マスターズ・オブ・ホラー/世界の終わり | KURI of the DEAD

マスターズ・オブ・ホラー/世界の終わり

アメリカのテレビオムニバス・シリーズ「マスターズ・オブ・ホラー」の作品のひとつ。監督は『遊星からの物体X』『マウス・オブ・マッドネス』のジョン・カーペンター。


【STORY】
経営難の映画館を抱えるカービー・スウィートマンは、希少な映画フィルムを探し出し、コレクターに売るという副業をしていた。ある日、大
富豪ベリンジャーから依頼されたのは、フランスのホラー映画『世界の終わり』という作品。この作品は、過去にたった一度だけ「シッチェス映画祭」で上映されたことがあった。そして、そのときの観客がいっせいに気が狂い暴動を起こし、2度目に上映されたときは映画館が家事で全焼するという、いわくつきの作品といわれていた。この映画は未完成で、現存するのはプリントされた1本のみ。手がかりを求めてニューヨークまで会いに行った映画評論家のマイヤーズの警告も気にせず、フィルムを探すことに必死になるカービーだが、その存在に近づくにつれ、周囲で不穏な出来事が次々と起こり、カービー自身も奇妙な幻影にとらわれはじめる…。


【REVIEW】
名作『マウス・オブ・マッドネス』を彷彿とさせるような狂気と世界の深淵を描いた作品。あちらは小説だったが、今回は映画フィルム。


観ると気が狂ってしまうホラー映画。そして過去に一度だけしか上映されなかった映画。フィルムは世界に1本しか残っていない。果たしてどんな映画なのだろうか?ホラー映画好きでなくとも、なんかワクワクする設定ではないか。
この導入部分が多くの人の興味を惹きつけたに違いない。


原題の『CIGARETTE BURNS』とは、フィルムチェンジの目印となるパンチ・マークのことらしい。作中の映画『世界の終り』では、このパンチ・マークのときになると観客は何かしらの衝撃を受け、精神を揺さぶられる感覚に陥ってしまうようだ。

うーん。観てみたいような、観たくないような。


主人公カービーは冒頭でのセリフ「映画は魔法だ。凶器にもなりうる」が、これから起こる恐怖を案じさせ、とても印象的。
また、映画評論家が「これは映画ではなく、むしろ観客全員の脳に発射された弾丸である」というセリフも出てくる。
映画づくり長年携わってきたカーペンターの映画に対する愛情と畏敬の念が感じられる。映画は多くの人を魅了するが、時には病的なほどその
映像にとりつかれ、よくない結果を生むこともあるという警告のようなものも感じる。今回は息子のコディ・カーペンターが音楽を担当するほどの?力の入れ具合。


作中の映画『世界の終り』は、簡単に言うとこの世の終わりに天使が降臨するという設定みたいだ。作中でいくつかののシーンが流れるが、実に好奇心と想像力を刺激させられる内容。しかも、このときには本物の天使が出演しており、その天使が捕らえられて今も生きていることになっている。人間のエゴの犠牲になって、見る影もない姿に変わり果てた哀れな堕天使。


ラストシーンで連れて行かれる世界は、『マウス・オブ・マッドネス』以上の狂気に満ちた世界。
この世界観はさすがカーペンター。


人々の心を狂わすほどの映画。ある意味、映画の作り手側にとって究極の目標でもあるのかもしれない。


●関連作品

マスターズ・オブ・ホラー/愛しのジェニファー

マスターズ・オブ・ホラー/ゾンビの帰郷



【MARKING】
オススメ度:★★★★★★★★★9
えげつない度:★★★★★5
ウド・キア存在感ありすぎ度:★★★★★★★★8
禍々しい度:★★★★★★★★8


【INFORMATION】

・原題:CIGARETTE BURNS

・製作年:2005年
・製作国:アメリカ
・監督:ジョン・カーペンター

・脚本:ドリュー・マクウィーニー、スコット・スワン

・出演:ノーマン・リーダス、ウド・キア、クリス・ブリットン、グウィニス・ウォルシュ


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