右上の方にについてのアンケートを設置してみました。1日1回投票可能ですので、どしどし投票してみて下さい。o((=゜ェ゜=))o 定期的に設問内容を変更しておりますので要チェック!
------------------------
今回も引き続き、ケン・ウィルバー氏の『無境界』を取り上げていきます。
前回までの話はコチラ↓
『無境界』
その1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128640.html
その2 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128896.html
その3 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005129120.html
さて、今回の話からはいかにして幻の境界によって分離させられた自己と非自己を再び自己に統合していくのかという実践的な内容になっております。ちなみに、今回は仮面(ペルソナ)VS影(シャドー)、自我VS身体の2つのレベルに関しての話になります。
それでは、さっそくまとめていきたいと思います。
7.仮面のレベル/発見のはじまり
人生の苦しみ…それを自覚したときが、幻の境界の存在に気づく最初のきっかけになります。この苦しみを否定しようとしたり回避しようとしたりすると、逆に永遠の苦しみを味わうハメになりますので、この苦しみを受け止め、それを超えていくことが大事なのでしょうね。
さて、この苦しみを克服する方法を色んな方が色んな方法をこれまで提示してきました。
無意識にふれろ。
いや、身体にふれるべきだ。
そうではない、身体を超えるべきなのだ。
…
いったい、何が正しいんだ(?_?)
実はすべて正しいのです。ただ、それぞれのレベルに応じた適切な対処法を選択する必要があるのです。
というわけで、まず最初のレベルとして仮面のレベルの話をしていきます。
仮面とは自分自身の特定の傾向(怒り、喜び、敵意、攻撃性etc.)の存在を否定するときに生み出されます。そして否定された傾向(これが「影」)は自己ではないと思うようになるのです。
仮面VS影の戦いスタート!!ってわけですね。
さて、この影ですが、本来は自分の中にあるものなのに、それを認めたくないもんだから、他人になすりつけようとします。これを投影と呼びます。
投影についてはコチラも参考に。
『分析心理学』・Lecture5
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11950698166.html
例えば、自分の中に「誰かをぶん殴りたい」という欲求が存在すると仮定して、自分はそれを認めたくないということで、その欲求の存在を否定したとします。(この「誰かをぶん殴りたい」という欲求が影ですね。)
そこで、この人は「自分は暴力なんて好まない平和主義者だ」というフリをするんですが、影を他人に投影することでこう思っちゃうんです。
アイツは俺のことをぶん殴りたいと思っているに違いない!!
実際はぶん殴りたいと思っているのは自分の方なんですけどね(^_^;)
このように、自分が他人や周囲の環境に対して向けたはずの衝動が、自分に向けられているものだと錯覚してしまうんですね。
これが顕著に出たのが魔女狩りと呼ばれるものです。
イラク戦争とかもそうですかね。アイツは大量破壊兵器を持っているに違いない!!と言いつつ、自分たちのことは棚上げにして攻め込んだアメリカさんみたいに。
他にもやらされていると感じるような義務感。これも実は自分がやりたいと思っていることの現れです。例えば、日本のために言論活動をやらねばという義務感。日本なんてどうでもいいと思っていれば、こんな義務感など発生しません。
あとは、「誰も俺のことを分かってくれない。」なんてセリフ。これは深層意識では「俺は誰のことも分かるつもりはない。」と思っている可能性が高いようです。
というか、すべての種類の感情が自分の中にはあるのです。愛があって憎しみがないなんてことはないのです。敵意があれば好意もあるのです。
私なんかは「ネオリベはクソくらえだ」と思っているつもりですが、おそらく自分の意識の表面にあらわれていないところで「ネオリベ大好き」という感情が必ず存在するはずなのです。
これを自覚していないと、無用な恐怖や不安に怯えなくてはならなくなるでしょう。
というわけで、この問題の解決方法ですが、まず、不快な症状(怒り、恐怖、圧力、イライラ、困惑etc.)を自覚したら、それから逃げずに受け入れることです。そして、それを元の形に戻すのです。本書にあった変換例を下に提示してみます。
《症状→元の影の形態》
圧力→動因
誰も私を好いてくれない→相手にしたくない
あなたに自分が悪いような気にさせられる→あなたの要求は受け入れられない
不安→興奮
みんなが私を見ている→私は思いのほか他人に興味を持っている
不能/不感症→相手を満足させたくない
みんながわたしを傷つけようとしている→わたしは怒っていて、それを知らずに攻撃している
悲しみ→怒り
引っ込み思案→そばにくるな
できない→やりたくない
やらねばならない→やりたい
Xのことで私はあなたを軽蔑している→Xが嫌い
あなたは偉い→わたしは思っているよりましな人間
まぁ、思いっきり噛み砕いて言うと、思っていることと反対の感情の存在を自覚するということですね。
こうやって否定された影を再び自己に呼び戻すことによって、仮面のレベルから自我のレベルへと移行するわけですね。
ちなみにこのレベルで用いられる治療法がフロイトの精神分析や交流分析と呼ばれるものだったりするそうですが、私は詳しくないので割愛します(^_^;)
8.ケンタウロスのレベル
ケンタウロスとは半人半馬の伝説上の生き物ですが、ここでは有機体全体が自己であることを指しています。ちなみに自我と有機体(身体)が自己と非自己に分離した状態が「騎手と馬」って感じです。
人々は自分の身体のことを自分の所有物と考えがちになります。しかし、本来は身体は所有物ではなく自己そのもののはずなんですけどね。
さらに言えば、心拍や消化、代謝、細胞分裂などなど、これらは自分の意識でやっているわけではない不随意的な身体活動になりますが、これらは自分の意識の外にあるものなので、なおのこと自己であると実感しにくかったりします。
しかし、自我と身体の分離は何が問題になるのでしょう?
