Christian Dior 2013-14 F+W EX @ Tokyo !!! | ダイコ★ブログ

Christian Dior 2013-14 F+W EX @ Tokyo !!!



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 続いてはChristian Dior(クリスチャン ディオール)のリポートへと参りましょう。クリエイティブ・ディレクターは皆様ご存知、ラフ・シモンズです。彼がディオールのクリエイションに参加するよ うになって、数シーズンが過ぎ、コレクションはどんどんその魅力を広げて来たように思えます。

 ラフ・シモンズとアトリエのコミュニケー ションはより密接となっているようです。若いアーティストは、ムッシュ・ディオールへの敬意と理解を深め、彼自身が持つミニマムでクリーンな世界と、ディ オールが持つ伝統的なテクニックとエレガントなスタイルは融合し、新しい時代のグラマラスな女性像を提案しています。

 では、まず、 2013 PRE FALL COLLECTIONから見て行きましょう。このコレクションは秋の初めを彩るコレクションですが、今回実用的でリアルなスタイルのアイテムが沢山見られましたね。沢山のヴァリエーションで登場するバージャケットは、ワイドなパンツとコーディネイトされて、新鮮なシルエットが印象的です。チェスターコート風のロングジャケットには細いシガレットパンツを合わせ、コーディネイトを自由自在に楽しみます。

 ジオメトリックなカッティングによりドレープ寄せたクチュールムード漂うアイテムは、ドレスに色濃く登場し、一見ドレスのようなアイテムが実はトップスで、パンツとコーネイトしたり、レイヤードを楽しむコンテンポラリーなスタイルが素敵でしたね。

 こちらは、美しいサーモンピンクのサテンのラップスカートのルックです。王道的なクチュールのテクニックを生かした、ボリューミーなスカートにコーディネイトしたのは、なんと小さなホワイトのニット。より自由にスタイリングを楽しんだルックですね。

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 現代生活において、着心地の良いニットは今や無くてはならないアイテムです。今シーズンのコレクションには沢山のニットが登場します。 こちらは、チェックのパターンを使ったニットのプルオーバーです。マテリアルをバイアスで取って、ヘムをイレギュラーにあしらったアイテムですね。ハウンドトゥースチェックのスカートとコーデイネイトして、チェックonチェックの難しいコーディネイトを軽く楽しみます。

 シグネチャーのバッグ、レディ ディオールもハウンドトゥースチェックや、こっくりしたボルドーでお目見えしていましたよ。

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 プレ・フォールに登場して印象的だった素材の一つに、ローズモチーフのフロッキーがありましたね。このマテリアルはミニスカートで登場し、ブラックのニットとコーディネイトしたり、同じマテリアルのフレントが短くバックが長いヘムのクチュール的なドレスは、袖をカットしたタキシードのジレと コーディネイトして、コンテンポラリーなスタイルを楽しみます。こちらのシューズはさりげないポインティッドと、大きく開いたサイドのくりの部分が印象的なデザイ ンです。

 バラもクリスチャン ディオールでは、ムッシュ・ディオールが幼少の頃から愛した花で、メゾンを象徴する大切なアイコン的存在です。ウエアのプリントや刺繍はもちろんの事、広告のビジュアルやムービーでも印象的に使われ、ディオール ファイン ジュエリーでは、デザイナーを務めるヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの手によって沢山の名作のバラをモチーフにしたジュエリーが登場しました。

 フェミニンなこの花を、現代的なスタイルの中に取入れ、ディオール的エレガンスを楽しんでみてはいかがですか?

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 続いては F+W COLLECTIONです。こちらは先日のPARIS Prêt-à-Porterのリポートでもお伝えしましたが、今回はムッシュ・ディオールがデザイナーを始める前、ギャラリストとしてそのキャリアをスタートさせたエピソードをテーマにコレクションが作られました。人は何故か特定の時代に強烈な固執を示したり、その時代の文化に多大に影響される事があります。

 ムッシュ・ディオールにとってベル・エ・ポックの時代がそうであったかのように、ラフ・シモンズにとってそれはミッドセンチュリーでした。その独特の執着に対する熱い想いは完璧にシンクロし、ムッシュがギャラリスト時代に扱った、サルバドゥール・ダリのシュールリアリズムの世界観や、ラフ・シモンズが感動を覚えたアンディ・ウォーホルの初期のデッサン等が登場し、まるで美術館のような素晴らしい作品を発表しました。

