホーネット
3位:男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW
<その他ランク外一覧>
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