2008-03-31 19:27:36

希死念慮の謎

テーマ:希死念慮
これは僕の臨床経験から来る「希死念慮」の1つの考え方であり、真の意味で根拠はない。僕の発想のようなものだ。ひょっとしたら妄想かもしれないが。(笑)

実はこの記事はずっと以前に書いていたのだが、最近は特に主観で勝手なことばかり書いているので、このクラスの記事はアップするのが憚られていた。このエントリのファイルは僕のパソコンのデスクトップに半ばボツ原稿のまま長く放置されていたのである。このようなものが他に7つくらいある。

今日のエントリは、いつアップするか決めてもいなかったのだが、読者さんの希望があったこともあり急遽アップすることにした。興味のある読者の人は上に書いたことをふまえて読んでほしい。

希死念慮および自殺既遂は、必ずしもうつ状態の程度と連動していないようにみえる。うつ状態はぼんやりとしてあることはあるくらいなのに、ダラダラ希死念慮が続いていたり、また人によれば、中等度以上のうつ状態なのに全く希死念慮がないこともある。希死念慮が決して出てこないうつ状態の人もいるのである。

今までの種々な臨床経験で最も驚いたことの1つは、友人のうつ状態の女性にECTをかけた日のことだ。僕はあの日のことを一生忘れないだろう。

彼女は子供の頃から続く慢性的な希死念慮があり、僕が診始めた当時も全く改善していなかった。過去ログから抜粋。

最初、1~2回は少しは良いかなと思った。しかし、数回目のECT直後に希死念慮が消えていないことを発見し、愕然としたのである。これは、あまりにセオリーに反していて、たぶんこのような人は1万人に1人だと思う。1万人もECTをかけたことはないけど。つまり、抑うつ悲哀感などコアな症状の近くには彼女の「希死念慮」は存在していない。全然、別な次元にあるのである。そうとしか思えない。

僕の記憶だと3回目のECTだったと思う。彼女の場合、ECT直後に深い眠りには落ちず、意識障害、短い浅い眠りのあとすぐに目が覚めていた。いつも15分以内である。この時、目が覚めて5秒後くらいに、

「あっ!希死念慮が消えていない」

と叫んだのである。これはECTをかけたことがない人には理解できない驚愕すべき事件であった。実際、過去ログでも「たぶんこのような人は1万人に1人だと思う」と書いている。

僕は、うつ状態が始まって期間が短い人の希死念慮に比べ、彼女のように数十年続いている希死念慮は異質なもののような気がしている。これはここ数年でそう思うようになった。まだ発病後まもない「激しい希死念慮を伴う」うつ状態の患者さんにECTをした場合、

1回目はともかく2~3回すれば、希死念慮自体が消失し、何が何で死のうと思ったのかはっきりしなくなるような人もいる。

というようなことを過去ログにも書いている。ところが、長い期間希死念慮が続いている人は、その「希死念慮」はうつ状態と分かれて、ある種、独立した症状になっているようにも見える。これは帯状疱疹のかつての傷が、時間が経ってもたまに痛みを生じることに似ている。これはあたかも脳内に「うつ状態」と独立して「希死念慮を生じる神経伝達経路」が形成されているようにも見える。

それはセロトニン優位の神経伝達なのかもしれない。

過去ログに希死念慮は「ある物質」と書いたこともある。僕が「物質」と言った場合、器質的というニュアンスがある。長期間の希死念慮は、既に脳内で傷が生じていて、それから発現するという感覚なのである。これは心理療法家の発想とはあまりにもかけ離れている。自分でこんなことを書きつつ、思わず苦笑してしまった。

その「希死念慮の神経伝達経路」はセロトニン系なので、それが活性化すると、かえって希死念慮が激しくなるという性質を持つ。だからSSRIはセロトニンの作用を強めるため、潜在的にリスキーな薬物と言える。これは希死念慮の強い人にはSSRIは非常に処方し辛いと感じる臨床経験とも一致している。

SSRIはセロトニン再取り込み阻害作用によりうつ状態を改善するが、希死念慮に関しては悪化させる要素がある。これが長期にわたる希死念慮の人の治療を難しくしているのだろう。

若い人にSSRIを投与すると、自殺を煽る面があるので良くないなどと言われるが、これはこの神経伝達経路と無関係とは言わないが、そこまで関係が深くないように見える。その年齢だと年余にわたる希死念慮が続いているとは言えないから。だからセロトニン過剰が焦燥感を煽っているとか、人生に対し虚無的になるとか、あるいは決断力を増すなど、そういう面がむしろ大きいと思われる。(参考

ECTは一斉に神経末端から伝達物質を一斉に放出させる面がある。もし太い希死念慮の伝達経路が形成されていて、しかもセロトニンが伝達物質として関与しているなら、ECTのためにかえって神経伝達経路が活性化され、ECT直後に希死念慮が感じられるというのはありうるような気がする。うつ状態が一発で改善しているのに、希死念慮だけは取り残されているのである。これこそ、うつ状態とは離れ、独立した「希死念慮症候群」といえるのかもしれない。

例えば、プロザックで過食症を治療している際、概ね安定しているのに、ある日突然、過食のラッシュが生じファミーレストランなどに駆け込んで、1万円以上も食べるなどという奇妙な症状が出現することがある。これは僕の感覚だと極めてSSRIらしいと思うのだが、この瞬間はセロトニンの不均衡が生じているのだと思う。

SSRIはセロトニンをコンピューターのように脳内制御することはできない。

臨床的には一時的に足りなくなったり、あるいは過剰になったりするように見える。この逆噴射的な所見と、SSRI服用時に突然生じる恐慌状態のような希死念慮は機序が似ている。たぶんSSRI服用中の希死念慮発作は、セロトニン症候群とまでは言わないが、一時的なセロトニンの過剰状態ないしセロトニン優位な状態が生じ、希死念慮の神経伝達経路を刺激するのであろう。すなわちセロトニンの不均衡が関与しているのである。

