「兄さんへ」~敬愛する貴方へ~
※連載中です
兄さん、
僕は、書いても書いても上手くなりません。
恐らく僕は、他人よりもどこかしら過剰であり、けれどもどこかしらが欠落しているのです。
僕は「どうせ俺なんか」と口にする輩(やから)が嫌いです。
「兄さんへ」(四)
僕はたぶん、多重露光で写された写真のような世界を生きているのです。
須磨子はたくさんの男達から愛されていながら、愛されたという実感のない女です。
「兄さんへ」(六)
友人の黒木は須磨子を
「あれではまるで芸術家専門の娼婦ではないか。」と言います。