俺は、みんなからウルフと呼ばれている。
なせかって?
強いからに決まってるじゃないか。
俺の向かうところ敵なしなのだ。
高校3年にして、この強さだ。
将来、どこまでいっちまうんだろう。
俺が本気になれば、世界征服も夢ではない。
みんな、俺の強さに、恐れをなして寄ってこない。
強いというのは、実に孤独なものだ。
俺も、人並みに生まれてくればよかったと思う。
だが、強く生まれてしまったものは仕方がない。
これも宿命と思って、今は受け入れている。
休み時間、直樹は宙に目を這わせ、物憂げな表情で呟いていた。
「まったく、罪なもんだな」
妄想が膨らむにつれ、直樹の独り言は大きくなる。
「またぶつぶつ言ってるぜ、あいつ」
クラスメイトが直樹を見ながら、ひそひそと囁きあっている。
「まったく、いくら弱いからといって、現実逃避もたいがいにすればいいのにな」
クラスメイトのひとりが、顔をしかめた。
ふとしたことから知り合った、中堅の会社に勤める健一と、売れない劇団員の麗の、恋の行方は?
会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。
無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。
その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。
小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。
奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。
旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。
そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。
ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。
世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。
果たして、勝者は誰か?
奪われた物は誰の手に?