僕の友人をSSRI併用治療中の出来事であるが、激しい希死念慮が生じていた時、同時に胸の苦しさを訴えていたことがあった。その胸痛は今までになかった出来事であった。その胸痛はいつも2~3時間くらいで消失していた。この胸痛が出現し始めてたぶん2日目だったと思う。僕は彼女をじっと見ていて、なんとなく脳内のセロトニンが溢れ出しているようなイメージが湧いた。

そこで、ペリアクチンシロップを10ccだけ服用させてみることにしたのである。

ぺリアクチンは一般には湿疹などに使われるが、抗ヒスタミン作用を持ち、かつては拒食状態にも適応があった。これは抗ヒスタミン作用が食欲を増す副作用を利用している。しかし今日では、ペリアクチンは抗セロトニン作用を有するため、セロトニン症候群の治療薬としても知られるようになった(正式な適応があるわけではない)。

彼女にペリアクチンを飲ませてみると、しばらくして、魔法のように希死念慮と胸痛が消失した。たぶん30分以内だったと思う。

やはり、そういうことだったのか・・と思ったが、その後2~3時間後に症状が逆戻りしたのであった。だから、この推論が当たっているのかどうかは不明である。

過去ログに、友人の激しい希死念慮の際にトロペロンを筋注し、30分以内にそれが消失するという話が出てくる。トロペロンが希死念慮に有効な理由は、トロペロンがセロトニン2Aの遮断作用を持ち、しかも筋注だったからと今では思える。希死念慮ルートのセロトニン伝達をあの瞬間、遮断したからである。そのようなメカニズムなら、あの時はリスパダール液でも良かった。なぜなら、リスパダール液も即効性がありセロトニン2A遮断作用を持つからだ。即効性はトロペロン筋注ほどではないにせよ。

トロペロンの薬物プロフィール
D2  ++++
α1  ±
mACh -
5HT2 +++
H1  -


リスパダールの薬物プロフィール
D2  +++
α1  ++
mACh -
5HT2 +++
H1  ++


こういう風に考えてくると、あの日はやはりセレネースは良くはなかったのかもしれない。彼女は、「軽躁状態」にも「希死念慮」にもトロペロンは有効という奇妙な臨床経験になっていたが、過去ログではエビリファイとの関係を指摘していた。エビリファイももちろん関与していると思うが、彼女に関しては、軽躁状態ではトロペロンは鎮静的メジャートランキライザーとして働き、希死念慮にはセロトニン2A遮断薬として効果を発現しているように見える。だから双方に効くのである。こういう風に考えると、ほぼ辻褄が合う。

では、長年、希死念慮で悩まされている人たちはどのような治療を行えばよいのだろうか? 

これは今までの考察から容易ではないことだけはわかる。SSRIのセロトニン再取り込み阻害作用が、場合によっては希死念慮を促進する要素があるからである。

子供の頃から続く希死念慮の人たちの治療方針

① 脳内の「希死念慮セロトニン伝達経路」をレーザーで焼ききる。これが脳神経外科的にできて、しかも後遺症が残らないならベスト。(これは架空)

② セロトニンをさほど過剰にせず、うつ状態治療のパフォーマンスを上げる。

この②が現実的な対処方であろう。今までの考察から、SSRI単剤治療は極めて成功率が低いことはわかる。SSRIは単純にセロトニンを増やすだけなので希死念慮の改善がうまくいかない。SSRIで全般の精神症状が良くなり、いったん希死念慮が消えたとしても、突然、希死念慮発作に襲われる危険性がある。

理想的な治療法として、セロトニンにあまり関与していない抗うつ剤をメインにし、SSRIを使用しないことが挙げられる。その理想の薬物に近いものとして、ルジオミールがある。ルジオミールはノルアドレナリンのみに作用しておりセロトニンへの作用を持たない。長年、うつ状態で悩まされている人はわりあいルジオミールの成功率が高い。希死念慮はともかく、これは概ね臨床経験と一致している。ルジオミールは、一度はトライする価値のある薬物といえる。また、ルジオミールに準じる薬物は、アンプリット、ノリトレンくらいだろう。アンプリットはノルアドレナリンしか作用を持たないが、代謝物のデシプラミンはセロトニンへの作用があるので完璧ではない。しかし他に代替薬があまりないのも事実で、ルジオミールが飲めないならまずアンプリットくらいしか良い薬物がない。またノリトレンもノルアドレナリン優位というだけで、セロトニンにも作用があるが、ルジオミールに準じると言えるだろう。

こういう文脈で考えていると、テトラミドとテシプールの謎にぶち当たる。この2つはノルアドレナリンに対し効果が強くセロトニンへの作用を持たない。だから、ルジオミールと同じように、希死念慮の人たちには有効であってよいはずだ。しかし臨床的にはそれほど有用ではないのである。この矛盾だが、テトラミドとテシプールはルジオミールほどの抗うつのパワーが欠けているのが1つと、やはりこのような旧来の抗うつ剤は効果の厚みみたいなものがSSRIに比べてあるので、ノルアドレナリン、セロトニン以外の作用の部分もあるのかもしれない。とにかく、ルジオミールとテトラミドではかなり違うのである。こういう相違は慢性疼痛などの治療の際にも感じる。3環系、4環系のようないろいろなところに作用を及ぼす薬は、作用に奥行きがあるので、単純なノルアドレナリン、セロトニンだけの議論では片付けられないような気がしている。

