- ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉/プレジデント社
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未来の働き方を考える一冊。
私たちは、いつも仕事に関する悩みを持っています。
これはやりたい仕事かどうかと自問し、この仕事を何時まで続けられるのかということが気になり、取り巻くビジネス環境の変化に取り残されることへの不安に駆られます。
そんな、働き方への不安に対して真っ向から考え直してみることをさせてくれる本です。
この本の中で、そんなビジネス環境の変化を5つの要因(テクノロジーの変化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、エネルギー・環境問題の深刻化)を元に未来への働き方の変革を予想しています。
面白いのは設定を2025年にして、その時の状況を登場人物や背景をはっきりさせて物語として描いているところです。
2025年のある日、その人は朝起きてどんなことをし、どういった状況で仕事をしているのか、そしてその時に起こっている問題とは何なのかを描いています。
まぁ、この手の未来予想というのは結構突拍子も無く見えてしまうわけで、誰も未来のことなどわからないのでその状況が正しいかどうかなんてわかりません。
ただ、未来を予測する上での5つの要因というのは、現在起きていることではありますので、その延長線上にどんな未来が待ち構えているのかというのを自分なりに予測するインプットにはなりえます。
この問題は決して自分だけを中心に考えられる問題ではありません。
自分がどう変わっていけばいいのかというのは自分たちの子供や新しく入社する新しい世代という人たちの考え方にも大きく影響を受けます。
働き方もお金を貰うためだけという割り切り方をして趣味の世界や仕事での充実感を得たいという人もいますし、もっとお金を稼いで豊かな生活を送りたいという考えを持っている人もいます。
どちらかというと、私たちは後者の考え方に偏重してきました。
働くというのは決して自分の好きなことだけをできるものではなく、ただお金は働かないといけない手に入らないから辛いことも受け入れられなくてはならないような雰囲気は自分の親の世代の働き方を見ていて自然に頭に植え付けられれますが、この考え方も世代とともに変化するだろうと予想しています。
私自身はエンジニアとして以前に、「クラウド時代のエンジニアの活きる道 」という記事の中で、エンジニアの働き方の変化を少し書いて見ましたが、ITという今やきっても切れないインフラを支えるエンジニアでさえ、未来的には二極化して中途半端な技術を持つエンジニアは淘汰されそうです。(そして、技術はそれほどでも無くてもアイデア次第で活躍できる)
決して安心できる職業でもないわけですね。
この本の中では、そういった状況を打破するためには、色々なことを幅広く知っているゼネラリストではなく専門技術を深くまで追い求めたスペシャリストになる必要があると説いていますので、エンジニアとして食べていくには二極化する一旦の方を目指す必要があるということが伺えます。
もう一度言いますが未来など誰も予想はできません。
ただ、今の自分たちの行動の先に未来はつながっています。
そのことについて、この本では「漫然と迎える未来」と「主体的に築く未来」という視点で大きく変わってくるだろうと言っています。
自分たちがなるようになるだろうと何も行動しなければ未来での問題は大きくなります。
未来にあるべき姿というのを描き、それを実現するためにはどうすればいいのかというのを考えて行動する必要が出てくるわけです。
働き方さえも、そんな変化に飲まれて変わっていくわけですから、どうやって働いていけばいいのかというのを未来に向けて考えないといけないのかもしれません。
目次
第1部 なにが働き方の未来を変えるのか 第1章 未来を形づくる五つの要因 第2部 「漫然と迎える未来」の暗い現実 第2章 いつも時間に追われ続ける未来 - 三分刻みの未来がやってくる 第3章 孤独にさいなまれる未来 - 人との関係が断ち切られる 第4章 反映から締め出される未来 - 新しい貧困層が生まれる 第3部 「主体的に築く未来」の明るい未来 第5章 コ・クリエーションの未来 - みんなの力で大きな仕事をやり遂 げる 第6章 積極的に社会と関わる未来 - 共感とバランスのある人生を送る 第7章 ミニ企業家が活躍する未来 - 創造的な人生を切り開く 第4部 働き方を<シフト>する 第8章 第一のシフト - ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ 第9章 第二のシフト - 孤独な競争から「協力して起すイノベーション」へ 第10層 第さんのシフト - 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
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