「おまえ、俺と一緒に、世界を征服しないか」

そう声を掛けられて、アニキに連れて来られた場所は、通天閣の展望台だった。真夜中の入り口は閉まっていたが、アニキが秘密の入り口を知っていて、ここまで上ってきたのだ。

「世界を取るって、新世界のことですか?」

俺は、よほど情けない顔をしていたに違いない。

「心配するなって、こんな小さな世界を取ったって、面白くもねえだろ」

アニキはそう言って、俺の肩をバンバンと叩いた。

アニキがビリケンさんの台座のどこやらを触ると、驚くことにビリケンさんの目が光り、身軽な動作で台座から飛び降り、「ドコヘマイリマショウ?」と声を出した。

「世界征服だ」

ビリケンが頷くと、通天閣が、轟音と共に空に舞い上がった。

どうやら通天閣は宇宙船で、ビリケンさんは、その操縦装置みたいだ。

だが、通天閣は、いつまで経っても水平飛行に移らず、とうとう大気圏を抜けてしまった。

「あまえ、世界征服だと言ったろ」

「エ、セカイガキュウクツダトオッシャイマセンデシタカ?」

どうやら、アニキは宇宙人で、この乗り物も、アニキのものだっとみえる。

それにしても、なんとお粗末な。

まあいい、俺も宇宙警察に追われて、地球くんだりまで逃れてきたものの、そろそろ退屈していたところだ。

アニキと一緒に、もう一度宇宙で暴れてやるのも、悪くはないか。

 

 

 

 

 

 

絆・猫が変えてくれた人生

会社が倒産し、自棄になっていた男の前に現れた一匹の黒い仔猫。

無二の友との出会い、予期せぬ人との再会。

その仔猫を拾ったことから、男の人生は変わっていった。

小さな命が織りなす、男の成長と再生の物語。

 

プリティドール 

奥さんが、元CIAのトップシークレットに属する、ブロンド美人の殺し屋。

旦那は、冴えない正真正銘、日本の民間人。

そんな凸凹コンビが、CIAが開発中に盗まれた、人類をも滅ぼしかねない物の奪還に動く。

ロシア最凶の女戦士と、凶悪な犯罪組織の守り神。

世界の三凶と呼ばれて、裏の世界で恐れられている三人が激突する。

果たして、勝者は誰か?

奪われた物は誰の手に?

   

短編小説(夢

 

短編小説(ある夏の日)

 

短編小説(因果)

 

中編小説(人生は一度きり)

 

20行ショート小説集

 

僕の好きな一冊シリーズ

 

魔法の言葉集