ルジオミール 
抗うつ剤の中では推奨できる。


アンプリット、ノリトレン 
ルジオミールに準じると思われる。


テトラミド、テシプール
よくわからない理由でそこまで有用ではない。


しかし、現実的にはルジオミールでもうまくいかない人たちが存在する。というより、ルジオミールで長年のうつ状態と希死念慮がおさまった人はむしろ幸せと思う。なぜなら希死念慮は強迫、引きこもり、過食嘔吐などとセットになっていることも稀ではなく、セロトニンをアップする、つまりSSRIを処方した方が良さそうに見える人も多いからだ。つまり希死念慮を持つうつ状態の人たちは、往々にしてノルアドレナリンのみの調整では片付けられない。

SSRIを必要とするうつ状態の人たちの治療が難しいのは、SSRIでセロトニンをアップさせつつ、しかも希死念慮の伝達系のセロトニンを過剰にしないことが必要だからである。これは極めて難しいことを要求している。これはちょうど、統合失調症の治療で、中脳~辺縁系のドーパミンの過剰を抑え、前頭葉のドーパミンをむしろ増やすことを要求しているのに似ている。

パキシルの場合、抗コリン作用を有する上に離脱を生じることや、力価も高いことがマイナスに働いている。このような希死念慮を持つ患者さんには普通は合わないと思われる。パキシルがフィットするケースは、一発でうつ状態を改善し、意外にパキシルが少なくて済む場合であろう。一般にはパキシルの場合、うつ状態はいくらかマシになったとしても、他がうまくいかない。パキシルの最も大きな敗因はその薬物特性から離脱を生じ、それが希死念慮にマイナスになるような焦燥感を生じることである。

パキシル
おそらく不適切と思われる。


ジェイゾロフトの場合、離脱はパキシルほどではないがセロトニンの再取り込みの選択性が高くやはり苦戦にはなるだろう。よい面はドーパミンを増やすことだと思われる。僕はジェイゾロフトのドーパミンをいくらか増やす作用は色々な点で標準的なSSRIの欠点を緩和していると思う。

ジェイゾロフト
おそらく不適切だが、まだパキシルよりはマシかも?


問題はデプロメールである。デプロメールは強迫症状を改善しパキシルのような離脱症状が少ない。またデプロメールは低力価の上に用量依存性がある方なので細かい用量設定も可能な薬物である。だからSSRIの中では希死念慮の人にはまだ選択しやすい薬物と言える。しかしデプロメールはすっかりうつ状態を改善するほど力がないことも多く300mgくらいまで増量する誘惑にかられる。実は、そう思うところが迷彩なのである。250mg~300mgになると、今までに書いたことから、セロトニン刺激性の希死念慮発作が生じやすくなるのであった。

デプロメール
本邦で発売されているSSRIの中ではまだ可能性はあるが、大波乱になるリスクもある。使わないで済めばその方が良い。基本的に、過食・嘔吐系の人はデプロメールを併せないと仕方がないような気もしている。やり過ぎないことが重要。不足分はノルアドレナリン系の薬物との併用を行うが、デプロメールは相互作用としてこれらの作用を強める場合があり注意が必要。(旧来の薬物とSSRIは併用すべきではないという医師もいる)


代表的なSNRI、トレドミンはセロトニンとノルアドレナリンのダブルアクションなので良さそうに見えるが、臨床的には希死念慮の人には厳しいことの方が多い。特に、現在進行形で焦燥感や希死念慮がある人には良くない。ちょっと落ち着いた時期なら悪くない場合もある。この理由はトレドミンはセロトニン、ノルアドレナリンの双方の強い再取り込み阻害があるからだろうが、時折、あそこまで酷い恐慌状態を来たすことがあるのは謎である。このような話は過去ログ(テリ造の日記)にも出てくる。

トレドミン
経験的に不適切な場合が多い。特に悪くなってくると積極的に希死念慮を煽っているようにすら見える。


少なくともSSRI単独の治療は厳しく、SSRIだけでなく抗精神病薬や他の薬物も併用した方が微妙な調整がしやすく見えるのである。

非定型抗精神病薬はセロトニン2Aを遮断する作用を持ち、これだけでうまく希死念慮をコントロールできる可能性を秘めている。最も可能性がある薬物はたぶんエビリファイであろう。エビリファイは少量処方した場合、賦活的に作用する上にセロトニン2Aの遮断作用も持つ。エビリファイは抗うつ剤に補助的に使用する上でも、まだ成功率がある薬物といえる。

エビリファイ
可能性を秘めている。しかし単独で十分な確率は案外低いかもしれない。


それに準じる薬物はセロクエルであろう。セロクエルはいわゆるMARTAであるが、あらゆるレセプターに抑制的というのがこういう患者さんには良いように見える。あと、セロクエルはジプレキサのように無茶なことをしないことも大きい。これらの薬物はSSRIと併用する際にも、SSRIの欠点や暴走をやや緩和しているようには見える。

セロクエル
抗うつ剤に併用だと良いかもしれない? しかし僕はセロクエルをこのような人にはほとんど使わない。


ジプレキサであるが、元々この薬物は希死念慮には相性が良くない。特に統合失調症の人の希死念慮にはそれを感じる。統合失調症の人の希死念慮に対しリスキーなのは、たぶんいつか話した「つづれ織り」をしていることと関係がある。ジプレキサは架空世界から現実世界に引き戻すようなところがあるので、厳しい現実を統合失調症の患者さんに突きつけるのかもしれない。実際、彼らは「しらふ」だと、死ぬしかないような現実の中にいることがあるからである。その点も踏まえて、ジプレキサの処方は慎重でなくてはならない。

ジプレキサ
一見、良さそうに見えるがリスキーである。僕は使いたくない。


ルーランはセロトニン2Aレセプターに親和性を持ち、こういう患者さんにマイナスにはならないように見えるが、現実に良かったというのをあまり見たことがない。これはルーランの作用がわりあい厚みがないことと関係しているような気がしている。ただ、ルーランはライトなうつ状態は改善するのを時々見る。

ルーラン
良かったのをあまり見たことねーぞ・・(笑)


リスパダールに関しては、希死念慮を液剤などで急速に抑える際にはそう悪くないし実際に有効なこともある。しかし長期的なビジョンがないような気がする。リスパダールを長期にある程度処方し続けた場合、引き際に希死念慮が生じやすくなるからだ。まして長年希死念慮が続いていたような人にはなおさら。これはリスパダールが離脱を生じやすいとか固有の問題のような気もしている。あと肥満、高プロラクチン血症、多飲水などを来たしやすいことを考慮すると、統合失調症でもなんでもないうつ状態の人に、長期的にリスパダールを投与して良いのかという問題もある。

リスパダール
緊急避難的には良いこともあるが、長期に使ってしまうと対応が難しくなるかもしれない?


