『無境界』・その3 | くらえもんの気ままに独り言

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 今回も前回に引き続き、ケン・ウィルバー氏の『無境界』を取り上げていきたいと思います。


前回までの話はコチラ↓

『無境界』

その1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128640.html

その2 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005128896.html


 前回までは宇宙全体が自己であるという「統一意識」に関する話をしてきました。

 今回は前半では「無境界」の時間的な話、そして後半では自己の色んなレベルにおいて境界が発生していく過程についての話になります。


 それでは、いってみましょう(^O^)/


5.無境界の瞬間


 前回までの話に出てきた「統一意識」。つまり「無境界」を自覚することですが、ここでは時間という境界について考えてみましょう。


 リアリティは無境界なので本来は時間というものは存在せず、あるのは永遠ということでございます。


 は?何言ってるの?Σ(゚д゚;)


 と思われた方もいらっしゃるかもしれません(;^_^A


 永遠とはどういう意味か・・・。長く未来永劫続く・・・という意味ではございません。

 過去も未来も存在しない現在こそが永遠なのです。


 時間が存在しないという感覚はみなさんピンと来ないとは思いますが、何かに没頭している瞬間を想像してみて下さい。その瞬間の世界こそまさに過去も未来も存在しない「永遠」の現在なのです。


 そもそも過去も未来も現実に体験することができない以上、リアルな世界には存在しないものなのです。過去の書物を「読む」行為も記憶を「想起する」行為も、これらは現在の行為であり、過去を体験しているものではありません。


 この時間のない現在を自覚することもまた「統一意識」ということなのでしょうね。


 そもそも人々が抱える問題は基本的に過去と未来に関する悩みばかりです。過去と未来が存在しないことに気が付けば、そこにあるのは永遠であり、無限の喜びであると。


 自己が存在可能なのは現在のみですが、過去と未来に縛られてしまうと自己の存在できる領域が非常に狭められてしまい、色んな苦しみを味わうことになってしまいます。


 過去と現在との境界現在と未来との境界、これらが幻想であることに気が付くと、無用な悩みを抱えずにするのかもしれませんね。


 もちろん、過去の経験を参考にするなと言う意味ではございません。しかし、過去の記憶は過去ではありません。あくまでも、記憶内容自体もそれを想起する作業も現在なのです。また、過去に経験した当時においてもやはりそれは現在だったのです。


 また、未来についても、それを予期する行為も予期した内容も現在なのです。


 そして永遠を生きるということは不死といっても過言ではないのかもしれません。少なくとも死への恐怖や不安からは解放されるかもしれません。


 繰り返しますが、過去や未来の存在を忘れろ(考えるな)という話ではありません。そもそも去も未来も最初から存在しないということを自覚すべきだということです。


6.諸境界の成長 


 これまで「統一意識」の話をしてきましたが、これからは自己における諸境界の発生過程を見ていきたいと思います。


 一番深いところで形成されている「統一意識」ですが、人間にとって、まず原初の境界(有機体VS環境)という自己と非自己の境界が発生します。これには理由も原因もありません。


 あくまで原初の境界は自然発生的に起こるのです。


 なぜ、自然発生的と言えるかというと、原初だからです(‐^皿^‐)


 さて、まず一番初めにぶちあたる大きな境界線である皮膚。本来は自分の身体の外の環境も自己なのですが、自分の身体の内側が自己であると思うようになってしまいます。


 しかし、環境と自己とを分離した結果、今度は死の恐怖が人間を襲います。なぜなら、自分自身の身体(有機体)はいつの日か必ず朽ち果ててしまうからです。無限と永遠に一体化した「統一意識」の状態では死の恐怖を味わうこともなかったのですが、有限と思い込むことによって世界が狭くなってしまったのです。


 実際は未来は存在しないため「死」などというものは(本人にとっては)幻想にすぎないわけですが。


 死への恐怖は未来を求めるため、より境界線を強固なものにし、さらに恐怖を強めてしまうという悪循環を形成してしまいます。


 そして、人々は死から逃れるあまり、自分自身の身体(有機体)も自己から分離し、自我こそが自己であると思い込むようになります。有機体はいずれ朽ち果てるため、永遠であるように思われる自我の部分に自己を移り住ませたというわけですね。

 

 自我のレベルまで人々は自己の範囲を狭めていったわけですが、それにとどまりません。


 今度は自我の中の無意識の部分、中でも自分のあまり好ましくないと思っている側面について、「これは自分じゃない」と思うようになります。この側面を影(シャドー)と呼ぶわけですが、この影の部分も自己から切り離し、残った仮面(ペルソナ)の部分のみを自己だと思うようになるのです。


 このように、様々なレベルで境界は発生し、意識のスペクトルは進化を遂げていくわけです。


 それぞれのレベルにおいて境界によって発生した対立を統合していくアプローチの方法は違うようなのですが、次回以降は、各レベルにおいて仮面と影、自我と有機体、有機体と環境をそれぞれ統合させていく過程について書いてありそうです。(違ったらごめんなさい。)


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