マスターズ・オブ・ホラー/愛しのジェニファー
アメリカのテレビオムニバス・シリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」の作品のひとつ。監督は『サスペリア 』『フェノミナ 』のダリオ・アルジェント。
【STORY】
ホームレス風の男が若い女性を刃物で殺そうとしている現場を偶然発見した刑事のフランク。再三の警告を無視して女性を殺そうとしたため、フランクは男を銃撃する。男は最後に「ジェニファー」と言い残して息絶える。ジェニファーとは、その若い女性の名前。ジェニファーは、美しいブロンドの髪と類まれなるプロポーションを持ちあわせていたが、その顔は思わず眼を背けたくなるほど醜く、黒く淀んだ瞳が不気味さを漂わせていた。彼女の身元が一切わからないため、施設へ収容されることとなった。しかしそれを哀れに思ったフランクは、しばらく彼女を引き取ることに決めた。しかし、そのときにはわからなかったジェニファーの恐るべき生態が明らかになる…。
【REVIEW】
「マスターズ・オブ・ホラー」とは、アメリカで放送されたテレビ番組のオムニバス・シリーズ。ホラー映画の名だたる巨匠13人による1話が約60分のオムニバス形式になっている。
思わずよだれが出ちゃいそうな夢のラインナップ。ナイスだ、ミック・ギャリス。
日本では「恐-1グランプリ」なる、イベントがくっついているのがよくわからんが。
さて、とりあえず1発目は、ダリオ・アルジェント監督の『愛しのジェニファー』。
相変わらずアルジェントの作品で重きをおかれているのがヒロインの存在。今回は普通とはちょっと違うが、とてつもない重荷を背負ったかわいそうなヒロインという解釈ができるだろう。
ナイスバディの持ち主であるジェニファー。心もとてもピュアなのだが、獣のようなその生態。なぜそのような容姿で、そのような行動に出るのかは作中では一切明らかにされていない。
さすがにナイスバディでもあの容姿ではとも思うが、徐々にのめりこんでいく冒頭の男やフランク。ジェニファーには何か特別なパワーがあるということか。
警官という立場もあり、身元を引き受けた以上、必死にジェニファーを保護しようとするが、ジェニファーは本能のおもむくままに行動して手が付けられない。なんだか、介護疲れで追い詰められて殺してしまう事件が時々あるが、それを思い出してしまい少し切ない。向こうにも介護疲れってあるのかな。
ラストにかけてのストーリーは、いたってオーソドックスで、オチも予想するに難しくない。しかしジェニファーの強烈なキャラクターが目を離すことができずに最後まで観てしまう一番の要因か。おそらく、観る側をフランクの立場に立たせることができた見事な演出なのだろう。
何にしても、たった60分の中にもアルジェントらしさが出てた作品だった。原色の照明はないが。
●関連作品
『歓びの毒牙
』
『サスペリアPART2
』
『サスペリア 』
『インフェルノ 』
【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★★8
えげつない度:★★★★★★★7
何でも食べすぎ度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★7
【INFORMATION】
・原題:Jenifer
・製作年:2005年
・製作国:アメリカ
・監督:ダリオ・アルジェント
・脚本:スティーヴン・ウェバー
・出演:マーク・アッチェソン、ジェフリー・バラード
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