定型抗精神病薬のクレミン、クロフェクトン、プロピタンが良いかは人による。このあたりの薬物が出る時は既にエビリファイやその他の非定型抗精神病薬でうまくいかなかった人たちである。そのような人は、こういうタイプの定型薬を順番に試みるほかはない。

気分安定化薬は希死念慮を伴ううつ状態の人たちにとって、重要な薬物であろう。実際、デパケンRを追加するだけでわりあい希死念慮やうつ状態が改善する人たちが存在する。デパケンRに限らず、リーマス、テグレトール、リボトリールなどが、どの程度関与するのか僕はまだよくわからない。1つの考え方として、これらの気分安定化薬が神経の興奮を抑えるので、間接的に希死念慮発作を緩和するというのはあるかもしれない。

デパケンR 
経験的にはマイナスになる確率は低い。効果があると断言もできないが。無難な併用薬には見える。


リーマス、テグレトール、リボトリール 
不明。


これまで書いたことで、矛盾するように見えることは、まさにセロトニンが涸れてしまったような「激うつと希死念慮」の人の存在である。彼らは、どうみてもセロトニンが涸れているのに希死念慮が生じている。これは本来、激うつ状態と希死念慮~自殺企図には深い関係がある。うつ状態が極端に酷くなると、希死念慮は自然に湧いてくるものなのだろう。この状態に至ればセロトニンが多い少ないはあまり関係ない。伝達物質が涸れて生じる希死念慮と、セロトニン不均衡で生じる希死念慮があるのかもしれない。

若い人やまだ病歴の短い人は、激うつだからこそ希死念慮が生じる。ところが、そういうパターンが何度も繰り返されると、「希死念慮」は独立性を帯びて来る。希死念慮は癖になってしまうのである。だから、若い人やまだ病気になって間もない人で、希死念慮がいつもあるような人たちは、一刻も早く治療を開始すべきだ。希死念慮は放置してはならない。

初期の段階で、重いうつ状態および希死念慮の激しい人たちにECTをかけた場合、上に出てきたように、

1回目はともかく2~3回すれば、希死念慮自体が消失し、何が何で死のうと思ったのかはっきりしなくなるような人もいる。

これって、今から考えると、「出来たばかりの伝達経路」を破壊しているように見えなくもない。初期ではこれで済むのである。しかし僕の友人のように数十年続いている人は、もうそのパイプが太すぎてECTでもどうにもならない。僕は長年希死念慮が続いている人は、ECTはむしろ不適切だと思う。いずれは自分にあった抗うつ剤を選ばないといけないから。その方を真剣に考えた方が現実的だ。

このような考察から、長年続いている慢性的な希死念慮は、少しずつ治療を進めてうつ状態を改善していくしかない。それは生物学的には既に脳の傷になっているからだと思う。また、本人にとって心理学的にも大きなトラウマになっている。(←僕には珍しいフレーズ)

うつ状態を発症し急激に出現した希死念慮は、急性期を乗り越え適切な薬物治療を行えば跡形もなく完治する可能性の方が高い。しかしまずい治療や、本人が不十分な治療しか受けず、希死念慮が慢性化した場合は治療が難しくなるのである。

急性期に限れば、おそらく精神療法を重視した治療は良い方法とは言えないんだと思う。なぜなら時間がかかりすぎるから。時間が経てば経つほど、その脳の傷は深くなるような気がする。最もこの対極にある治療は間違いなくECTであろう。この治療は場合によればその日に完治する可能性すらあるからである。適切な抗うつ剤治療を行えば、ECTを使わなくても改善する可能性が高い。十分な薬物をそのような際に使わないから長患いになるのだ。

慢性化した希死念慮は時間をかけて治療するしかない。それは長年のトラウマが一朝一夕では消失しないことに似ている。このような長患いになった希死念慮を持つ患者さんは、ルジオミールなどのシンプルな抗うつ剤に加え、スターオブベツレヘムなどのトラウマに深く関係するバッチフラワーを併用すると良いかもしれない。

それにしても、ルジオミールは癒しの抗うつ剤というイメージはこれにぴったりである。
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コメント

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42 ■治療がうまくいきますように!

すみません、私が考えていた二種類は
>>(1)積極的に自殺しようとするような激しいタイプ
>>(2)消極的なタイプ(だらだら続く厭世観)
このイメージでした。うまく表現できず、なぜか全然別のことを書いてました。(SSRI的な無常観?はまた別の話で)
で、このエントリで語られてる希死念慮は(1)の話で、(2)はどちらかというとうつ状態の範疇なのかと思っていました…。

私も「なんとなく死にたい感じ」ぐらいなら、しばしば感じることがあるので、居眠り猫さんが書いておられるような、喜怒哀楽の系統の一種類に思える、という感じ、わかる気がしました。それで、自分は自殺を実行してみたことはないので「死にたい感じ」と「希死念慮」は別ものなんだろうと思っていましたが…。
 この「なんとなく死にたい感じ」は(2)の希死念慮の途上なのか、それとも、(あくまで私の場合ですが)自分の未成熟な感情が「死にたい」という表現とごっちゃになっているなど、単なる内面の混乱にすぎないかもしれませんし、いろいろ考えるところです。
…まあ、自分の頭の中で概念や考えをいじくることに、つい夢中になってしまうのですが、レーザー治療なり薬物なりが見つかって、世の中の治療がうまくいきますように!

