目は口ほどにものを言う? | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


よく「目は口ほどにものを言う」って、聞きますよね?それって、ホントなんでしょうか?考えてみました。
① ビックリすると瞳が大きくなって、安心すると瞳が小さくなる。
② 何かに関心を示しているときや、興奮しているときは瞳が大きくなる。
③ 本心でないことを言うときは、目が泳ぐ。


③は心理的なものですが、①と②は自律神経のしくみと関係しています。自律神経反射 によって、まぶしければ小さく、暗ければ大きくなるように、瞳の大きさがコントロールされているからです。


「自律神経って何してるの?」でご説明した交感神経と副交感神経の違い、思い出してくださいね。交感神経が優位になると、闘う相手をよく見るために、瞳が大きくなる。で、副交感神経はその反対の作用ですから、瞳は小さくなる。


瞳の大きさは、目に入ってくる光の量を調節する、カメラで言えば絞りの役目を果たしています。相手をよく見るためには、光を増やすほうが細部まで見えるので、瞳孔を大きくする。ビックリしたり、何かに集中したり、興奮しているときは、交感神経が優位になるので、瞳は大きくなるというわけです。


ほとんどの臓器には、交感神経も副交感神経も、どちらも分布していて、たいていの場合は作用が拮抗しています。ところが、瞳孔の場合はちょっと違う。交感神経は、瞳孔散大筋を収縮させて、瞳を大きくし、副交感神経は、瞳孔括約筋を収縮させて、瞳を小さくするように、きっちり役割分担されています。


春月の『ちょこっと健康術』-瞳孔←クリックすると大きくなります。(『トートラ解剖学』より)


瞳が大きいほうが、美しく魅力的と感じる傾向が、人にはありますね。大きな瞳でじっと見つめられると、自分に関心があるんじゃないかと思わされますものね。いま、瞳を強調するコンタクトレンズが流行ってるのも、そのせいかしら。中世ヨーロッパでは、貴婦人たちが、ベラドンナの果汁を薄めて、目に差していたそうです。


ベラドンナは、別名をオカナスビといいますが、アトロピンという物質を含んでいます。アトロピンは、アセチルコリンを阻害する物質。副交感神経の働きを抑えるので、結果的に交感神経を優位にする。つまり、目に差せば、瞳が大きくなるんですね。


中世の貴婦人たちが、自律神経のしくみを知っていたはずはないけど、ベラドンナ果汁の働きは知っていた。どうやってそれを見つけたんでしょうねぇ。たぶん偶然の産物なんでしょう。それにしても、美を追求する女性たちの探究心はすごいなぁ。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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