なぜ省庁はムダづかいをするのか? |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

  「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

突きつめれば「命どぅ宝」!
【新】ツイッター・アカウント☞https://twitter.com/IvanFoucault
徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

今週は
TPP>や<規制緩和>や<構造改革
を念頭に置いて書いております


前々回は、
古賀茂明氏の講演動画の内容を見聞きするかぎり、
小泉政権始動して間もなく発表された「骨太の方針」と同じなのではないか、
その事から結局は、
大企業ハゲタカだけオイシイ思いをするための経済環境を用意する構造改革」を
それは、つまるところ、
新自由主義政策
を再現するつもりではないのか、
と主張させていただきました。
古賀茂明氏の動画と小泉政権の「骨太の方針」

前回は、
国内に向けては財政危機だ」と叫び、
そして海外に向けては日本は財政危機ではない
という財務省の二枚舌ぶりを確かめました。
日本国民には「財務危機だ」、海外には「日本は財務危機ではない」と叫ぶ財務省!?

 つまり、その事から、
日本は財政危機だから」、
増税しなければならない」、
あるいは「構造改革しなけらばならない
という主張は、
ペテン
詭弁である事を確認しました。


その事から、逆にいえば、
消費税を増税するため
あるいは、(大企業ハゲタカだけオイシイ思いをするための経済環境を用意する)「構造改革を行なうため
財政危機ペテン説
利用されているのではないか
と穿(うが)ちたくなるようなデータや事実を、
見てきました。
 
しかし、省庁のお役人の仕事観に、
問題がない訳ではないことを、
踏まえておきたいと思います。


TPP>や<規制緩和=自由化>、<構造改革>を扱っている今週において、
唐突に、このテーマをあつかう理由は3つ。

①じじつ、官僚の仕事観に問題があること。
そしてムダづかいがある事。 

②しかし、
維新の会」や「みんなの党」を批判する者

イコール、
既成既得権益に肩をもつ国賊
という、短絡的な二項対立で見られることを、
避けたいから。

③省庁の官僚の仕事観に問題があり、
また、予算のムダづかいがあるとしても、
「構造改革」や「自由化」や「規制緩和」など、
市場原理主義新自由主義(ネオリベラリズム政策”が、
その解決手段である必然性がない
し、
新自由主義政策を採用する理由必然性がならないから。


官僚のムダ遣い」だけが、
ほんとうに
粗債務で1000兆円の借金の唯一の原因なのか?という問題意識を持っていただきたいから。


そういうわけで、今回は、
省庁の在り方の問題点を、
一緒に押さえていきたいと思います。
 
省庁の官僚の仕事観を踏まえ、
そして、なぜ官僚は、ムダ遣いをするのか
を押さえるために、
大村大次郎『悪税が日本を滅ぼす』から、
勉強してみたいと思いま
す。

以下引用。
----------------------------------
<省庁の権益しか見えない官僚たち>

キャリア官僚というのは、
国家公務員全体の2%以下しかいない。
たった2%足らずの人数で、
国の機関をすべて支配している。

 かといって、キャリア官僚が
一枚岩というわけではない

 
 キャリア官僚は、
 各省庁に採用され、
それぞれが反目しあっているのだ。
各省庁同士の人材交流というのは、
ほとんどない。

だから官僚たちは
閉鎖された省庁の中でしか生きることがない。
必然的に省庁の権益ばかりを優先して
考えるようになる

 いかにして他の省よりも

多くの予算を分捕(ぶんど)るか
いかにして天下り先を多く獲得するか
そういうことに躍起になる。

 省庁同士が協力して行政をよくしよう、
 などという考えは まず出てこない。

 
 同じような施設を
同じような場所に
同じ時期に、
別々の省庁が
いくつも作ってしまう
という税金の無駄遣い話は
枚挙(まいきょ)に遑(まいきょ)がない
それは、官庁同士の
この壁に由来しているのだ。

 役所同士というのは、
法的な拘束がある場合や、
あらかじめ双方で約束がある場合をのぞいては、
協力関係はまったくない。

     (引用者中略)
     
 ・・・官庁同士の壁というのは、
非常に高く縄張り意識
対抗心は信じられないほど強い


 それが「自分の省庁のことしか考えられない狭い料簡(りょうけん)の役人をつくっているのだ。
大村大次郎『悪税が日本を滅ぼす』(P.45-47)より-----------------------------------
そうした縦割り構造マインドの各省庁の中で、
各官僚は、どういう尺度や評価で出世するのでしょうか?
以下引用。
----------------------------------
    <役人たちの査定論>
    
    
 税金が無駄遣いされる最大の理由は、
役人は
税金をたくさん使ったものが偉い
という価値観の中で生きていることである。

 役人にとって
予算を獲得するというのは、
民間企業でいうところの「売上」と同じ意味を持つのだ。

 だから予算を
より多く取ってくる人
役人の世界では偉いのである。

 これは、
どこの省庁
どこの地方公共団体でも
同じ価値観を持っている
予算を削減することで
評価される官僚など
一人もいない」といっていいだろう。

 そのため勤勉な官僚ほど
日夜、予算獲得に奔走するわけである。
    (引用者中略)

 また一度予算がついたら
必ずそれを使い切
予算を残すと
次の年は 予算を削られてしまうので
官庁にとっては絶対悪なのである。
     (中略)
 予算は絶対に使い切らないとならない
かといって絶対にオーバーは出来ない。
(オーバーしようにも役所には
予算以上の金は入ってこない)。
何億もの雑多な予算を、
一円の狂いもなく
ぴったり使ってしまわなければならないのだ。
 これは現実的にありえないことである。
予算というのは、
年度前にあらかじめかかるだろう経費を元に算定する。
しかし一年にかかる正確な経費が
事前にわかるはずがない
のだ。
だから、さまざまな細工をして
辻褄(つじつま)を合せるわけである