43 ■残念なことに・・

良くなったのは希死念慮だけ(多分)みたいです。
うまく言えないんですが、人間としてのクオリティーで中の人は回復したんですが、外の人(外側)が低下した感じです。生活能力と言うか。
単に昔は仕事が合っていた(フリーで絵を描きまくる)だけのことかもしれませんが。環境も良かったです(交通手段に困らなかった)。

44 ■お返事、ありがとうございます。

そうですね。エゾウコギ酒の方ももうすぐ出来あがるので、そっちもしばらく試してみます。いつもありがとうございます。頑張って下さい。

45 ■ありがとうございます

友に朝伝えました。

ただリス以外の薬は何がいいんでしょうねえ。

でも、、まあリスを減らすと変わってくるかもしれないですね。

46 ■様々なケース、興味深く拝読

中途半端な治療では希死念慮が残ることは銘記すべきと思いました。私事になりますが、母から産まなければ良かったと当たり散らされつつ育ち、物心ついたときから「明日は目が覚めませんように」とお祈りして寝るのを日課にしていましたが、実際に希死念慮を持ったのは学生時代です。自殺企図1回で鬱病と診断され投薬治療と何だかよく分からない心理療法を受けましたが、希死念慮だけ残りました。大学を卒業して仕事の上ではそこそこ成果を上げることができ経済的にもそこそこ報われ、落ち着いているときは合理的に考えると死ぬ理由はありません。不惑を目前に子孫を残したいと考え、妊娠・出産したら非常に具合がよく薬物なしで行けたので授乳も1年半強して、妊娠から授乳期間中は希死念慮がないという不思議な経験をしました。ところが、親二人が次々に病に倒れ同時に数年間、介護して次々に看取った後、2度目の鬱病になり、トレドミンのお世話になっています。今回はこれで行けちゃうような気がしてきたところです。途中、妊娠から授乳期間の2年半だけ中断があるものの30年近い希死念慮です。今調子が良いときは希死念慮がない日があるのはトレドミンのお蔭か?と思っていたけれど、直接は関係ないのかも知れませんね。合う薬剤が早期に見つかると幸運ですが、そうでない場合にも30年前に比べて様々な選択肢があって根気強く自分に合う薬剤をさがせばよいという状況になっているらしいことは患者には朗報ですね。

47 ■Re:セロトニンと希死念慮

>>このエントリは主観で勝手に書いているので、そういう質問をされても

了解しました。

>>なぜか警告は出されたままですが。(←ここに注目)

警告が後づけで出されたのも気持ち悪いですね。

48 ■トリプタノール

トリプタノールはセロトニンに関与する分、希死念慮に関してはルジオミールに効果が劣るのでしょうか?

49 ■>>jyupein

その質問は僕が高校の時もあったような。

手を挙げた女子生徒にボロカスに担任が言っていた記憶があります。

50 ■>>ち~やん

>大病から奇跡の生還をしたり臨死体験をした人びとや宇宙飛行士が、
それまでとは人格がガラッと変わって
感謝と奉仕に生きるようになったりしてますね。

確かにそういう人を見ますね。テレビのドキュメンタリーで取り上げられたり。薬ができるかどうかは謎です。

51 ■>>みるちゃん

自殺に失敗して、半死になった時、すっかり死ねるように自分でトライする人は稀。

そんな時は人に助けを求めることが多いように思います。

52 ■>>Prudence

>>、レーザー治療なり薬物なりが見つかって、世の中の治療がうまくいきますように!

まあ、レーザーというのは本当にバーチャルな話で・・

53 ■>>tokumei

そういう人は、何か別な方法をとるとはっきりしてくるような気がしています。

54 ■>>あや

今後もいろいろと薬が発売されますでしょうし。

55 ■>>えり

2ch風に言えば・・

56 ■>>研修医

3環系や4環系はなにしろいろいろなレセプターに作用する、いわば抗うつ剤におけるMARTA系薬物なので、少なくともSSRIよりはずっとマシという考え方です。(個人的に)

トリプタノールはノリトレンに変化することもあり、トータルではそう悪くはありません。その他、鎮静的な薬物であること、強い抗うつ剤であることなどがメリットだと思う。

悪い点はルジオミール、アンプリット、ノリトレンに比べ副作用が強いこと。

57 ■返答ありがとうございます

別な方法・・主治医も、私も思いつかないんですよね。主治医は現在の状態で満足しているようですし。
先生の以前のリスパvsジプレキサのエントリにあったような、「志の高さ」みたいなものが先生と主治医は違うと、そのエントリをみた時にも感じました。

58 ■若いころからの希死念慮

「中学生ぐらいからぼんやりと自分は死ぬんだと思ってた」とおっしゃってた患者さんは、確かになんというか、うつ病の希死念慮とは違う感じがしました。
どこか途中で死ぬことが前提として、その副次的なプロセスを生きてきているというか、そのような考えの下で人生を送ってきている分、ちょっとリアリティーに欠けるというか薄い感じがします。

なんというか、本来普通に発達していくであろう、未来を思い描く回路が、まんま「希死念慮って事でヨシとしよう」となっているので、希死念慮セロトニン回路をレーザーで焼き切っても、問題解決にはならない感じがします。

59 ■無題

今回の記事はいろいろな方の意見も含め興味深く読ませていただきました。
私は、数年前(SSRI発売前)、ノリトレン・アモキサンで軽躁?状態になりました。主治医から指摘された訳ではなので、周りからわかる程ではなかったのかもしれませんが、確かに軽いハイな状態だったと思います。ルジオミールも似たようだった気がします。今までSSRIでこのような感じは全くありません。私は何となくですが、ノルアドレナリン系は避けたい気がします…。トリプタノールは良かったのですが、副作用を言ったらアッサリ変薬されました。
私の希死念慮は、薬では消えないように思います(T.T)。離人感も希死念慮の近縁でしょうか?

