「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
ラストの解釈に戸惑う、イーストウッドの“珍作”
★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2010年/アメリカ/129分/HEREAFTER)
【 製作総指揮 】
スティーブン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
ピーター・モーガン
【 脚本 】
ピーター・モーガン
【 製作・監督・音楽 】
クリント・イーストウッド
【出演】
マット・デイモン
セシル・ドゥ・フランス
ジェイ・モーア
ブライス・ダラス・ハワード
ジョージ&フランキー・マクラレン
【あらすじ】
旅先で津波にのまれ臨死体験をしたパリのジャーナリスト・マリー。
かつて霊能者として活躍してが、死者との対話に疲れ静かな日々を過ごすジョージ。
双子の兄を交通事故で亡くした少年マーカス。
異なる3人の人生が、ロンドンで不思議な出会いを果たす―
【コメント】
放り込んできたな~イーストウッド。
毎度のことクリント・イーストウッド監督作品というのは、
淡々と静かに話が進む割に、不思議とストーリーに入り込んでしまう魅力がある。
本作も同様、異なる3人の人生を交錯させながら静かに進むのだが、
「一体この3人がどう交わっていくのだろう?」という興味も湧き、
いつの間にか目が離せなくなっている。
本当に不思議な感覚だ。
しかしながらこの『ヒア アフター』。
けっこうな結末を放り込んでくる。
個々の解釈次第で素晴らしく感じるかもしれないし
「なんじゃこりゃ!?」と言ってしまう人もいるはず。
僕は後者のほう。
ぶっちゃけ、どう解釈していいのか分からん。
一体どういう流れでああいうラストにつながるのか、
僕には全く見当がつかず、ネットでの意見に頼らざるを得なかった次第。
正直、「あ、監督、途中で投げ出したな」とまで感じた。
あと、全体的に冗長すぎる。
とりわけの山場がない淡々とした進みはイーストウッド監督の魅力でもあるが
さすがに本作は長いと感じた。
もっと端折ることができたのではないか?と。
さすがに「眠い」とは感じなかったが、
寝てしまう観客が居てもおかしくない、間延びした作りでもあった。
映画においてラストシーンは、かなりの重要度を持つ。
不可解なラストシーンを放り込んだ本作は、
僕の中でイーストウッドの“珍作”として位置付けられてしまったようだ。
【2011年度 Myランキング】(2/20時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
(ベスト)… ★★★以上が基準
1位:冷たい熱帯魚
2位:イップ・マン 葉問
3位:GANTZ
4位:あしたのジョー
5位:ソーシャル・ネットワーク
6位:アンストッパブル
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ウォール・ストリート
2位:グリーン・ホーネット
3位:男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW
<その他ランク外一覧>
パラノーマル・アクティビティ2ヒア アフター
ラストシーンの解釈について、2chの映画作品・人板の『ヒア アフター』スレでは
以下のような解釈がなされている。
僕はこの解釈で完結させようと思う。
255 :名無シネマ@上映中:2011/02/20(日) 11:17:19.36 ID:MdvmgSCX
http://twitter.com/toshi_fujiwara/status/39137325845843968
映画作家の藤原氏が
『ヒアアフター』はマット・デイモンが一回嘘をつく、
その一瞬の嘘のために2時間以上の映画があるような、
とてつもなく過激な映画だ。
しかもその嘘に気づかせようというギミックも演出もまったくない。
とTweetしているけど、
この嘘って双子の兄が招霊で一度行こうとして戻って来たところかな?
それとも最後のキスシーン?
268 :名無シネマ@上映中:2011/02/20(日) 11:40:21.64 ID:d6pt5AMU
>>255
なるほど~。ある意味ジョージは運命に流されまくってただけだからなぁ。能動的に嘘をつくことによって
ガキを勇気付けたのが転機か。
流され女は自分の意思では流されない女だったから、運命の糸が絡み合った・・・みたいなw
269 :名無シネマ@上映中:2011/02/20(日) 11:43:16.18 ID:sr9DcbAe
その嘘をつくことで今まで、霊視(死者=過去の人であり自分の過去)にこだわっていたのが、
図らずも少年に諭すことで自分も未来に目が向けられ、一皮むけて最後のシーンに繋がるわけか。