おはようございます
またもやコメントへのお返事が遅れております。読者登録へのお礼も遅れております。ごめんなさいね。遅れると溜まっていって、ますます遅れてしまうという悪循環に陥りそうな気配。仕事に追われていた昔を思い出して、ちょっとあせります。いけませんねぇ…。2~3日のうちに、必ず…。
さて、今日は、「出産と加齢に共通する悩み?」 の続きです。前回は、尿もれについてお届けしました。骨盤底筋の障害も、軽い尿もれならまだしも、骨盤臓器脱(内臓ヘルニア)になってしまうと、ことは深刻に…。
骨盤臓器脱には、膀胱が下がって膣のほうへ出っ張ってくる膀胱瘤、直腸が出っ張る直腸瘤、子宮が下がって膣を押し出す膣脱、子宮まではみ出してしまう子宮脱などがあります。
アメリカの調査では、閉経から80歳までの女性の、なんと41%、5人に2人が何らかの骨盤臓器脱があるとのこと。これは、予想以上に多くて、ちょっとビックリ!
骨盤底筋は、骨盤をつなぐいくつかの靭帯とともに、骨盤の底を覆って、子宮や膀胱、直腸などの骨盤内臓を下から支えているもの。その骨盤底筋の内側には、内骨盤筋膜というメッシュ状の膜があって、それが骨盤内臓をそれぞれカプセルのように包んで、ハンモック状に筋肉や骨につないでいます。
骨盤底筋や内骨盤膜がダメージを受ける原因には、↓次のようなものがあります。
① 妊娠や肥満による圧迫
② 経膣出産(巨大児分娩、鉗子分娩、吸引分娩)による損傷
③ 慢性的な咳や便秘による腹圧上昇
④ 排便時の過度のいきみ
⑤ 重いものを持ち上げるような重労働
⑥ 骨盤内臓の手術や外傷、腫瘍による神経損傷
⑦ 遺伝性の結合組織障害
⑧ 加齢による筋力低下
妊婦さんが重いものを持っちゃいけないとか、便が出にくいからって無理にいきんじゃいけないって言われるのは、↑これがあったからなのね。なるほど。
骨盤臓器脱も軽度であれば、骨盤底筋体操(ケーゲル体操)で改善されます。体操で改善されない場合、膣内にリング状のペッサリーを挿入する、エストロジェンの坐薬やクリームで膣の組織を健康に保つなどの処置がとられます。
話はそれるけど、エストロジェンクリームといえば、それを美容のために使う風潮もあるようですね。それを売っているサイトをみると、副作用はないとかってうたってますけど、ホルモン剤ですよ、副作用がないはずないでしょ!
実際、美容目的で、医師の指導も受けずに、日常的に使っている人のトラブル報告をみました。思春期前の息子さんの胸が大きくなっちゃったんですって!本人にはよくても、副次的に子どもに影響が出る!怖いことです。気をつけましょう。
話を戻しますね。骨盤臓器脱が深刻な場合は、手術ということになります。従来は、ゆるんだ膣壁を切除して縫い縮める方法が取られていました。ところが、この手術は再発することが多い。
そこで、新たに編み出された方法が、傷んだ内骨盤筋膜の代わりに、ポリプロピレンのような合成素材や豚の真皮などからつくる生物由来グラフトのメッシュで補強するというもの。TVM(Tension-free Vaginal Mesh)手術と呼ばれています。
2000年以降に始まった手術法なので、合併症の記載も少なくて、デメリットについてはあまりよくわかりませんでしたが、びらん発生率が6%との報告がありました。術後管理がきちんとされていれば、問題は少なそうですが…。
もうひとつ、細いメッシュテープで靭帯を補強するTFS (Tissue Fixation System)手術というのもあるようです。TVMが大きなメッシュで全体を面で支えるのに対し、TFSはキーとなる靭帯部分を腺で支えるという違いがあって、その分、手術によるからだへの負担が少なくてすむのかな。
いずれにしても骨盤底の状態次第。TVMやTFSは、従来の手術より再発率が少ないようで、画期的にみえます。でも、いざ受けるとなると、デメリットについての情報が少ないだけに、不安もありますよね。専門医とよく相談して、必要に応じてセカンドオピニオンも取って、治療法を十分に検討してくださいね。
まだ尿もれ程度ですんでいるうちに、骨盤臓器脱の予防として、骨盤底筋体操を取り入れるとか、障害の原因となるような肥満や便秘、いきみなどは避けるとか、気をつけましょう。
今回参考にしたのは、メルクマニュアル家庭版 、四谷メディカルキューブHP 、女性泌尿器科専門ウロ・ギネ・ネット 、Timely Topics in Medicine 骨盤臓器脱の治療における最近の進歩 でした。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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