60 ■>>gestaltgeseltz

パーソナリティ障害のような文脈で考えるから、そういう風に感じるのです。

僕はそういう考え方はしません。

61 ■>>ririka

私の希死念慮は、薬では消えないように思います(T.T)。離人感も希死念慮の近縁でしょうか?

消えていないからそう思うだけです。

あと離人感は希死念慮ではないですが、このような離人感やアンヘドニアが自殺企図に繋がっているように思います。

62 ■デジレルはどうなんでしょうか?

以前先生に処方のアドバイスを戴きました。
診断は強迫性障害、以前の処方は

デプロ      150
アナフラ     75
エビ        1.5
ルーラン     4

で服用し、先生にいい処方といわれましたが、今はこうです

デプロ     200
デパケンR  400
リボトリール   1

実際、強迫は良くなったのですが希死念慮が悪化しました。また、デプロを増やしてから焦燥感が酷く、痙攣発作を起こしました。
そこで減薬したところ退薬症候群で痙攣発作を起こしましたw
現在のところ、SSRIの退薬症候群への対処法はSSRIを元の量まで増やすしかないと聞いており、今日医師の指示で200に戻したばかりです。

このエントリを見てルーランやエビが効いていたことは理解できましたが、この焦燥感に対してデジレルはどうでしょうか?
デジレルもHT2A遮断作用を持つとどこかで見たような記憶があります。
デジレル50ミリが20シートほどあるので有効なら試してみたいと思うのですが…

アドバイスお願いいたします。

63 ■>>たっく

貴方は希死念慮もあるし、デプロメールでやりすぎてはいけないタイプなのだと思います。デプロメールはいったん漸減し中止するくらいの対応で望む方が良いです。それだと強迫が悪化しますが、仕方なくカタプレスくらいで対応します。こういう処方

カタプレス 2T
アナフラニール 50~75mg
リボトリール  1~2mg

抗うつ剤は、あるいは一時はルジオミール、ノリトレンなどが良いかもしれません。これは強迫には効果が薄いですが、それ以外の悪い影響がないからです。

64 ■>>たっく・続き

あとデパケンなどはマイナスにはならないでしょう。デジレルは今の症状の改善にはあまりならないように思われます。不眠には多少は良いかもしれません。

65 ■無題

ありがとうございます。

私の感覚だと、強迫観念の上に希死念慮、神経症性抑鬱、双極性障害、一過性の幻覚がある感じがします。
それらは強迫観念の上にあるという点では共通していますが、別個独立して存在しているように感じます。
SSRIで強迫を取ると躁状態になり、
抗精神病薬で幻覚を取ると強迫が悪化し、
SSRIが足りないと鬱になります。

まさにもぐら叩き状態で、私、主治医とも苦労していますが、四環形はまだ試みたことがありませんでした。

光明が見えた気がします。ありがとうございます。

66 ■>>kyupin先生

勉強していった結論(むしろ思い込み?)としてECTは回路を強制的に亢進するイメージがあります。
そう考えると、生存本能をECTによって強制的に亢進する→希死念慮が生存本能を亢進することによって消える。
不可逆的に障害されている→ECTにかけても生存本能が復活しない→希死念慮が消えない。
このように考えると、ほんとどの患者さんにおいては希死念慮が消失するけれども、一部の患者さんにおいては消失しない事を説明出来るのではないでしょうか?
こう考えた理由は「生存本能のような物は本来存在するはずである」、ということと「希死念慮を起こさせるような回路は本来存在しえない」、という前提を説明できる気がします。
一方でkyupin先生が言われている「原始的」な回路ほど障害されにくい(?)ということも非常によくわかります。
自分が臨床で経験を積めば、また違った結論になるのかも知れませんね。

67 ■近況報告と質問

お久しぶりです。

以前,Dr.にルジオミールをすすめられ,今も服薬中の者です。
 私は,そして我がドクターも,双極Ⅱあるいはその周辺にいて何となく感情・気分の波に戸惑っているような,そんな症状だと思っています。
 ルジオミールは,飲み始めは10mgとか20mgとか少量でもガツンと来ましたが,しばらく飲んでいると抗うつ剤飲んでるって感じがしなくなって,でも全体的に良い感じにまとめてくれるような気がします。
 精神科ではじめて飲んだ抗うつ剤はトレドミンでしたが,そのときはメチャクチャ効いてる感じがしてドクターにこんなによくなりましたよ,って立ちながら説明するような,今にして思えば軽い躁転ですよね,そんなのがルジオミールではないから安心して飲めます。
 飲んでることを忘れるけど,飲まないと調子が悪い。まさに下から支えてくれる薬です。
 ルジオミール 就寝前 75mg/day
ランドセン   1mg~2mg/day
 コントミン   就寝前25mg
 こんな感じで何とか仕事しながら生活しています。
質問 コントミンが採算がとれなくて製造中止になるかもということを見聞きしますが,可能性はありますか?
レボトミンだと自律神経系副作用が効果を上回って困るのですが,コントミンはほとんどそういうのがなくて好きなのですが。ゾロでもいいから作り続けて欲しいです。