 こ ちらは、アンディ・ウォーホルの作品に登場するようなフラワーモチーフを、実際に生地をカットしたアップリケによって表現されていました。アティチュードは極めてミニマムですが、その中にクチュールメゾンとしてのアトリエスタッフのプライドが強く感じられる作品でしたね。

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 今回のコレクションには、いくつかのムッシュ・ディオール時代の名作を再解釈した作品も登場して話題になりました。こちらは発表された当時、華やかなピンクのシルクで作られ、バックの部分にはダイナミックなピオニーのコサージュが施されたデザインの清楚なドレスでした。

  今回、そちらをラグジュアリーな柔らかいレザーで制作し、よりアーティステックに表現したのがこちらです。バックのフラワーモチーフはよりアバンギャルドに解釈され、フロントは驚くほどミニマムでエレガントです。当時、ボタンで留めるスタイルは今回はファスナーになり、女性が一人でも着れる、現代的なドレスになっていました。

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 アンディ・ウォーホルのデッサンの作品はプリントやエンブロイダリーになって、ドレスを彩ります。

 ラグジュアリーなシルクを使い、20'S風の流れるようなシルエットの上に施されたプリントやエンブロイダリーはとてもさりげなく、爽やかで可憐なムードを感じさせてくれましたね。

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 こちら、なんとレディ ディオールにもアンディ・ウォーホルのデッサンのモチーフが施されていました。シューズのスケッチのパターンは、爽やかなホワイトや優しいパウダーピンク、アイスブルーのカーフスキンに、シルクスクリーンで施されます。クラッチになんかのアイテムも登場しバリエーションも豊富で、ブラックのワントーン等はエスプリの効いたオシャレなイメージでしたね。

 こちらは、パウダーブルーにシルクスクリーンによるプリント、さらに金箔のテクニックが施されています。この金箔細工はフランスの伝統的なテクニックが用いられ、メゾンとしてフランス最高のテクニックを継承して行こうとする姿勢が感じられ、素晴らしかったですね。

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 今回のコレクションでは、ムシュ・ディオール時代の名作から、数点の作品が再解釈され登場しましたが、こちらは1949 S+S Haute Couture COLLECTIONで発表された『ミス ディオール』という作品を再解釈したドレスです。

 当時はホワイトからパープルにグラデーションする、何千というフワラワーモチーフが可憐にドレスを飾っていましたが(下記展覧会のご案内に登場するドレスです。)、今回はなんと全てブラックレザー。型押しで立体的に作られた繊細なフラワーモチーフはビジューと供にドレスにエンブロイダリーされ、話題を呼びましたね。

 こちら、そのテクニックが使われたバッグです。手前はレディ ディオール、真ん中は2013 S+Sのランウェイで初めて登場したディオール バーです。このバッグは、ムッシュ・ディオールがかつて発表したニュールックに通じる、8ラインをバッグのデザインに取入れた物で、エレガントなスタイルが話題になってます。今シーズン、シルエットはさらに横長になり、画像一番奥のしっとりとしたカーフスキンや、ハウンドトゥースチェックプリントを施したウォータースネーク等楽しいアイテムが揃っていましたね。

 ドレスで手に入れるのは厳しいけどバッグなら!とお考えのファショニスタ達にはオススメのアイテムですね。

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 フレンチガーデンを舞台に、咲き誇る春の花々のような、可憐な作品を発表した2013 S+S Haute Couture COLLECTIONで登場し、話題になったシューズが今回再解釈され、素敵に登場しました。

 コレクションではタイツとシューズが一体化したアバンギャルドなアイテムも登場しましたが、やはりリアルなニーズに合わせて、より取り入れやすいアイテムになっています。可愛らしいパウダーカラーのコントラストで作られたシューズは、立ち上がったバックのデザインとアンクル部分に特徴があり、交差するストラップが実に繊細なシューズです。

 コンビタイプのポインティドのアイテムも印象的で、暗くなりがちな秋冬のコーディネイトを華やかに演出してくれそうでしたよ。

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 コレクションのラストシーンを飾ってた、ラフ・シモンズが語る呼ぶメモリー・ドレスは、20'Sの柔らかい流れるようなシルエットのドレスに、ディールに縁のある様々な時代を感じさせるモチーフが、刺繍やアップリケで施された、素敵なドレスです。ジオメトリックでコンテンポラリーアートのようなデコレーションと、敢えてクラシカルに拘って、サイドにある開きには、包みボタンとループで飾るというコントラストが印象的でしたね。

