あしたのジョー (評価:★★★) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。




役者たちの情熱で“コスプレ映画”を払拭した気合の一本

★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)

そんなことより恋をしろ-あしたのジョー


(2011年/日本/131分)

【 監督 】
曽利文彦

【原作】
高森朝雄
ちばてつや

【出演】
山下智久
伊勢谷友介
香里奈
勝矢
モロ師岡
西田尚美
杉本哲太
倍償美津子
津川雅彦
香川照之





【あらすじ】

昭和40年代、東京の下町にある通称ドヤ街。
その街に矢吹丈という青年がふらりと流れ着く。
矢吹の食堂でのケンカを見て天賦の才を見出した元プロボクサー丹下段平だったが
乱闘騒ぎで矢吹は刑務所に収監されてしまう。
矢吹をあきらめきれない丹下は、はがきを送りボクシングを指南する。
刑務所内でも暴れ放題の矢吹だったが、同じく収監されていた
現役プロボクサー力石徹にあっさりと伸されてしまい、
矢吹のボクシングへの情熱に火がつく。
出所した二人は互いにプロボクシングで名を馳せていき
ついに二人は因縁の対決を迎える―


【コメント】

昨年末のキムタク主演『SPACE BATTLESHIPヤマト』と同様
地雷臭がプンプンする映画としてネットでも(悪い意味で)話題だったのが
山P主演の本作『あしたのジョー』だ。
アニメ「あしたのジョー」を観ていたのが小学生のころ。
ボクシング好きだった親父と一緒に観てたもんだ。
それを数十年経った今、あろうことかなぜ山Pで実写化しようとしたのかは疑問だが、
意外や意外、なかなか気合の入った作品だった。

漫画を中途半端に実写化すると、とかく“コスプレ大会”になって
失笑してしまう場合が多い。
数年前に観た『魁!男塾』なんかがいい例だ。
本作のそれは、いわずもがな丹下段平のポジションだろう。
どこの世界にモモヒキ履いて眼帯したずんぐりむっくりのハゲ親父がいるか。
しかしながら、それを演じた香川照之は
それほどの違和感を感じさせず「よくやった!」と俺は褒めてやりたい。

宿敵・力石役の伊勢谷友介もしかり。
絞りに絞り込んだボディを見ただけでも
本作に対する気合が伝わってくる。
山Pも本作のために相当なトレーニングを積んだに違いない。
まあ、もともと鍛えられた体系ではあったが。

あえてダメ出しをするのであれば、
やっぱり山P=矢吹丈は、俺の知っている矢吹丈ではない
ということだろうか。
山Pはどうしても幼く見えて、イマイチ凄さが伝わってこない。
ガキの頃に観た俺の中のジョーは、もっと飄々としていて
それでいて底知れない強さを持っているキャラだ。
山Pジョーは陰を作りすぎて、暗すぎる。

どっちにしろ、役者たちが情熱を注ぎこんだ一作だというのはよく伝わってくる。
ラストのジョーと力石の握手の名場面は胸が熱くなる。
最後のくだりは冗長すぎたとも感じたが、
なかなかの力作になっていることは間違いない。
続編作ってカーロス・リベラやホセ・メンドーサ戦も観てみたいところだ。


【2011年度 Myランキング】(2/12時点)

本作は、本年度のベスト10中4位(暫定)にランクイン。

(ベスト)… ★★★以上が基準

  1位:冷たい熱帯魚
  2位:イップ・マン 葉問
  3位:GANTZ
  4位:あしたのジョー
  5位:ソーシャル・ネットワーク
  6位:アンストッパブル
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:


(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:ウォール・ストリート
  2位:グリーン・ホーネット
  3位:パラノーマル・アクティビティ2