68 ■無題

エントリありがとうございます。
自分は自殺未遂→失敗→だらだらした厭世観及び希死念慮→連続自殺未遂→厭世観希死念慮→連続自殺未遂→厭世観この繰り返しです。

この間に消えてなくなりたいこともあります。現在は鬱状態ではないのに死にたいのです。死にたいのは苦しいです。死ぬしかないような現実もありますが死なないで済ます方法もあります。それでも死にたくなる。死にたいのは苦しいのです。死にたいという人ほど死なないという人もいます。自分もなぜ自分が死ねなくて一回で死ぬことのできる人がいるのかと思います。苦しくて苦しくてECTでもかけてほしい。でもECTは向いてないそうです。スターオブベツレヘムを飲み始めました。鬱ではないということでルジオミールは処方されませんでした。。

69 ■>>学生

僕は「○○本能」のようなまとまったものは不可逆的に障害されていることはないように思っています。傷が入っていて、その症状がなかなか消えないというのはあるかもしれませんが。

70 ■>>肥後っこ

コントミンはアンプルもあるような薬なので、なかなか中止にならないと思います。基本的な薬ですし。

あと、採算割れの薬はすごくたくさんあるように思います。

71 ■>>sinitai

うつではないというのが僕にはよくわかりません。貴方をみていないですし。何がしか抗うつ剤を使うと今よりはよくなるような気がしますが。

72 ■無題

自分の中で非常に納得がいきました。ご返事ありがとうございます。

73 ■無題

あれからつらつらと考えてみました。
私が死にたいという気持ちをただの感情のひとつだと思っていたのは、それがこれまでのところ意思に化けなかったからかもしれません。
たいていはふと電車に飛び込みたくなる程度、唯一の行動化が遺書を書いたことだったという程度のことですので。
私個人にとっては淡い恋心の存在のしかたに近い、と言えば感じが伝わるでしょうか。
それは時々やってきて、ある程度の期間留まった後去っていきます。身の内に留まっている間は折りに触れて意識されますが、他の喜怒哀楽がなくなるわけではありません。

74 ■無題

ありがとうございます。死にたくて苦しいことが多いですが、薬を飲むと寝てばかりいて何もできません。何もできないと焦ってまた死にたくなります。鬱でないと言われたのは死にたいと苦しんでいた五分後にはけろりとして遊んでいることがあるからだと思います。その五分後には死にたいと苦しんでいることもそのまま遊び続けることもあります。一日中死にたいと苦しんでいることもあれば半日で死にたくなくなることもあります。これはラピッドサイクラー双極性障害二型なのでしょうか。

75 ■>>居眠り猫

>>たいていはふと電車に飛び込みたくなる程度、唯一の行動化が遺書を書いたことだったという程度のことですので。

結局は量的な差しかないような気がしています。

76 ■>>sinitai

あなたは、ひょっとしたら、

リーマス800~1200かデパケンR 800どちらかが良いかもしれないですね。

77 ■無題

>>kyupin先生
量的な差でしかないというのは、ひとつまみでも袋入り1kgでも塩が塩であることになんら変わりはない、というようなことですよね。
わかったような、わからないような。でも、ある日突然得心するかもしれません。
しょうもない質問に付き合っていただいてありがとうございました。

78 ■一番怖いのは薬でしょう。

こんばんは。

診断書に悲壮感・希死念慮が強い。と書かれていました。
現実、希死行動も起こしていました。
山中をさまよい、あの時、釣りをしていたおじさんが、私の車をノックしていなかったら、死んでいたことでしょう。
その時の感情などは、いまだにわかりません。

パキシルを処方された時は、気分の落差が激しく、時には何でもできる気分でした。
この「何でもできる」と言う意味は、家事ができるかも・・とか、買い物に行けるかも・・とかとの意味ではなく、あたしは空も飛べる!というような気持ちになるのです。
きっとそれを実行していれば、死ぬことは当たり前。
でも、そんなことすら思えない状態です。
かと思えば冷静?なのか遺書を書き、ODもしました。

パキシルのせいで、体重は倍になり、いろいろな自分が現われてきたようでした。
でも、自覚はありません。

結局、ゾロフトを処方されました。
微熱と下痢が続き、だるくて動けなくなりました。

様子がおかしいと血液検査の結果、肝機能障害を起こしており、急に太ったせいもあり、ナッシュと診断されました。
いまだ、有効な薬も無いと言われ、5年後、10年後の生存率に関しても聞きました。
でも、それを聞いた時、やっと消える時期が来るんだと思い、うれしかった事を覚えています。

また、ゾロフトからデプロに変わり、眠れないので眠剤も変わりました。
ロヒプノール2mg/1day
レスリン75mg/1day(眠剤ではないけれど)

私的にはイソミタールが一番良かったのに。

安定剤は、もうどうでもいいです。
何でもどれでも、好きに調合してくれればいい。

きっと担当医も手探りで、薬を処方していると思います。大変ですよね・・。

結局、薬に助けられているのか、薬に殺されかけているのか、よくわかりません。

小さな薬に、脳がこれほど翻弄されるなんて・・。

79 ■だらだらと

僕のパートナーは、だらだらと思春期頃から続く「終わりにしたい」欲求があります。実行に移した事はなく、僕を看取って欲しいとお願いしてるので、今後も実行に移すことはないと思ってはいますが…。
数年来うつ状態が続いており、現在はLi 400mg,パキシル40mg,トレドミン25mgです。
一時ジプレキサ2.5mgを試したときは、調子もよくなったのですが、体重増と変な買い物欲(これはもう手に入らなくなってしまうと言った強迫的な)が出て中止になりました。
パキシルが一旦入ってしまってるので、主治医はパキシルの減量には慎重です。

