1万種類ものにおいを嗅ぎ分ける? | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


アロマセラピーで使うのは、エッセンシャルオイル(精油)。「アロマセラピーとは」 でお伝えしたように、精油は植物の芳香成分を抽出したもので、いくつもの薬効を含む100%天然オイルです。


だからこそ、同じ精油、たとえばラベンダーでも、メーカーによって産地が違うので、香りは微妙に異なります。同じメーカーでも、年によって香りがわずかに変わったりします。


私たちの鼻には、そうした微妙な香りの違いを嗅ぎ分けられるだけの機能が備わってます。人によってその能力は異なりますが、訓練すれば1万種ものにおいを嗅ぎ分けることができるそうです。


動物たちに比べたら、かなり能力が落ちているとは言え、人間の嗅覚もなかなかのもの。「リラックス効果を呼ぶ香り」 に書いたように、五感の中ではもっとも敏感です。


鼻の中は、中央に鼻中隔があって左右に分かれ、↓図のように上鼻道・中鼻道・下鼻道の3階建てで、ほとんどの部分は鼻粘膜におおわれています。鼻の穴の入口付近、鼻毛の生えているところだけが皮膚です。


春月の『ちょこっと健康術』-鼻腔 ←クリックすると大きくなります。


上鼻道の天井部分に、においをキャッチする嗅上皮細胞が並んでいます。におい成分が鼻水に溶け込むと、嗅上皮細胞に化学的な反応が起こって、嗅覚刺激として一瞬のうちに脳へと伝わりますが、そのスピードは痛みが伝わるスピードより速いんですよ。


鼻の役割は、嗅覚器だけじゃありませんね。そう、呼吸器でもあります。発声するときの共鳴器にもなりますが。鼻で呼吸するときって、左右の鼻の穴(鼻孔)が交互に使われてるってこと、ご存知でした?いっぺんに使わずに、片方ずつ休ませているんです。


なぜそうなっているか?ひとつには、効率よく呼吸するため。鼻には、肺へ入れる空気の温度と湿度を調節するラジエーターの役割もあります。熱すぎる空気は冷まし、冷たすぎる空気は温め、乾きすぎる空気には加湿するんです。鼻を通過した空気は、温度25~37℃で湿度35~80%になります。


特に、冬の乾燥した冷たい空気を調節するのは、なかなか大変。使っていた片方が冷えると休ませて、もう一方へバトンタッチ。両方いっぺんに24時間フル稼働させるよりは、半分ずつのほうが働きやすいってワケですね。


使われていないほうの鼻孔はどうなってるんでしょう。カゼを引いたときの鼻づまりと同じようなことが起こってます。つまり、粘膜ヒダが充血してふくらみ、空気の通り道を狭くしてます。それだけ毛細血管もたくさんあるんで、出血もしやすいんですけどね。


鼻の温度・湿度調節機能は、アツアツの麺類をすすったときにも、もちろん働きます。熱い湯気が鼻に入ると、冷やされて水になります。同時に、鼻粘膜の毛細血管が広がって、血流も増えるので、粘液(鼻水)の分泌も増えます。だから、アツアツの麺類を食べると、鼻水が垂れちゃったりするんですね。


そんな鼻水、鼻の穴から外へ垂れなくても、1日におよそ1000ccも分泌されています。それはもちろん、乾いた空気を加湿したり、におい成分を溶かしこんだり、空気中のホコリを吸着したりするために使われて、のどへと流れていきます。


からだって、ホントによくできてますね。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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