DIOR HOMME 2013-14 F+W !!! | ダイコ★ブログ

DIOR HOMME 2013-14 F+W !!!


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 続いてはDIOR HOMME(ディオール オム)のコレクションです。クリエイティブ ディレクターのクリス・ヴァン・アッシュは、今回真っ白でクリーンなキャットウォークを用意し、その中で『未来』を見つめる、フューチャリスティックな作品を発表しました。

 彼はプレス・リリースにこんな言葉を添えています。『ディオール オムを纏う男性は明るい未来を見据えている。このコレクションで表現したかったのは『厳格』、『静粛』、『抑制』。イメージ方法は様々であっても自らの手で道を開く、自身に満ちたヒーローなのです。』

 まさに新時代のヒーローのイメージを私達に見せてくれた気分のディオール オム。クリス・ヴァン・アッシュが得意とする究極のミニマムなスタイルの中にエレガントなディティールを忍ばせ、クリーンなアティチュードの内側に熱い夢を持ち、叶う限り最高の自分を目指し少しだけ背伸びをする男性像を描き出しました。

 私、個人的には1997年、アンドリュー・ニコル監督、イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ出演、マイケル・ナイマン音楽で知られる、映画『ガタカ』の世界をイメージしない訳にはいきませんでした。遺伝子操作をされエリートだけの未来の国家的機関を舞台にしたお話です。主人公は実は遺伝子操作をされていなくて、別の人物の血液や様々なDNAを借りて、その機関に潜り込みます。遺伝子という自分ではどうすることも出来ない十字架を背負ったヒーローは、葛藤しながら、それでも夢を諦めずに努力を尽くし成功を勝ち取って行く物語です。何処かやり切れない、でもその中に少し希望もある。。。そういう気分にさせてくれる素敵な映画です。。。。はい、脱線しましたね。『ガタカ』は今回のディオール オムのコレクションとは、何の関係もございませんので、あしからず。。。。。

 では、コレクションを見ていきましょうね。ビッグシルエットやオーバーシルエットが多かった今迄とは打って変わって、今シーズン、シルエットは力強くシャープです。特にしっかりした肩の構造とタイトなウエストのシルエットは、まさに着る人自身がエクササイズをきちんとして、自信に溢れた肉体で着るマッチョな服です。

 こちらのスーツ。ブラックスーツにホワイトのシャツ、ブラックタイというスタイリングですが、ジャケットのセンターがジップになっています。ファーストルックから未来のヒーローを思わせる、ストイックでディオール オムらしい作品の登場です。

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 エレガントなトレンチコートもシルエットは、力強くシャープな印象です。クチュールメゾンとしての素晴らしいテクニックを誇るディオール オムらしく、最高の素材と最高のテクニックで他のメゾンとはまるで違うクオリティですね。

 今回、ジャケットのデザイン等にも使われていたウエストベルト。そのセンターを個性的に飾るニッケル製のバックルはプロテクトのイメージだそうです。戦う未来のヒーローはしっかりと自衛しないといけませんから!!!

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 まさに、SF映画に登場しそうなスタンドカラーのスーツスタイルのルックです。ラグジュアリーなマテリアルでシンプルに美しく仕立てたジャケットには、前立て、ポケットにもジップを使い、さらに比翼仕立てでジップの部分を全て隠し、漆黒のスーツの上にジップの引き手だけで輝きをプラスしています。

 このモデル君、『スター・トレック』のスポック船長に似てませんか?なんか、嬉しくなっちゃいました。個人的に。。。。www

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 こちらも、上と同じスタンドカラーのスーツスタイルですが、ジャケットのボディの部分には、サークルの中にトライアングルがプリントされています。エリートを意味するこのプリントは、恐らく仕立てる前の裁断の時点でプリントされているのでしょうが、出来上がったスーツを着た状態で描かれたように、身頃、袖、ポケットに至迄、完璧に柄が合っています。凄い技術ですね、ほんとに。。。。

