若い頃の成長と、おとなの成長は違う。

若い頃（〜20代まで）:「成長する」ために必要だったこととは・・・。

・できないこと、苦手なことを克服する。
・嫌なことでも我慢して、やり遂げる。
・周りの人の気持ちを考えて（思いやりを持って）、自分の言動を制御する。
・人に迷惑をかけない。
・人に甘えないで、自立する。

これが出来れば、誰からも怒られないし、親や先生や同僚など（つまり大人から）から評価されやすいです。
いわゆる「人として立派」だと、自他ともに認められます。

しかし、30代、40代、50代に差しかかってくると、上のことがうまくできた人（優等生、体育会系）ほど、人生が苦しくなってきます。

上記の努力は、一人前になるには必要なことだったのですが・・・。
ある程度大人になると、刷り込まれて身についたことが、逆に足かせになるからです。

上記の努力は、組織の中で浮かないために必要だったことで・・・
自分の本心を抑圧、もっと言えば殺すことを、熱心にやっていたことになるからです。

本当の自分の気持ちを無視し続けていくと、どうなるか。
「本当は自分がどうしたいのか、何を望んでいるのか」わからなくなります。

「幸せ」の基準は人の数だけあって、他の人にはわかりません。
自分が何をしている時、誰といる時が1番幸せなのかわからないと、誰にもどうにもできません。

自分が自分を幸せにする方法がわからないのに、人に幸せにしてもらおうとする人がたくさんいますが、悲劇を通り越して喜劇になっています。

では、どうすれば苦しさから抜け出せるのか。

今度は、必要あって身につけてきた「思い込み」「刷り込み」「常識」を、１つ１つ手放していくことが、逆に成長になります。

・できないこと、苦手なことを克服する→できないこと苦手なことはやらない（人に任せる）

・嫌なことでも我慢して、やり遂げる→嫌なことではなく好きなことをやり遂げる（心の声を聴く）

・周りの人の気持ちを考えて（思いやりを持って）、自分の言動を制御する→きちんと自分の思っていることを伝える。

・人に迷惑をかけない→自分が人に迷惑をかけることを許すと、他の人がそうすることを許せるようになる（だからイライラしなくなる）。

・人に甘えないで、自立する→人に甘えることで、その人を成長させたり、自己肯定感を与えることになる。

優等生だったり体育会系だった人ほど、若い頃の刷り込みによって成功してきたので・・・。
これらの刷り込みを塗り替えるのに抵抗があります。

でも手放さずにずっといると、「私はこんなに努力してちゃんとやってきたのに、何故他の人はそうしないの？！」というイライラが募るばかりで、身体に害を及ぼすのです。

１つ１つ「そんなんでもいいんだ。」「あんなんでもいいんだ。」とやっていくと、人だけでなく自分への許しが進んで、どんどん生きることがラクになります。

若い頃の「成長」と、大人になってからの「成長」は、意味が違ってきます。
1人でも多くの人が思い込みから抜け出して、肩の力の抜けた、イライラしない日々を送って欲しいなと、思います。