以前述べたように境界線は対立を生みます。つまり、身体が敵として自我に向かってくるというわけです。そして、ついには感覚の鈍化をもたらすといいます。
さて、敵意の欲求が自分のうちから起こり、無意識的にそれを我慢し抑圧するということが投影などの際に起こりますが、身体においては筋肉的な我慢が起こっているのです。例えば、誰かを殴りたいと無意識的に思っているのにそれを抑えている場合、実は腕に力が入り、知らず知らずのうちに痛んだり凝ったりするというわけです。よく、ストレスがあると肩凝りがひどくなると言いますが、そういう理屈なのかもしれませんね。
本章ではヨガの呼吸法みたいなものを通して、自我と身体を一体化させる訓練法や、分裂箇所(ブロック)の発見法などが紹介してありますが、結構根気のいる作業のようです(^_^;)
このブロックとやらは、上で述べた肩凝りなどの筋肉の不調で現されるのですが、これはやはり誰かが起こしているものではなく、自分自身で起こしているものなのですね。まずはこれを自覚することがブロック解消の第一歩のようです。
なので、ブロック箇所で筋肉が緊張しているのを感じたら、それを無理矢理リラックスさせるのではなく、意識的にさらに緊張させることによって、自分自身の仕業であると自覚するわけですね。
そして、自覚できたら今度はそのエネルギーを自分に向けるのではなく、外の環境へ向かわせて解放するのです。
こうして、自分の身体が自分自身であることに気づくと、精神的にも肉体的にも健康が身体全体にあふれるようになります。自我の外の有機体にも自己を委ねることによって、死を超越した無限の可能性へのトビラが開かれることになるのです。
なんか、こういう風に考えると糖尿病なんかの色んな病気も、敵なのではなく自分自身と考えた方がよいのかもしれませんね(;^_^A。
というわけで、第4回はここまで。次回が最終回になります。
それぞれのセラピーを試してみようかなと思った方はクリックお願いします。
人気ブログランキングへ
P.S.
リニューアルした進撃の庶民でも引き続き火曜日に『もう一つの進撃の庶民』を連載中です。
http://ameblo.jp/shingekinosyomin/
(他の曜日も漫画「アイドル新党なでしこ」の配信などキラーコンテンツ満載です。応援よろしくお願いします。)
「アイドル新党なでしこ!」の単行本第1巻も好評発売中
アイドル新党なでしこ!1 [Kindle版]遠藤万次郎 (著),香川ヒロ (著)
http://amzn.to/1FKkYWx
P.P.S.
《くらえもんマスターシリーズ》
政治や経済についてよく分からない、もっと知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
政治経済初心者必見!!
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html
くらえもんが今まで解説した本について知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
くらえもんの気ままに読書まとめ
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944673248.html
くらえもんが至高のギャグマンガ「ドラえもん」を独自の視点でおもしろおかしく解説!興味のある方は下記のエントリーへレッツゴー!
くらえもん的ドラえもん解説
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11984784929.html
定番から最新曲まで、様々なジャンルの吹奏楽曲をくらえもんが独自の基準でチョイス。経験者も未経験者も吹奏楽の魅力を堪能あれ。
吹奏楽マニアに捧ぐ
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991954668.html
メタボと経済の深い関係性や、いろんな健康情報、そして思想に関するエントリーのまとめはコチラ。
メタボと経済の不思議な関係