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 フラノっぽい紡毛のウールを使ったシリーズもカジュアルなイメージで登場して新鮮でした。アクティブなブルゾンも、今回はとにかくシャープなイメージ。こちらはスタンドカラー、センタージップのブルゾンにニッケル製のバックルが印象的なルックです。

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 こちらもフラノ(多分、カシミア)と光沢あるしっとりしたマテリアルのコンビで作られたブルゾンのルックです。私の大好物のスイング・アップ・ブルゾン的なデザインですね。袖は一瞬ラグランスリーブのように見えますが、脇のパネルも切り替えをいれ、肩からウエストへの切り替えと凝ってますね。

 こちらのフラノのシリーズは他にバックルのベルトが印象的なコート等も登場していました。

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 トライアングルのモチーフはニットにも登場します。やはりこちらも恐ろしい程の柄合わせです。ボディ自体もモノトーンのデザインにしてアクティブなイメージです。

 バックルのベルトが印象的で、センタープリーツがピシッと入ったパンツ、ポインティッドのシューズがエレガントさを醸し出しています。

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 モノトーン中心のコレクションの中で今回目を引いたのはネイビーのシリーズ。こちらはネイビーのピンストライプと無地のウールをコンビで使ったスーツスタイルのルックです。

 ジャケットは肩から裾へ絶妙な流線型で切り替えられ、そのシームの中にポケットまで仕込んでいます。切り替えられたシームは誰でもマッチョに見える優れもので、インナーにも同じく素材違いのピンストライプを使い、襟の飾りの小さなバックルのデザインもお洒落です!!!

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 まさにフューチャリスティックなイメージのパテントを使ったコートも登場しました。私、光り物には目がないので、溜まりませんね~~。。。少しシャイニーなネイビーのコートはインパクト大で、プロテクトの意味のバックルのベルトがハイウエストにビシッと決まります。

 こちらは高めの位置のフラップ・ポケットがデザインされていますが、一つ一つのデザインに合わせてジップを隠すスタイルや、小さめ、大きめの箱ポケット、フラップの数々とかなり様々なヴァリエーションのポケットのデザインが登場していました。

 実際に機能を持つディティールをデザインとして生かす、クリス・ヴァン・アッシュのスタイルが見れて素敵でしたね。

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 後半は爽やかなホワイトのルックが続いて、ラストルックはクリーンなモノトーンのトレンチコートでした。ベーシックなデザインなのにとてもエレガントな印象のこのコートは、襟や前端に絶妙なカーブを使い、絶妙に優しさを演出しています。

 未来のヒーローはこんなオシャレなスタイルで地球を救う為に戦ってくれるのでしょうか???


 さて、クリス・ヴァン・アッシュによるディオール オム、相変わらずエレガントで素敵でしたね。しかも、今シーズンはさらに強さを感じさせてくれました。優柔不断で生きてるのか死んでるのか良くわからないような日々を過ごしている男子が増える昨今、ちゃらちゃらとファッションに興じるだけではなく、自分が存在する意味をきちんと考え、未来のためにどう生きて行くかしっかり考えろと、喝を入れられたようなコレクションでした。

 クリエイティブ ディレクターのクリス・ヴァン・アッシュはこんな言葉もリリースに添えています。『このコレクションで表現したかったのは、50年前の世界でもなく50年後の世界でもなく『明日』です。傍観者でいるのはやめて、明確な意思表示をすべき時です。ディオール オムを着る男性は自分が理想とする姿に近づこうと己の精神と肉体を鍛え上げていく、失った若さを嘆き過去の思い出にすがるのではなく、未来へと前進するのです。』

 自分の意志をしっかり持った志の高い、ディオール オムの似合う男子達が世界中に増えてくれれば、世界はもっとハッピーで平和になる事でしょう。。。。


 『Boys, be ambitious. (少年よ、大志を抱け。) ウィリアム・スミス・クラーク』

 
 
 2013 S+S DIOR HOMMEのコレションのパリでのショーの模様はこちら からどうぞ。
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 今回のリポートした、DIOR HOMMEのレディース、Christian Diorの素敵なお話も掲載されている私の初の著書、『ブランドパスポート』は、現在絶賛発売中です。


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