監督：ライアン・クーグラー
ｷｬｽﾄ：チャドウィック・ボーズマン／マイケル・B・ジョーダン／ルピタ・ニョンゴ
配給：ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開：2018年3月
時間：134分
全米で歴代５位のオープニング興収，３週連続１位という快進撃を見せるマーベルの話題作がついに日本上陸。日本ではなぜか『ドラえもん』に初週トップを譲る結果になったが，アメコミ史上最初の黒人ヒーロー『ブラックパンサー』を今夜は紹介。すでに『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』にも登場していたが，単独作でこれほどの作品に仕上げてくるとは嬉しい想定外だった。監督は長編３作目となる黒人のライアン・クーグラー。“ブラックパワー”で押し，しかもキッチリと魅せる１本。
アフリカの秘境に隠れるように存在している超文明国ワカンダ。国王であった父ティ・チャカ（ジョン・カニ）が，ソコヴィア協定署名式の爆破テロで死亡したのを受け，息子のティ・チャラ（チャドウィック・ボーズマン）が急遽王位を継ぐことに。しかしワカンダの国王はある重要な使命を帯びていた。それは，世界を崩壊させるパワーを秘めた希少鉱石“ヴィブラニウム”の存在。歴代のワカンダの王はこの鉱石が悪の手に渡らないよう国の秘密を守り，一方でヴィブラニウムを研究し，最先端のテクノロジーを生み出していた。同時に，世界中にスパイを放つことで社会情勢を探り，ワカンダを世界から守ってきたのだ。儀式を終えたティ・チャラは国王にして国の守護者“ブラックパンサー”に即位するが，まだ王となる心構えを持てず，元恋人ナキア（ルピタ・ニョンゴ）への思いも断ち切れず，代々受け継がれた掟と父の意志との間で葛藤する。
そんな中，恐るべき野望を秘めたアメリカの元秘密工作員エリック・キルモンガー（マイケル・B・ジョーダン）がワカンダの秘密を知り，武器商人のユリシーズ・クロウ（アンディ・サーキス）と組んでヴィブラニウムを手に入れようと暗躍を始める。親衛隊“ドーラ・ミラージュ”の隊長オコエ（ダナイ・グリラ）とナキアを連れて乗り込んだ韓国・釜山の取引現場には，おとり捜査をするCIA捜査官エヴェレット・ロス（マーティン・フリーマン）がいた。取り逃がしたキルモンガーだったが，国王の座を狙ってワカンダに潜入。ヴィブラニウムのパワーを手に入れ，世界征服を目論んでいた…。
展開は『マイティ・ソー』と被らないでもないが，地球に根差している分，捉えやすい。攻勢をかけてきたDCEUとの差別化を，アフリカ文化を背景にした迫力ある美しさと意外性で映し出す。“フェイズ3”以降のMCUを担うヒーローとして，先に単独デビューした『アントマン』や『ドクター・ストレンジ』や『スパイダーマン』と共に描かれてゆくだろう世界が，また期待で膨らむ。ティ・チャラの妹で16歳の天才科学者・発明家シュリ（レティーシャ・ライト）の吹替は“ももクロ”の百田夏菜子が参加。
さぁて，来月27日公開の『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』への期待とドキドキ…またまた高まってきた♪
ｸﾀ評：★★★★★
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『ブラックパンサー／ワカンダ・フォーエバー』(2022年)