このエントリを読んで、彼女の希死念慮?もうつではない所から来ているような感じがしました。

彼女の母親は躁鬱でややアスペっぽい印象、父親もどちらかというとアスペっぽい印象です。
そんな両親に育てられたせいもあるのかもしれません。

なかなか難しいものですね。

80 ■はじめまして

はじめましてでいきなりこの記事に書き込みをするのも如何なものかと思いますが最近ちょくちょく勉強がてらこちらに出入りさせていただいております。
自分も希死念慮等あり、うつ状態とのことで薬を服用しているのですが、自分の様子もみていてたしかに病態とは独立した個人の世界になっちゃってる人も居るかもしれないなあ……と思いました。
自分もそんな感じだったりするので惰性でダラダラ過ごしています^^;
「あ!希死念慮が消えてない!」
って患者さんの声がリアルに聞こえそうな……まあいいや。
またちょくちょく覗かせていただきますねm()m

81 ■はじめまして。

はじめまして。

いきなりですが、先生はどちらで精神科医をなさっているのでしょうか?私も長年希死念慮で悩ませれてるので一度診て頂きたいのですが・・・。

82 ■匿名性

>タムタムさん

すみませんでした。
「はじめにお読み下さい」を読んでいませんでした。先生のお気持ちお察しいたします。

お伺いしたいのですが、希死念慮には先生の書かれている薬を処方して貰えばいいのでしょうか?

83 ■無題

はじめまして、岐阜県在住の男性40歳です。現在は6年程前に発症した双極性障害2型で自宅療養中です。

「子供の頃から続く希死念慮」についてですが、私も物覚え付いた頃から奇死念願がありました。ほんの数年前までは、誰もが希死念願を持っていると思っていたくらいです。逆に持っていない事を不思議に思ったくらいです。

もちろん今も持っていますが、それが普通の事ではないと分かった今では抑えようとしています。しかし情緒不安定になるとその念願が強くなってしまい、最近では8月に3日連続でオーバードーズしてしまいました。幸い大事には至って居ません。

過去に一度だけ本当に死と直面した事がありました。オーバードーズで首の左半分に大きな出来物ができ膿みがたまってしまい、放っておくと血管を通って脳に入り死に至ると言われました。緊急入院し、即日手術でした。その際に、顔から首にかけての左半分に後遺症が残る可能性があると言われ、それでも手術しますか?という誓約書にサインを求められました。しかしその時「サインしなければ死ねる」とも思いました。とは言え周りに妻や両親が居たのでサインをし手術しました。

その後は過度の飲酒によりアルコール依存症になり専門病院に入院しました。入院直前は肝臓の状態が非常に悪く、このまま飲み続ければ確実に肝硬変もしくは痴呆になると言われました。このときも少し嬉しかったです。今は周りの支えもありアルコールは断っています。1年程経ちました。

今は2週間に一度精神科とカウンセリングに通っています。このメッセージで結局何を求めたいのかは自分でも分かりません。記事を読んだらとにかく伝えたいという気持ちに駆られキーボードを叩きました。

気が向いたり、興味がおありでしたら返信頂きたいと思います。

以上です。

84 ■ジプレキサ

希死念慮が出現したり消えたりを、もう何年も繰り返している私には大変興味深い記事でした。

ジプレキサが現実に引き戻すというのを私は実際に体験しましたよ。

ジプレキサが希死念慮に悪影響があったとしても、飲まないと現実にいる人達と話せなくなっちゃうので飲みますが…

85 ■私は希死念慮があるのに

薬があわず、抗うつ剤はやめ、セロクエルとルーラン、処方薬でした

7月に大きな服薬で救急車のお世話になったあと事故相手の精神加害で幻聴などを生じての処方だったのですが、このあとも11月に服薬、今度の4月は致死量超える服薬でした

先生のこの記事読んで、希死念慮にはあまりよくない薬剤?って疑問に感じました。
(;´д⊂)

薬には苦労してます

86 ■無題

死にたい。
死にたい、死にたい、死にたい、死にたい。

私の人生における選択は間違いばかりだった。
そもそも、生まれてきたことじたいが間違いだった。

心の中を叫びたくても叫ぶ相手なんてどこにもいない。
そもそも、友達なんて一人もいない。
八つ当たりかもしれないけれど、ネットで本心を書き散らさないとやっていられない。

87 ■追記

どうして、発達障害者として生まれてきてしまったのだろう。
どんなに気休めを言ったところで、コミュニケーション能力にハンデがあることには変わりがない。
一生背負って生きていかなくてはいけないんだ。。
最初から、生まれて来なければ良かった。

88 ■横から失礼します

>タムタムさん

kyupin先生がブログ読者を診察なさることはありませんよ。理由は過去ログを参照してください。
かなりの読者を持つブログですから、ここで勤務先を明かしてしまうと、新患の患者さんが大勢詰めかけて、今いる患者さんの診察もままならなくなるのかもしれませんね。
コメント欄への返信も最近はやめておられるので、返事がほしい場合はメールしてみるのも手かもしれませんよ。

89 ■Re:>>Prudence

>kyupinさん
初めて書き込みします。私は双極Ⅱと通っていたクリニックと入院先で昨年診断されました。(初入院は16年前抑うつ神経症と診断)双極と分かるまでは落ち込んで鬱状態になると、自分の存在が無価値に思え消え去りたいと何度もODを繰り返しています。立て続けに毎日、今日も目覚めてしまった、と表現できない気持ちで今日こそ3日目に倒れているのが見つかり救急車で翌朝目覚め「また失敗に終わったか」と呟いていました。 なのでその位苦しく辛い患者もいることを知って欲しいです。たまたま見た双極Ⅱの方のブログでもおなじことが呟かれていました私だけではないと思います。

90 ■死に直面するような極限状態

お金がなくなったら生活できないから死ぬしかないと医師に言ったら、「食べ物も無い、水も無い、そういう極限状態を経験すれば新たな発想が生まれると思いますよ」と言われました。

断食修行か瞑想かなあ・・・。

91 ■Re:死に直面するような極限状態

>ふみさん

自分でできるものでは、ロゴセラピー(実存分析)の逆説思考が良さそうです。

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