 こちらはそのテイストを表現したブーツです。シュール・リアリズムの絵画を彷彿させる目のモチーフや、華やかな草花、シャンデリアのモチーフまでエンブロイダリーされ、一見リグハグに見えますが、カラーをきちんとコントロールする事で不思議な調和を生み出していました。

 カンマのようなフォルムの個性的なヒールが施され、他にサイハイブーツやローファータイプ等もありましたよ。メモリードレスとコーディネイトして、足迄エンブロイダリーが施された、リュクスなコーデイネイトを楽しんで下さいね。

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 コスチューム ジュエリーのアーティスティック・ディレクター、カミーユ・ミチェリは、ムッシュ・ディオールが様々なラッキーアイコンを好んでコレクションに登場させたエピソードを元に、アイテムをクリエイトしました。パールや鳩、チューリップ等のデザインはとてもコンテンポラリーで、着ける位置や数によって様々に表情を変えます。リングのサイズを小さくして、指の根元ではなく真ん中で楽しむスタイル等、個性的で楽しかったですね。

 シュール・リアリスムのイメージを取入れたアイテムも登場し、こちらはなんとまつ毛をイメージした可愛らしいアイテムです。繊細な毛のディテールやちゃんとアイラインまで引いてる部分も芸が細かいですね。他にコレクションでも登場した女性の爪をイメージしたイヤリングや、お値段も6万円前後というリーズナブルなアイテムになっていましたね。他にピアスのキャッチのほうが大きいデザインなど、個性的で面白いアイテムも登場していましたね。


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 さて、クリスチャン ディオールに関して素敵なニュースを一つお知らせします。ムッシュ・ディオールが生まれた生家は、フランス北部ノルマディーのグランヴィルに現在も保管され、美術館として運営されています。現在そちらで素敵なエキシビジョンが開催されています。

「インプレッション ディオール(Impressions Dior)」というタイトルのこの展覧会は、ディオールの発表して来た数々の歴史的な名作と、オルセー美術館、マルモッタン美術館等の協力を得て実現した様々な印象派の作品が美しく展示され、アートとファッションにおける、印象派の華麗な共通点を見出す、興味深い内容になっています。

 さらに歴代のクリスチャン ディオールの後継者としてのデザイナー達による、エドゥアール・マネの『草上の昼食』に登場するようなクリノリンドレス、ジョルジュ・スーラーの『ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後』のようなバッスル・ドレスのようなシルエットを取り入れた作品も並び、よりこの世界を席巻した芸術活動に敬意を払った展示作品が並びます。

 ってか、イメージビジュアルにナタリー・ポートマンが登場するって、どれだけラグジュアリーなんでしょうかぁ。。。。

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 こちら、先のリポートにもモチーフとして登場し、再解釈されたドレス、『ミス・ディオール』です。ブラックレザーが施された今シーズンのデザインのルーツは、こんな可憐で華やかな手仕事を感じ取る事が出来る、ドレスだったんですね。

 今回、印象派の画家達が愛した、美しい自然の情景のようなこの邸宅の美しい庭園も見る事が出来ます。ムッシュ・ディオールは幼少の頃から様々な種類のバラを、この庭で育てた思い出を持ち、今回特別に作られた、香りの小道(Impressions de parfumeur)も見物です。

 今年、9月22日迄、ノルマンディー、グランヴィルのクリスチャン ディオール美術館で開催されていますので、この夏フランスに行かれる方は少し足を延ばしてみては如何ですか?



 2013-14 F+W Christian Dior PARIS Prêt-à-Porter COLLECTIONはこちら からどうぞ。
 2013 S+S Christian Dior PARIS Prêt-à-Porter COLLECTIONはこちら からどうぞ。

 2013 S+S Christian Dior PARIS Haute Couture COLECTIONのリポートはこちら からどうぞ。

 2013 S+S DIOR HOMME PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ。
 2013-14 F+W DIOR HOMME PARIS MEN'S COLLECTIONはこちら からどうぞ。

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 今回のリポートしたChristian Diorの素敵なお話も掲載されている私の初の著書、『ブランドパスポート』は、現在絶賛発売中です。シグネチャーのバッグのMISS DIOR、バージャケットのお話等も楽しめます。


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