大地震、原発事故が起こって以来、どうしても涙もろくなってしまいました。
津波に襲われる映像を見て、避難所から肉親を捜す声を聞いて、身の危険を顧みず、原発事故に立ち向かった方々を映すニュースを見て、インタビューを聞いて・・・。
残り少ないガソリンを気にしつつ出勤すると、仙台に家族のいる同僚が、久しぶりに顔を見せました。
「御家族は、だいじょうぶだった?」
「ええ、でも気仙沼に住む親戚二人の行方が分からなくて。
いとこのほうは、たぶんもうダメだなって。津波に飲み込まれたようですから。」
気仙沼_。
NHKのニュースで、22日ここで行われた中学校の卒業式の様子を伝えていました。
行方の分からない我が子の代わりに卒業証書をもらう父親の姿。
声をつまらせながら式辞を述べる校長先生。
そして答辞(にあたる言葉)を(「読む」のではなく)語る代表の生徒。
普通の時なら、送辞、答辞は、指導してそれなりの形にまとめ、当日に読み上げさせることが多いもの。
しかしこの代表の生徒さんは、心からの気持ちを、涙をこらえながら、語っていました。
「苦境にあっても天を恨まず、助けあって・・・。」
最後に、伝えた言葉です。心中いかばかりか、と、ここでも涙でした。
大地震後の度重なる余震。追い打ちをかけるように襲ってきた原発事故の危険。
私たちの学校も卒業式を中止せざるをえませんでした。
本来なら、今日がその日です。
ところで、茨城に住む、お子さんが6年生の音楽教室の先生がいらっしゃいます。
先日、その先生のブログに、息子さんの卒業式の様子が紹介されていました。
茨城も少なからずこの地震の被害があり、卒業式も通常の形をとれなかったところも多々あるとお聞きします。
そんな中で、本来の形の卒業式が出来たことは、幸いでした。
今、けっこう多くの学校で行われている対面式のようで、本校もこの形をとっています。
許可を頂き、そちらのブログのアドレスを載せておきます。
拝見すると、現代の卒業式の様子が分かりますよ。
今回、、この件についてのやり取りの中で、素敵なコメントを書いていらっしゃいます。
「今回の卒業式は、この学校の卒業式ではあるのですが、何だかもっと大きな、うまく言えませんが、うちの 学校の卒業生だけのもの、という様な閉鎖的なものではなく、体育館にいるのですが、外にいる様な、もっと大人数で卒業式を行なっている様な、、そんな独特な雰囲気が漂う式でした。」
きっと、今回普通に卒業式が出来なかったみんなの気持ちが、そこにあったに違いありません。