 ありもしない出張をでっち上げたり
不要なものを購入するなど
役所の税金の税金無駄遣いは、
こういう理由で生まれてくるのだ。
     (中略)
 民間企業ならば、
経費をなるべく少なくして、
会社に利益をもたらせば評価される。
だから、経費削減の努力をする。

 しかし官僚にとって
予算をとって使う
ということが仕事であり、
自己表現の場でもある。

 だから獲得した予算
必ず使ってしまうし、
少しでも多くの予算をとろうとするわけだ。
税金がいくらあっても足りないのは
結局は役人のこの価値観にあるのだ。

 この価値観を
なんとかして修正させなければならない
予算を削減すれば
の役人が評価されるような体制を作るべきだ。

 信じられないことかもしれないが、
役所には予算削減をして
評価されるような仕組みは
一切ないのだ。
だから だれも予算削減などはしない
予算削減をした役所は偉い
予算削減をした役人には
何らかのメリットを与える
 
 そういう制度を考えなければならないのではないだろうか。

『悪税が日本を滅ぼす』(p.41-44)
-------------------------------
ムダ遣いが、国民を怒らせ、悲しませているように、
逆に、病的なまでに予算を削減する競争が、
くり広がられる事なく、
健全に予算が節約され、
また、予算がムダ遣いされる事もない、
理想的な評価の仕方の発明開発・形成ひとつで、
あるいは、心血をそそいだ労力その過程後に活用・応用できる方法手段の工夫も、
ちゃんと汲み取られ報われたり
評価されるような在り方ひとつで、

官僚が、
「霞が関文学」をひねりだす歪(いびつ)な奸臣(かんしん)となるか、
それとも、自分の仕事に矜持や生甲斐をもって、
国民の生活を見守る、国家の下支え的な存在に変わり、
役人自身も、国民も、双方にとって幸せなものなるか、
変わってくるのではないでしょうか?

公務員改革」や「行政改革」
イコール、
民営化」や「公務員削減」という短絡的な図式は、
民営化新自由主義経済の洗練で、
成り果ててしまった超‐貧困大国アメリカの実情を知らされた今日では、
避けるべきでしょう。
 唯でさえ、先進国の中で、
公務員の数、
公務員一人に掛かってくる業務負担率、
そして平均給与でも低く、
官製ワーキングプアで喘いでいる人が、多くいるのに、
削減か否か」という二次元の短絡的な問題では無いはずでしょう。
もし削減にこだわるならば、
それは”票稼ぎ”と”民営化”という一挙両得を狙う悪漢ではなかろうか――でも、「天下り」や「渡り」、「外郭団体を使っての特別会計事業」は反対――。
<先進諸国の国際比較での日本公務員の実情についての参考記事>
○ 「構造改革」の正体
 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5190.html

さて③、④の項目に繋げたいと思います。
小泉政権が拡大させた「財政赤字」と「国債発行残高」!?
を御読みになれば明らかですが、
大村氏の文章を踏まえれば、
官僚の縦割り構造は、
いまに始まった事ではなく、
また、官僚の評価尺度出世評価の在り方により、”各省が、できるだけ自分の省に予算を獲得すべく、奪い合いをし、
そして分捕った予算は使いきる”ことが、官僚の評価尺度である”ために、
このままでは「ムダ遣い」が必然的に発生する構造になっているのですが、
だとすれば何故
1990年辺りになってから
債務発行残高が問題視されはじめ、
996年度末まで
245兆円の国債発行残高で、
年平均13兆円だったのが、
小泉構造改革の5年間で、
年平均34兆円発行ペースになったのでしょうか?

構造改革が、
対―省庁利権政策であった、という理解や認識ならば、
この政策は矛盾しています。

官僚だけによる横暴により、
現在のような国債発行残高になっているならば
発行ペースが
なぜ2001年から
加速し始めたのでしょうか

1970年代になってから、
高度成長期から安定成長期に入り、
成長ペースが緩やかになった事について、
視野に入れないといけませんが、
「大阪維新の会」や「みんなの党」の支持者さまは、
こうした点を踏まえて、
TPP>や<グローバル化>、
規制緩和>や<自由化>などを推し進めようとする政策を掲げる政党を支持して、
どんな未来を待ち望んでいらっしゃるのでしょうか?

教えて下さいませ。


次回の記事は、
ムダな公共投資」と「年次改革要望書」との関係について。


<関連記事>

○ 
国民不在の官僚の仕事観
○ 「予算配分」(野田政権の真の首相は勝栄次郎~補足編~)
○ 
「地方自治体再建型破綻法制」について
○ 「地方分権」は、「地方自治体再建型破綻法制」とニコイチで考えるべき!!!
○ 「市場原理と地方自治体」
○ 
「市場原理と地方自治体」(補注1)-「債券の利回り」について-
【拡散希望】<ギリシャ破綻>と<郵政民営化での日本のデフォルト>と<ゴールドマン・サックス>と!
 「構造改革」の正体(予習・復習)
○ 
古賀茂明氏の動画と小泉政権の「骨太の方針」
○ 地方交付税交付金などの削減がもたらした悲惨
○ 公共投資削減で税収が激減した!?
 
「構造改革」が基礎的財政収支を悪化させた
 
小泉政権時の「緊縮財政」も、アメリカが要求し、仕組んだものだった!?



できるだけ多くの有権者の方々と共有したく
  もし宜しければ
以下の
ブログランキングのバナーへの
  クリックの御協力を
心より乞い願います

  高樹辰昌